今回はアークライトさんより2022年末に発売されたボードゲーム「エクリプス(Eclipse: Second Dawn for the Galaxy)」のゲーム内容を紹介していきます。
プレイ後の満足感、箱のサイズ、プレイ時間、お値段、それぞれがビッグなボードゲームです。
ということで「エクリプス 完全日本語版」がどういうボードゲームなのか、ルール紹介とレビューになります。
エクリプス 基本情報

デザイン | システム:トウコ・ターコカリオ |
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プレイ時間 | 25分×人数 |
プレイ人数 | 2~6人 |
対象年齢 | 14歳以上 |
版元 | Lautapelit.fi |
日本語版販売 | アークライト |
日本語版発売日 | 2022年12月22日発売 |
希望小売価格 | ¥25,300(消費税10%込) |
エクリプス ボードゲーム概要
2011年に発売し、数々の賞を受賞した大戦略ゲームがリメイクされ、完全日本語版となって登場!
本作は、広大な宇宙を舞台に、銀河を探索し、貴重な資源を奪い合い、古代技術を蘇らせ、巨大艦隊同士で戦う対戦型戦略ゲームです。
各プレイヤーは、巨大な恒星間文明ひとつを支配し、ライバルと銀河の覇権をめぐって争います。支配圏を拡大をするとともに重要な資源を獲得し、艦隊の建造や強力な武器の開発によって文明を発展させていきます。勝利への道筋はいくつも存在します。他プレイヤーの動向に注意を払いつつ、自分が担当する文明の特徴に適合した戦略を立てましょう!
コンポーネントへのこだわりが尋常ではなく、建造する艦隊コマの造形が文明ごとに異なっていたり、宇宙船パーツタイルや技術タイルが100枚以上あったり、それらを整理するための専用トレイまで付属しています。
アークライト公式HP
エクリプスは各プレイヤーが宇宙種族の1つとなり、宇宙の覇権を競う超重量級ボードゲームです。
生産力を強化し、軍事力を強化し、NPCや他プレイヤーと戦い、自身の勢力を拡大していくことになります。
BGGランキング20位台と世界的にも非常に高評価な作品の1つ。
プレイ時間は人数×25分と書かれていますが、完全に嘘です(笑)。どうプレイしたら25分で終わるのやら。。
4人プレイでインスト1時間プレイ時間3時間は見ておいた方が良いでしょう。つまり超重量級作品です。
2011年にオリジナル版が発売され当時から話題になっていた作品ですが、今回アークライトさんから発売されたのは10年越しにリニューアルされたエクリプスの第二版となっています。
細かいルール調整は勿論のこと、コンポーネントやアートワークが一新されており、より今風のボードゲームらしさが増しています。
エクリプス ルール概要
ここではエクリプスのルール概要を説明します。
超重量級だけあってそれなりにルールは複雑なので、流れがわかるような概要紹介にとどめておきます。
ゲーム終了条件と勝利条件
- 8ラウンド終わること
8ラウンド終わったらゲーム終了です。
オリジナル版は9ラウンドだったので、リニューアル版の本作は調整が入っています。
8ラウンド終了した時点で、最も勝利点が高いプレイヤーの勝ちです。
序盤は探索。中盤はNPCとの戦闘。終盤はプレイヤーとの戦闘。という感じでラウンドごとに徐々にプレイ感が変わっていくのが特徴。
プレイの流れ
- アクションフェイズ
- 戦闘フェイズ
- 維持し支払いフェイズ
- クリーンアップフェイズ
このゲームは4つのフェイズからなっています。
アクションフェイズがメインのフェイズです。
アクションフェイズ
アクションフェイズでは、スタートプレイヤーから順番に、時計回りに1アクションずつプレイしていきます。
プレイ可能なアクションは以下の6つです。
- 探索
- 研究
- 改良
- 建築
- 移動
- 支配
アクションを実行した場合、自分のアクションタイルを1つ、実行したアクションマスに移動します。
各キャラクターによって、アクション選択後に実行可能な回数が違います。
▼各アクション選択時の実行回数は、キャラクターとアクション毎に異なります。

例えば、移動が得意なキャラクターだと、移動アクションを選択すると、移動を3回行えたりします。
実行可能数はキャラクターボードに書いてあります。
アクション:探索
探索は最も基本的なアクションで、自分の支配地域か軍事力のあるタイルの隣接マス1つを探索します。
タイルを1つ該当のマスに配置します。
NPCがいないマスだった場合は即座に支配が可能です。支配する場合、自分の支配タイルを配置することになります。
生産力を上げるためにはタイルの支配が必要なので、非常に重要なアクションの1つです。
▼探索してガンガンマップを拡張していくゲームです。

探索した人がタイルの向きを決められるので、隣接するプレイヤーと交戦したいかしたくないかを踏まえて、移動可能経路か移動不可経路か、タイルの向きを合わせることが出来ます。
ちなみに探索場所は内陸から外部に向かって、ゾーン1,2,3とわかれています。
タイル数は有限のため、ひたすら外に向かって探索し続けることはできず、何れタイルが無くなって探索できなくなります。
そのため探索が完了する終盤は、発展するためには他のプレイヤーの陣地に攻め込む必要が出てくるようになっています。
アクション:研究
研究では市場から研究タイルを獲得して自分の研究ボードに配置することが出来ます。
所謂、自分だけの特殊能力を獲得するアクションですが、研究タイルの獲得には「研究」のリソースが必要です。
研究ボードは「軍事」「グリッド」「ナノ」3つのトラックに分かれていますが、基本的には戦闘機を強化するためのパーツの研究が多いです。
勝利点であるモノリスを建築可能になったり、攻撃ミサイルを開発できるようになったり、通常移動が出来ないワームホールを移動できるようになったり。
▼研究トラック。研修タイルを配置していき、進度に応じてコストが安くなったり、勝利点が得られる

研究による恩恵は様々です。
安いものはリソース2くらいで獲得できますが、高いものは10以上のリソースが必要になってきます。
同じ研究を進めるにつれ、研究コストはボードに書かれているだけ値引きされるようになります。
研究タイルは毎ラウンド一定数補充されるため、欲しい研究が全然出てこない、先に取られてしまった、なんて言うことも起きてきます。
また、タイルは通常複数存在しますが、1つしかない比較的強めなレア研究タイルも存在します。
アクション:改良
改良では自身の戦闘機を改良します。
戦闘機は大中小の3つと防御専用の1つの合計4タイプあります。
▼マスにタイルを配置することで、それぞれの戦闘機の能力を改良します

改良は基本的にはタダでパーツを付けて、戦闘機を強化することが出来ますが、多くのパーツは「研究」で特別なタイルを持っていないと強化できないようになっています。
戦闘機の性能
このゲームの非常に重要な要素「戦闘機」です。
各戦闘機は以下の性能を持っています。
- 移動力
- スピード
- 攻撃力
- 耐久力
- 電力
「移動力」はその通り1度のアクションで移動力分の移動が可能です。
「スピード」は戦闘になった際の攻撃順を決めるために参照されます。
当然スピードが速い方が先制攻撃が可能なので強いです。
「攻撃力」はその名の通り、敵船を攻撃するための威力です。ダイスを何個振れるかが書いてあります。
☆は無条件で1ダメージ。数字は6以上になれば1ダメージです。
サイコロの6の目が☆になっているため、通常6は出せないのですが、強化パーツで+1などのパーツがあるので、その場合は、5が出た場合も+1で6になり、ダメージとなります。
+2だと、☆、5、4の3つでダメージになるため、サイコロ1つで50%の確率で1ダメージが与えられることになります。
一方で船には防御シールドを貼ることも出来、その場合はー2など敵のダイスの出目を減らす効果があります。
☆はダメージ確定ですが、5などのきわどい数字は、相手が+1などで強化したとしても、このシールドの効果で5以下ににして、無効化することが出来ます。
黄色ダイス4という戦闘力を持っていれば、黄色ダイスを4つ振って☆の数や数字をチェックしてダメージを与えます。
「耐久力」はその船のHPです。耐久力が0になった船はマップ上から取り除かれます。
「電力」はその船に積むことのできる電力・船の動力になります。電力3の船には合計で電力3までのパーツしか詰めません。
強力なパーツは基本的には大飯ぐらいなので、強力な電力動力パーツを詰まないといけません。
▼移動力1、スピード1、電力3(消費電力も3)、耐久力2、攻撃力黄色ダイス2つ(出目+1)という性能の初期ドレッドノート

こんな感じでガンガン自分の船を強化していくのが非常に楽しいボードゲームです。
アクション:建築
建築では、建材を支払って以下の建築物を建築可能です。
- インターセプター(小型船):3
- クルーザー(中型船):5
- ドレッドノート(大型船):8
- スターベース(防御船):3
- 起動リング(資源算出):4
- モノリス(3勝利点):10
建築した船は自分の拠点の何れかに設置します。
敵と戦闘するための戦闘機を大量に作成するもよし。
生産力を上げるための起動リングを建造するもよし。
純粋な勝利点になるモノリスを建造するもよし。
▼比較的重要な勝利点要素のモノリス

起動リングやモノリスは1タイルに1つまでという制約があります。
強力なドレッドノートを1体作るのか、インターセプターやクルーザーを細かく作るのか。悩ましいですね。
アクション:移動
移動アクションでは自分の船を船の移動力分だけ移動します。
敵との戦闘をするためには必須で、更に複数の軍事ユニットを移動させるとなると時間がかかるため、移動力はそれなりに重要です。
ワームホールが繋がっていない場所は移動不可です。
ただし、片側だけワームホールが繋がっている場所は、特殊な研究タイルを獲得することで移動できるようになります。
アクション:支配
支配アクションでは、空いているタイル1つを支配します。
自分の手持ちの支配コマをそのタイルに配置して自分の土地であることを主張できます。
もしくはすでに支配済みのタイルから支配コマを回収したり、既に置かれている支配コマを移動させて支配することも出来ます。
支配しすぎると毎ラウンドの支払いが非常に増えていくため、戦略的に支配を解除することも重要です。
支配した都市に対しては、3つ保持している「植民地タイル」を使用することで、自分の生産トラックからキューブを配置して、生産力を高めることが出来ます。
お金を算出するタイルだった場合は、お金トラックからキューブを配置することで、毎ラウンドのお金の生産力が上がります。
植民地タイルは毎ラウンド3回まで使用可能で、1キューブをマップに配置する毎に1枚裏返しにして使用済み状態にしていきます。
支配して、植民地タイルを使ってキューブを配置、生産力がUP。
これが支配するための大きなモチベーションの1つです。
▼タイルに丸コマを置いたら支配。四角いキューブを置いて植民地化して生産力UP

また、支配した場合、その上に載っている報酬タイルを獲得可能です。
純粋に勝利点2にするか、もしくは特殊な恩恵を受けることが出来ます。
例えば、建材7をいきなり獲得したり、船に積載可能な特殊な装備をいきなり獲得することも出来ます。
ミサイル4連打装備のような、通常レア研究しないと獲得できないようなえげつないボーナスもあるので、そういうのを序盤から獲得した場合、かなりのアドバンテージになります。
この報酬タイルによるボーナスもかなり大きいため、支配したいモチベーションになっています。
探索して支配、探索して支配、これがこのゲームの序盤の基本的な動き方になると思います。
ちなみに支配アクションを実行すると、裏になっている「植民地タイル」を2枚まで表にすることが可能です。
生産力を1ターンにガンガン上げたい場合はこの支配アクションを使っていく必要があります。
パスした場合
アクションは可能な限り実施してよいのですが、アクションすればするほど、お金が必要になってきます。そのため、ある程度常識的なタイミングでパスを選択することになります。
パスを選択した場合は、初めてパスしたプレイヤーならスタートプレイヤーマーカーを貰いつつ、2金がもらえます。
また、パスした後でも、以下の移動や改良など軍事に関係するアクションは実行することが可能です。
- アップグレード(1回固定)
- 建築(1回固定)
- 移動(1回固定)
これは他プレイヤーの行動次第で自分の軍事を強化しないといけない場合などに役立ちます。
ただし、アクション実行後の実施回数は1回になります。
フリーアクション:同盟
他のプレイヤーと同盟を結ぶことが可能です。
自分の生産キューブを1つ好きなところから取って、同盟タイルと一緒にそのプレイヤーにプレゼントします。
これにより、自分の好きな生産力を1上げることが出来ますし、同盟タイルは1勝利点になります。
ただし、4つしかない勝利点タイル置き場の1つを占有することになります。
同盟を破って軍事行動した場合、勝利点2のペナルティが付き、更に他のプレイヤーと同盟を結ぶことが出来なくなります。
最後に同盟を破ったプレイヤーにこの2点ペナルティは移動するため、自分が同盟を破った後に、また他のプレイヤーが同盟を破ってくれた場合は、再度同盟を結ぶことが出来るようになります。
戦闘フェイズ
アクションフェイズの次に重要なフェイズです。
同じマスに自勢力以外の勢力のユニットがいる場合、強制的に戦闘が発生します。
序盤は星を守っているNPCとプレイヤー間の戦闘が多く、終盤はプレイヤー同士の戦闘が多くなるでしょう。
戦闘の流れは、大体先ほど説明した通りです。
- スピードが速い船から行動(同着は防御側優先)
- 同じ種類の船のダイスはまとめて振る
- ミサイルによる先制攻撃
- その後通常戦闘
- 通常戦闘をどちらかの勢力が無くなるまで続ける
先制攻撃で相手戦力をボロボロにできると強いので、基本的にスピードは重要です。
ただ、その前に先制攻撃のミサイルが飛んできます。ミサイルで強化しているユニットがいると、大量のミサイルでいきなり壊滅したりします。
ミサイル以降は通常戦闘をスピードの順番で繰り返して、どちらかの勢力が全て全滅するまで続きます。
同じ種類の船はまとめてダイスを振るので、黄色ダイス1の小型船でも10体いればダイスは10個一気に振ることが出来ます。
結果はダイス依存なのでそれなりにギャンブルになることもあれば、しっかり強化した船で安定した戦いをすることも出来ます。
序盤はNPCのエイリアン船が沢山探索で見つかるので、それらに勝利するための強化が重要になってくるでしょう。
また、中央には1体だけGCDSという特殊なNPCが鎮座しています。
▼宇宙の中央を守る最強のNPC「GCDS」

中央は特別なマスで支配することで、大きな勝利点や生産力などアドバンテージを得ることが出来ますが、守護しているGCDSが非常に強力なので支配できるのはゲームの終盤になるでしょう。
戦闘報酬
戦闘した場合、勝ち負けに関わらず、勝利点がもらえます。
袋からランダムに一定枚数の勝利点トークンを引いて、そこから1枚を獲得できます。
- 戦闘に参加する:1枚
- 敵戦を破壊:1~3枚
勝利点トークンはランダムに4~1点の数字が書かれているので、沢山引いてなるべく4点を確保したいというわけです。
負けても最低1点はもらえるので、基本的には戦闘はしていった方が良いでしょう。
▼確保した戦闘報酬は同盟タイルと合わせてMAX4つまでしか保持できません。

生産と支払いフェイズ
自分の生産力に従って収入が得られます。
しかし、自分が使用したアクション数と支配済みの惑星によって自分のタイルが取り除かれており、その分だけお金の支払いが必要になります。
▼支払いトラック。ここからアクションコマを取る度に、毎ラウンドの支払いが増えていく

MAX30金の支払いが必要ですが、かなり厳しいのでアクション数や支配数は重要ですし、お金の収入はアクション数を増やすためにも重要です。
支払えなかった場合は、支配地域を解除して支払いを減らす必要があります。
それでも支払えなかった場合は何とゲームオーバーでゲームから脱落します。
余程適当プレイしていないとならないと思いますが中々シビアですね。
クリーンアップフェイズ
次のラウンドに備えた準備するフェイズです。
戦闘で減ったHPは全回復します。
研究タイルもプレイ人数に応じて引いて購入市場に配置していきます。
得点計算
- 名声タイル:戦闘するともらえる。1枚につき1~4VP
- 同盟タイル:同盟したらもらえる。1枚に付き1VP
- 支配地域:支配しているタイルに書かれている点数。1~4VP
- モノリス:支配している地域のモノリス1つで3VP
- 報酬タイル:探索後に特殊能力として使用しなかったタイル。2VP
- 同盟裏切りタイル:-2VP
- 研究進捗:4つ研究したら1VP。MAX7つ研究で5VP
これらの勝利点を合計して最も多いプレイヤーの勝ちです。
お疲れさまでした。
支配地域からの点数は大きいですし、勝利点にしか意味がないモノリスも、純粋な得点行動で強いです。
研究トラックも進めると10点位は稼げそうですね。
キャラクター能力
このゲームは勢力によって能力が異なるヴァリアブルプレイヤーパワーシステムを採用しています。
勢力によって、得意なアクションが違ったり、初期資源が違ったり、最初から研究されている研究タイルが違ったり、様々な違いがあります。
建築型、軍事型、研究型、バランス型など6種類+1種類のプレイヤー能力が楽しめます。
▼軍事力が最初から強い黒の軍勢

全てのボードの裏面はバランス型になっていますが、トレードが強かったり、最初から研究無しで防御艦を作れたりと、普通に戦える強さを持っています。
エクリプス レビュー
ここからはエクリプスのレビューとなります。
諸々がやや重いのが難点ですが、ボードゲーム好きにはかなり楽しめる作品になっていると思います。
ガッツリ楽しい系ボードゲーム
探索、強化、支配、戦闘などオーソドックスなアクションを持つゲームながら、しっかりガッツリ楽しめるボードゲームです。
序盤の探索、中盤の勢力拡大、終盤のプレイヤー同士の戦闘と、ラウンドを追うごとに徐々にプレイ感が変わっていきます。
序盤の探索は、どんなタイルが出るのかワクワクしますし、タイルを支配して植民地化することで、毎ラウンドの生産力が上がっていき、徐々に拡大再生産して強くなっていくのが実感できます。
探索⇒植民地化⇒生産力UP。これをやっていくだけで普通に楽しいです。
探索報酬も様々で、ランダムに突如得られる報酬からいきなり戦闘能力が強化され、序盤からノビノビ戦闘できるようになったりします。
探索していくとNPCが守っている惑星が出てくるわけですが、そういう惑星こそ資源が豊富でオイシイタイルになっています。
なので序盤から中盤にかけては、こういうNPCが支配しているタイルに戦闘を仕掛けていくことが増えます。
序盤に小型船2隻が各プレイヤー持っていますが、流石に最序盤からプレイヤー間に戦闘を仕掛けることは稀でしょう。プレイヤーに戦闘を仕掛けて疲弊するより、NPCのいる惑星を狙った方が明らかに効率がいいので、そういうプレイになります。
中盤になると、生産力に余力が出てくるので、探索を続けるのか、自身の研究や船を強化するかが悩ましくなっていきます。
NPCと戦うにはそれなりの戦力が必要ですし、場合によっては隣国のプレイヤーがそろそろちょっかいを出してくる可能性もあるわけです。
終盤になると、探索できるタイルが一切なくなってしまいます。こうなると自分の勢力を拡大するにはおのずと他プレイヤーの領地を侵略する必要が出てきます。
これはかなり上手い調整で、終盤のラウンド7,8は探索マスが無くなり、ほぼ必ずプレイヤー同士の戦闘が発生するようになっています。探索だけしていれば済むような作りにはなっていません。
そんな感じで序盤の拡大再生産から、領土拡大、そして終盤の大規模戦争と、戦略系ボードゲームのしっかり面白い要素が詰まっており、最高に楽しめます。
船の強化が楽しい
戦闘船の強化はこのボードゲームの魅力の1つです。
4つしかパーツを装備できないがコスト3と非常に安いインターセプターを強化していくか、それとも切り札的な強さを誇るが8コストと高いドレッドノートを作るか。
どの船を作り、どの船を強化するか、悩ましくかつ面白いです。
攻撃特化した紙装甲になったり、攻撃と防御をバランスよく調整した作りになったり、移動力だけやたらと速い作りになったり。ミサイルを装備したり。
自分だけの船を設計してそれが実際に戦闘で使われるのは、遊んでいて非常に楽しく魅力的でした。
強化の実施も、研究さえ済んでいたらコストはかからないので、強化アクションを実行するだけでガンガン船が強くなっていきます。
強化した船で最初のNPC船を撃破することが出来たら、そこからはもうこのゲームの虜でしょう。研究で開発可能なパーツを増やしてもっとドンドン強くしていきたいと思うでしょう。
研究による強化が楽しい
このゲームには40種類くらいの研究タイルがあります。これらの研究タイルを確保して自身の勢力を強化していくのが楽しいです。
研究タイルはそれぞれが特徴的な能力を持っており、更に毎ラウンド一定数補充されるだけなので、欲しいタイルが手に入るとは限りません。なので、どのタイルがいつ手に入るかはプレイする毎に異なります。
研究するためのリソースはそれなりに確保が難しいのですが、研究は進めるたびにコストが下がっていきますし、研究によって得られる特殊能力は以降のラウンドを確実に楽にしてくれます。
何の研究をしているか次第で、勢力の立ち回りもそれなりに変わってくることになるため、重要かつ楽しい要素の1つになっています。
程よいランダム要素が楽しい
戦闘などまさにそうですが、ダイス振って一喜一憂することになります。
このランダム要素が程よく楽しめて盛り上がる要素になっています。
ダイスの確率を上げる方法は用意されているので、ある程度はコントロールはできますが、それでも出目が悪いと思ったような結果にならないことも出てきます。
舐めてかかったらNPCにぼこぼこにされて全滅した、なんていうことも起こるでしょう。
最高のコンポーネント
本作はかなり気合の入ったコンポーネントの数々です。
これでもかという位コンポーネントが入っています(笑)。
特に勢力によって軍艦の作りが違うのはかなり良いポイントだと個人的には思いますね。
ものすごいごっついドレッドノートを持つ勢力がいたり、スマートなドレッドノートだったり、プレイに臨場感を与えてくれます。
超重量級の重重ゲーム。しかし、あっという間に終わります
本作は見た目もお値段もコンポーネントも、見た目通りで超重量級ボードゲームです。
プレイ時間は4人で3時間以上は見ておいた方が良いでしょう。
プレイ人数が増えると純粋にダウンタイムが増えるため、6人プレイなどになると、更にプレイ時間がかかります。
公式だと25分×人数ってなってますが完全に嘘っぱちです(笑)。
ゲーム終了までに8ラウンドあるわけで、そうなると1ラウンド3分で終わらせないといけないことになります。4,5アクションやるゲームで1ラウンド3分は流石に無理があるんじゃないか。
しかしこのゲームはアクションのプレイ感はさほど複雑ではなく、ルールも覚えればさほど難しいものは無いので、プレイ時間の長さに比べるとプレイ感は軽めだと思います。
私の初プレイ時も結構あっという間に3時間が過ぎ去っていました。それくらい熱中できましたし、楽しかったわけです。
インタラクションは強め
当然ですが、軍拡して隣国と戦うような設計になっているため、プレイヤー間の戦闘は大体不可避です。
攻め込んだり攻め込まれたりが発生するため、その結果により、楽しいとか楽しくないとか、そういう感想は出てきてしまうでしょう。
初期配置や戦闘ルールなどで、同じプレイヤーを複数人で叩くようなプレイは、そこまでやりづらいようになっています。それでも1対1の戦闘は発生します。
ただ、他プレイヤーの星を攻撃した場合、戦闘に勝利したとしても完全に乗っ取るまでに時間がかかってしまうので、他プレイヤーを叩くメリットは序盤はそこまでありません。それより空きマスを探索してそこを支配した方が余程効率的です。
なので、最序盤の拡大再生産をつぶされて、以降残り2時間はつまらなくプレイするだけ、みたいなことは起きづらいように思います。
また、戦闘以外でも、隣国と隣接するタイルの置き方や、研究タイルの早取り、探索可能なタイル数など、他プレイヤー依存でプレイ感が変わる要素は沢山あります。
戦闘ほどでは無いですがほどほどのインタラクション要素になっています。
総合評価
気になっていたエクリプスをプレイしたので早速のレビューでした。
BGGの高ランキングに偽りなし。いやー、これは良いボードゲームですね。確かにプレイ時間はかかるボードゲームですが、面白すぎるのであっという間に時間が溶けます。
戦闘要素によるインタラクション要素とプレイ時間の長さの好き嫌いはあると思いますが、それが気にならなければかなり楽しめると思います。
プレイ感もプレイ毎に異なり、様々なランダム要素や勢力による能力の違いなどもあるため、リプレイ性もしっかり。何度もプレイしたくなります。
プレイ時間の分だけガッツリ満足感の得られるボードゲームという感じでした。
評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
エクリプス 内容物
- 宇宙船ミニチュア:108個
- GCDSミニチュア:1個
- 古代艦ミニチュア:14個
- ガーディアン艦ミニチュア:4個
- 軌道リングミニチュア:12個
- モノリスミニチュア:10個
- 住民キューブ:198個
- ダメージキューブ:12個
- 命令ディスク:96個
- ダイス:24個
- 保管庫マーカー:18個
- ラウンドマーカー:1個
- 袋:2枚
- 星系タイル:54枚
- 技術タイル:114枚
- 早見表タイル:6枚
- 裏切者タイル:1枚
- 情報タイル:4枚
- 第1プレイヤータイル:1枚
- 大使タイル:18枚
- 設計図タイル:6枚
- コロニー船タイル:24枚
- 発見タイル:36枚
- 宇宙船パーツタイル:282枚
- 名声タイル:33枚
- 軌道リング/モノリスタイル:10枚
- ワープポータルタイル:1枚
- 種族ボード(両面):6枚
- 種族トレイ:6セット
- コントロールボード(上下):6セット
- 技術トレイ:1個
- 改造トレイ:1個
- テーブルトレイ:2個
- ベーストレイ:1個
- ルール説明書:1冊
- トレイ説明書:1枚
凄まじい数のコンポーネント数です(笑)。
流石超重量級といったところ。
勢力毎に戦艦のフィギュアが異なっているのは凄いこだわりですよね。
エクリプス 紹介のあとがき
以上、ボードゲーム「エクリプス」のゲーム紹介でした。
重量級を更に超えた超重量級の作品のため、人を選ぶボードゲームなのは間違いないですが、食わず嫌いしてしまうには勿体ないくらい非常に面白いボードゲームでした。
超重量級ボードゲーム「エクリプス」。気になる方はチェックしてみて下さい。
画像はBGGから抜粋
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