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「ファウストvsメフィスト(Faust vs Mephisto)」ボードゲーム紹介とレビュー

今回はボードゲーム「ファウストvsメフィスト(Faust vs Mephisto)」を紹介します。

2人専用のトリックテイキングゲームで、非対称の勝利条件を満たすために、如何に自分の狙い通りのトリックを獲得し・不要なトリックを押し付け合うか戦略的なゲームとなっています。

エッセンシュピール2025で発売されたばかりの新作ボードゲームで、日本ではゲームマーケット2025秋で日本語訳付で発売予定です。

「ファウストvsメフィスト(Faust vs Mephisto)」がどういうボードゲームなのか、ルールとレビューを紹介していきます。

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ファウストvsメフィスト 基本情報

デザインGeonil
プレイ時間20分
プレイ人数2人専用
対象年齢14歳以上
版元Mandoo Games
発売日・2025年10月
・ゲムマ2025秋 両日エリア46(日本語訳取説付き)
希望小売価格3,500円(税込)
関連サイト>> BGG紹介ページ
>> ゲームマーケット紹介ページ

ファウストは悪魔メフィストフェレスから、世のすべての名誉・富・快楽を享受できるという提案を受けます。ファウストはそれを、自らの探求心を満たし理想へと近づく絶好の機会と捉え、メフィストの提案を受け入れます

このゲームでは、ファウストは2ラウンドのあいだメフィストの誘惑に抗い、4つの分野でバランスを保たなければなりません。あるスートのすべてのカードを獲得するか、あるいはすべて失ってしまうとバランスが崩れ、その分野はメフィストの手に落ちてしまいます。

ゲーム終了時までに3つ以上の分野でバランスを保っていればファウストの勝利、そうでなければメフィストの勝利となります。

しかし、物語はそれほど単純ではありません。ファウストとメフィストは共に、相手を欺いてカードを代わりに出させる「魔法のコイン」を使うことができるのです。最後の瞬間まで、勝敗の行方は誰にもわかりません。ファウストとメフィスト、あなたはどちらのエンディングを望みますか?

BGG紹介ページ

ファウストvsメフィスト ルール概要

ここではファウストvsメフィストのルール概要を説明します。

トリックのスートは4種類

ファウストVSメフィストは、2人専用のトリックテイキングゲームです。

スートの色は4色あり、それぞれ悪魔メフィストの誘惑「お金(黄)」「若さ(緑)」「愛(赤)」「知識(青)」を表現しています。

ゲームの目的

  • メフィスト(悪魔):1種類の色のカードを全て取らせるか、自分で全て取ること。これを異なる2色で実現する。
  • ファウスト(人間):悪魔メフィストが勝利条件を満たさないこと。

非対称の勝利条件となっています。

メフィストは悪魔なので人間ファウストを堕落させようとします

人間ファウストが欲望に負けて「1色全てのカードを取ってしまう」か、逆に悪魔の力を一切活用することが出来ずに「1色すべてのカードをとれないか」どちらかになることを目指します。

ファウストは人間ですが、悪魔と契約して悪魔の力を出来る限り活用しようとします。

人間ファウストは、程よく悪魔メフィストの力を使いつつ(カードを取る)、かといって使い過ぎない(1種類の色のカード全部は取らない)ことを目指します。

例えば、ファウストが青の知識のカードを全て取ってしまった場合、メフィストの勝利が近づきます。

知識を表す青のトークンが‥・

裏返しになり「悪魔メフィスト」のものとなりました。

4種類あるスートの内2種類でトークンが裏返しになった時点で、メフィストの勝ちとなります。

メフィストが勝利条件を満たさないまま、2ラウンドのゲームを完了した時点で、ファウストの勝ちとなります。

マストフォローのトリックテイキング

基本のルールは「マストフォロー」の「トリックテイキング」です。

打ち出しプレイヤーが「緑のカード」を出したなら、相手プレイヤーは「緑のカード」を出さなければなりません。

同じ色の場合は数字が高い方がその2枚のカードを獲得します。

異なる色(スート)間の強弱

このゲームには「切り札」のようなカードはありませんが、色(スート)違いでも強弱があります。

スート間の色の強弱を管理するのがこの「ゲームボード」です。

最初は何も置かれておらずカードの色の強弱がありません。

ゲームボード上にトークンが置かれていくのですが、置かれたトークンの中で、一番上が強く一番下が弱い色になります。

上記の場合は、赤>青>黄>緑、の順で強いわけですね。

トークンがどのように置かれていくかは後述。

色(スート)の強弱の決まり方

スート間の強弱はゲーム開始時には決まっておらず、初めてその色のカードがプレイされた際に決まります

基本的には後に出された色のスートが強くなるようになっています。

ゲーム開始時に「緑カード」を出した場合、緑トークンがゲームボード上の一番下(正確には1マス開けて下から2番目)に置かれます。

以降「緑カード」は一番弱い色になります。

緑の打ち出しに対して、緑を持っていない場合は好きなカードを出します。

例えば、青を出しました。

その場合、ゲームボード上のトラックで、まだ置かれていない一番下の空きマス、にその色のトークンを置きます。

つまり、このトリック含めて、以降「緑」より「青」の方が強いことが確定します。

ゲームを進めていくとこんな感じで、4色のカードの強弱が確定していきます。

こんな感じで、ゲーム開始時には決まっていないカードの色の強弱が、ゲームを進めていく中で初めてその色が出たタイミングによって、決まっていきます。

基本的には後で出した方の色が強くなるように出来ています。

「スートの強弱リセット」と「青色」の特殊効果

4色すべてのトークンがボード上に出た場合、そのトリックの終了時にスートの強弱がリセットされます

つまり、ボード上からトークンが取り除かれて、また一から色の強弱が決まっていくことになります。

4色のスートの内、緑を除く3色は特殊な効果を持っています。

「青色」の特徴は、このリセット時にトークンがボード上に残ったままになるというものです。

青は一度決まった強さはそのラウンド中は固定されるということですね。

「黄色」の特殊効果

「黄色」の特徴は、カードを初めて出した際に、スートの強さが+1されるという効果です。

上の図のように1マス飛ばしでトークンが置かれることになります。

スートの強さは、1マス開けて2つ上のマスに置かれることになります。

黄色は強いカードですが、強くなりすぎて+1すると一番上を突き抜ける場合は、何と一番下に置かれて最弱となります

この黄色トークンが最弱になることを踏まえて、ボードの一番下のマスが空いていたのでした。

「赤色」の特殊効果

赤色の特徴は、カードの打ち出しに制約がかかる点です。

「手札に赤しかない」「既に赤が場に出ている」。何れかの条件を満たしていないと打ち出しで赤は出せません。

「緑色」の特殊効果

緑だけは特殊効果が何もない色になっています。

カード枚数は緑が一番多いです。

10トリックでゲーム開始時にカードを2枚抜く

全スートのカード枚数は固定で、赤1~4、青1~5、黄1~6、緑1~7で、合計22枚です。

これを2人に10枚ずつ配って、全10トリックでカードを取り合います

自分が持っていないカードは基本相手が持っているため、戦略を立てやすいと思いきや、開始時にランダムで2枚除かれるのがポイントで、そのカード次第で完全な予想は出来ないことになります。

切り札的存在の「コイン」

ここまででも十分なルールなのですが、切り札的存在の「コイン」を各プレイヤー2枚ずつ持っています

コインを使うと、自分の手番でカードを出す代わりに、「色」と「最大 or 最小」を指定して相手プレイヤーにカードを出させる、ことが出来ます

「緑の最大」のように指定して、相手の緑カードを吐き出させて、更に、自分の代わりにカードを使わせることが出来るわけです。

コインを使われても通常のルールは守らなければならないので、マストフォローを無視してカードは出せませんし、赤の打ち出し制約も守らなければなりません。

コインに従えない場合は、通常ルールを守るように「最大 or 最小」の方だけをコインに従ってプレイします。

コインを使うと相手の手札が1枚少なくなるのですが、相手も同様にコインを使うことで、最終的には使用される手札とコイン枚数が等しくなります。

計2ラウンドの戦い

上記ルールに従って10トリックゲームを2ラウンド行います

1ラウンド目でメフィストの裏面になったトークンはそのままで、それ以外はゲーム開始時のようにリセットします。

果たしてどちらが勝つでしょうか?

お疲れ様でした。

以下、レビューに続きます。

ファウストvsメフィスト レビュー

ファウストvsメフィストのレビューになります。

2人専用ボードゲームの優秀作品

ファウストvsメフィスト面白いですね。

率直な感想として非常に面白い2人用ボードゲームだと思います。

私はあまり2人専用トリックテイキングゲームを遊んだことが無いのですが、本作はランダム要素もありつつも、かなり戦略的で中毒性のある楽しさで、何度も繰り返し遊んでしまいました。

シンプルなマストフォローのトリックテイキングのルールに、追加で複数の味付けがされていて、それら全てがゲームを面白くしています。

2人用ボードゲーム好きなのであれば素直におすすめできる作品です。

程よいランダム性がかなり良い

このゲームのランダム要素は「開始時に抜かれるカード2枚」の存在です。

これが非常にいい味を出しています。

2人プレイですし、22枚のカードの構成も決まっているのだから、相手がどのカードを持っているかを読めるわけですね。自分が持っていないカード≒相手が持っているカード、なわけです。

相手が持っているカードが読めてしまうと、トリテではかなりシンプルな勝ち負けの戦いになってしまいがちですが、本作では22枚からランダムで2枚ほどカードが抜かれています。

たかが2枚ですが、されど2枚です。この抜かれた2枚が何なのかによって勝敗が全然変わってきます。

「相手が緑の7を持っていなければ勝てる」とか「こちらは抜かれた2枚を把握できたが相手はまだわかっていないはず」とか、ランダムな2枚が存在することでそれがプレイ結果の不確実性に繋がったり、場合によっては、自分だけのアドバンテージにもなるわけですね。

コインによる更なる戦略性

コインルールは最初のプレイではややわかりづらく、入れないでプレイしても楽しく遊べますが、コインルールが入ることで更に戦略性が増して楽しさが増します

コインは非常に強力で、相手が狙ってカードを出したのに対して、コインを使うことで、その相手の目論見をいとも簡単に壊すことが出来てしまいます(笑)。

勿論ですが逆もしかりです。

状況を正しく考えて判断すれば、確実に自分に有利になるように使うことが出来るため、使いどころが非常に重要で悩ましく頭を使って楽しい部分です。

私がプレイした際も、コインでこれだけはやってほしくない・・・と考えていた使い方をドンピシャでやられて、見事に敗北しました(笑)。

使えるタイミングは様々ですが、ここぞという時を見極めて使うことで、勝ちを引き寄せることが出来る面白いルールとなっています。

フレイバーも非常に良い

ゲームのフレイバーも、ゲームシステムと凄いマッチしていて非常に好みです。

強力な欲を満たす悪魔の力と、それに溺れて悪魔に屈しないようにする力と、人間ファウストのその葛藤が上手くトリックテイキングのゲームシステムに落とし込まれているように思います。

最初から悪魔の力など使わなければ良いのでしょうが、知能・若さ・お金・愛の力を得るために悪魔の力を使ってしまう・・・人間の欲望をよく表していますね(笑)。

ファウストとメフィストはどちらが強い?

非対称のボードゲームなので、メフィストとファウストはどちらが強いでしょう。

私が遊んだ限りだと今のところの勝率は半々位です。

メフィストの勝利条件である「全カードを回収」×2色は、全2ラウンドで2回達成すればよいので、結構条件が緩くてメフィスト有利だと最初は思っていましたが、いざ遊んでみるとこれが思ったように上手くいきません。

トリックテイキングゲームは、同じ色を沢山持っていてそれが切り札などの強カードであれば、連続勝利で一気に大量獲得が出来るわけですが、本作ではそういうトリックテイキングゲームの鉄板行動では勝利することは中々できません。

最初にプレイしたカードは弱いスートになってしまうので、最初にプレイすると後で簡単に取られてしまいますし、最後にプレイしたスートは強力ですが、強弱リセットが走ると折角の強スートがリセットで弱くなってしまいます。

そんな感じでプレイ中にスートの強弱が変わることで、全てのトリックを取ったり取られたりが中々狙いづらくできています。

総合評価:非常に面白い2人専用トリックテイキング

総合評価としては、非常に面白い2人専用のトリックテイキングゲームだと思います。

「非対称の勝利条件」「スートの強弱」「ランダム性」「コイン」「フレイバー」など、コンパクトサイズのゲームながら、随所に細かく楽しくなるポイントがちりばめられています。

取説も非常にわかりやすく、面白いのと同時に面白くするための細かい工夫に感心してしまいました。

2人専用ボードゲームを探しているのであれば、夢中になれると思います。おすすめです。

評価:★★★★★★★★☆☆(8点)

ファウストvsメフィスト 内容物

  • スートカード:22枚
  • スートトークン:4枚
  • ゲームボード:1枚
  • コイン:4枚

ゲームマーケット2025秋で版元である「Mandoo Games」さんから発売されるのは、日本語版ではなく日本語訳取説付きバージョンです。

言語依存は一切無いボードゲームなので、ルールさえ把握できれば特に遊ぶための支障はなく楽しめます。

ファウストvsメフィスト紹介のあとがき

以上、ボードゲーム「ファウストvsメフィスト」のゲーム紹介でした。

2人専用トリックテイキングゲームとして、良く練られていてかなり完成度の高いボードゲームだと思います。

2人専用ボードゲームとしておすすめです。

気になる方は是非ゲームマーケット2025秋にて「Mandoo Games」さんのブースをチェックしてみてください。

それでは。

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