今回はうちばこやさんから発売されているボードゲーム「オスティア」のゲーム内容を紹介していきます。
オスティアは、魅力的なコンポーネントデザインに、マンカラシステムによる悩ましいアクション選択とリソース管理が魅力の重量級ボードゲームです。
ということで今回の記事は「オスティア」がどういうボードゲームなのか、ルール紹介とレビューになります。
オスティア 基本情報
紀元103年、時の皇帝トラヤヌスはローマにとって最も重要な港オスティア・ポルトゥスを新たに拡張整備しました。六角形に美しく整えられたこの港には帝国の各地から大量の物資が送られ、帝都ローマの栄華を支える物流基地に発展しました。
この港の最も重要な役割は、食料を内陸のローマに送ることです。
様々な商人・貴族たちがオスティアに集まっています。大船団のオーナーとなって船を貸し、事業を拡大させたり様々な需要に応えて、市民の歓心を買いましょう。
また、属州や他国へ交易に出れば、あなたの冒険譚や異国情緒溢れる文物は皇帝や貴族達の好奇心をくすぐるに違いありません。
もっとも多くの名声を得た者は、栄光あるローマの元老院と市民から祝福を受けます!
うちばこや公式HP
デザイン | System:戸塚中央 Art:別府さい Illustration:ウラベロシナンテ Rulebook:Be catchy games Worldview:ぷが Game Develop:松山太郎 |
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プレイ時間 | 90分~120分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 12歳以上 |
販売 | うちばこや(UCHIBACOYA) |
日本語版発売日 | 2022年9月 |
希望小売価格 | 7,300円(税込) |
関連リンク | うちばこや公式サイト BoardGameGeek |
オスティア ルール紹介
オスティアのルールを説明します。
ゲームの目的
勝利点を稼ぐこと
オスティアのゲーム目的は、勝利点を他プレイヤーよりも多く稼ぐことです。
このゲームでは、あらゆるアクションが勝利点につながります。
大航海時代の大船団を率いて事業を拡大させて、勝利点を稼いでいきましょう。
プレイボードの配置
オスティアでは、中央に巨大な1枚のボードが鎮座します。
全プレイヤー共通のメインボードです。
名誉トラック
名誉トラックはメインボードの右端に描かれた部分です。
このゲームは、各プレイヤー毎に名誉トラックの進度で、各種勝利点の点数倍率が変わってきます。
全プレイヤーは、ゲーム開始時の初期の名誉は「0」。
この状態だと、「建物」が1つで6点。「船」が1つで6点。「アンフォラ」が1つで4点となります。
ゲーム中に「名誉」を獲得することで、名誉トラックの値を上げることが出来ます。
名誉トラックは、最終的に12まで上げることが出来ます。
名誉を「12」まで上げると「建物」1つで12点。「船」1つで12点。「アンフォラ」1つで10点。
初期状態から一切名誉を獲得しなかったプレイヤーと比べると、倍以上の得点倍率になります。
得点要素の倍率がガッツリ上がるため、名誉を上げるのは強いアクションになっています。
オスティア港(スタート地点)
マップ左上がオスティアの港です。ここが全プレイヤーのスタート地点になります。
各プレイヤーはコビタ船コマ(小さい船)を1つずつ置きます。
終着地タイル
4種類のタイルを混ぜてランダムに終着地に配置します。
オスティアから出発した各船は、最終的にこれら4つの終着地の何れかを目指して船旅を続けることになります。
初期交易港タイル
初期貿易港タイル(黄色のタイル)は4枚あり、配置場所も4カ所あるので、ボード上の色がマッチする場所にランダムで1つずつ配置します。
ゲーム開始時に、各プレイヤーは4か所ある初期交易港の内の一か所に、最初から建築した状態で始まります。
初期貿易港は、基本的な取引効果を持つ港ですが、効果は弱め。
交易港タイル
交易港タイル(赤いタイル)をランダムでボード上の色がマッチしている場所に配置します。
大量に用意されているので、使わないタイルも出てきます。
各プレイヤーは、港に建物を建築することで、その港タイルに書かれた効果を享受することが出来ます。
中継港タイル
中継港タイル12枚は、全てマップ上に配置されます。
中継港タイルで船の移動を終えた際に、「石×2」「木×2」など、タイルに書かれている資源を得ることが出来ます。
発見タイル
発見タイルは、タイルが置かれた地点を先に通過したプレイヤーだけが貰える早取り要素です。
発見タイルは、ランダムにボード上の所定の位置に配置していきます。
使用される発見タイルは、プレイ人数に応じて内訳が異なります。具体的には、「ライオン」と「馬」のマークが両方書かれているタイルは他のタイルより強力なので、プレイ人数で配置される数に制限があります。
プレイ人数に応じて配置する場所が異なります。4人プレイでは全ての丸マスに発見タイルが配置されます。
発見タイル(褒賞)
発見タイルの内、「褒賞」マークが書かれた4枚は、何れも所定の「褒賞の絵柄」が描かれている場所に配置します。
具体的には終着地タイルの直前です。
これは、船を頑張って移動させた終着地で栄誉がもらえるということですね。栄誉が増える機会はあまり多くないのでこの「発見タイル(褒賞)」の早取り要素は比較的重要です。
プレイボードの全体像
全てのセットアップコンポーネントを配置しきるとこんな感じになります。
白い魅力的な建築物は、それぞれ赤色の各交易港タイルに、プレイ人数分だけ配置されます。
オスティアでは、コンポーネントを配置する場所と数が多いのですが、コンポーネントの色や形で、何をどこに配置すればいいか一目でわかるようになっており、一度プレイすると2プレイ目のセットアップは非常にスムーズに行けます。
アンフォラコマ
アンフォラコマは、交易の商いに使用される資源で、ゲーム終了時に勝利点になります。
アンフォラコマは、ゲームで使用される数が決まっており、プレイヤー人数×7個を用意します。
一体「アンフォラ」とは何ぞやと思ってググってみたのですが「陶器の一種」だそうです。ワインやオリーブオイルなどを運ぶために作られた素焼き容器だそうで。
イカじゃなかったんですね。。。
注文カード、全体栄誉カード
注文カードは、麦を支払うことで獲得できるカードです。
交易品であるアンフォラコマを得ることが出来るのは、通常注文カードからだけです。
セットアップでは、注文カードの山を作成しそこから4枚引いて準備します。
全体栄誉カードは、4金支払って獲得可能な先勝ち勝利点です。1枚12勝利点なのでかなり大きな点数になります。基本的には5枚使用されます。
全体栄誉カードの獲得条件は「アンフォラを4個獲得する」「建物を4つ建てる」など、5種類それぞれで違います。
建築・造船トラック
個人ボードの造船・建築トラックを準備します。
各プレイヤーは、それぞれの建築、造船ボード上にコマを配置していきます。
どのように配置すればよいかはボードで一目で分かるようになっています。
オスティア港ボード
自分のコビタ船コマ(小さい船)を、オスティア港ボードの6等分された各エリアに1個ずつ置きます。
初期配置カードを各プレイヤー1枚めくり、そこに書かれている3か所には、追加で1個の船コマを置きます。
合計9個のコビタ船コマがオスティア港ボードに配置されることになります。
初期資源の獲得
ゲーム開始時に各資源は2個ずつ保持しています。
オスティア港の各エリアに置かれたキューブがそのまま資源となります。わかるようにキューブを2個ずつ置いていきます。
左上のエリアは、資源が無いので何もおきません。
資源について
オスティアに登場する資源は5種類あります。
資源 | 用途 |
---|---|
紙 | 船の移動に使用 |
木 | 造船に使用 |
麦 | 注文の解決に使用 |
石 | 建築に使用 |
金 | 他の資源との交換用 |
各資源はそれぞれ用途が異なります。
見た目は同じオレンジのキューブですが、そのキューブを配置しているエリアによって、その資源が何なのかを表します。
例えば、左のエリアに置かれている資源は「金」を表しますし、右上のエリアに置かれている資源は「紙」を表します。
後述しますが、基本的には同じエリアで発動するアクションで使用される資源になります。
初期建築物の建築
スタートプレイヤーの右隣りのプレイヤーから順に、4か所の初期交易港(黄色のタイル)の1つに別々に建物を配置します。
ゲーム開始時から交易アクションで使用可能な港になります。
建物駒の獲得と配置
建物を建てた場合、そこの港タイルに置かれている建物駒を1つ獲得し、自分のオスティア港ボードに置きます。
初期セットアップで獲得した建物駒は、必ず右上の所定の場所に配置しなければなりません(そこ以外に配置すると特殊能力を発動してしまうため)。
これでセットアップの準備はOKです。
プレイの流れ
手番プレイヤーは、以下の2つを実行します。
- 資源を得る
- アクションの実行
これが終わったら時計回りに次のプレイヤーの番です。
これをゲーム終了時まで繰り返すだけです。
資源を得る&アクションの実行
①自分の港ボードの6か所の内好きな1か所を選択して、そこに置かれている船の数だけ資源を得ます。
例えば、左のエリアを選択すれば「お金」が2金得られます。
「コビタ船(小さい船)」は各1資源を生み出しますが、「ポンタ船(大きい船)」は各2資源を生み出します。
コビタ船とポンタ船の違いは基本的には、この生み出す資源量の違いだけです。
②最後に船を置いたエリアのアクションを実行。
資源を生み出しつつ、船を1個ずつ隣のマスに配置していきます。最後の船を配置したマスのアクションが実行されます。
これがいわゆる「マンカラ」というゲームから始まった「マンカラシステム」という仕組みです。
アクションの種類
アクションは全部で6種類あります。
アクション名 | 効果 |
---|---|
移動アクション | マップボード上の船を移動させる |
造船アクション | 船をボード上に増やす |
注文アクション | 注文カードを解決する |
建築アクション | 建物をボード上に建築する |
交易アクション | お金を消費して交易をおこなう |
監督アクション | 好きなアクションを実行 |
それぞれのアクションで使用する資源は、基本的にはそれぞれのアクションと同じエリアから得られます。
ある資源を得たうえで、それを消費するアクションを実行するには、エリアを一周させる必要があり、丁度6隻の船が必要になります。資源の獲得とアクションの関係は非常に悩ましくできています。
移動アクション
「紙」を支払ってオスティアボード上の自分の船を「移動」させます。
移動に必要なコストは、紙0~15です。1回のアクションで大量に移動しようとすると、その分非常に多くの紙資源が必要となります。
▼線でつながった海路を好きなルートで移動可能。
ボード上の自分の船を好きな経路で進めることが出来ます。
ただし、同じ経路で進める自分のコマは1つまでになっています。つまり自分の複数の船コマは異なる最終目的地タイルに向けて移動させる必要があります。
移動アクションで移動する船コマは一体でも複数体でも構いません。
中継地点に止まった場合資源を得ることが出来ます。また発見タイルを通過した場合はその発見タイルを得ることが出来ます。
最終目的地タイルに到達した船は、ゲーム終了時に大きな勝利点を生み出します。
先にその目的地タイルにたどり着いたプレイヤーは、ボーナスでより多くの勝利点を得ることが出来ます。
上記タイルの場合、
- 最初に到達したプレイヤー:アンフォラ1つにつき勝利点3
- それ以外のプレイヤー:アンフォラ1つにつき勝利点2
というボーナス点になります。
造船アクション
「木」を支払って、新しい船を「造船」してボード上に配置します。
造船に必要なコストはプレイヤーの個人ボード上に書かれています。
最初は木2でコビタ船を建築可能ですが、建築すればするほど必要な木の資源が増えていきます。
条件を満たしていれば一度に何隻建造してもOKです。
建造した小さいコビタ船は即座にプレイヤーのオスティア港ボード上の好きな場所に配置され、マンカラで生み出される資源を増やします。
大きいポンタ船は、プレイヤーボードに配置するのですが、その際小さいコビタ船が代わりにメインのオスティアボードに移動し、以降航海できるようになります。
航海に船を出すための唯一の方法がこれです。ポンタ船を3体出すことで、合計3体のコビタ船がオスティア海で航海することになります。
ちなみに新しいコビタ船をメインボードに出すには、自分の他のコビタ船が近海エリアにいてはいけません。既に海に出ている船をある程度移動させないと、新しい船をボードに出すことが出来ないようになっています。
注文アクション
「麦」を支払って「注文カード」を獲得します。
資源が続く限り、注文カードの列から好きな枚数の注文カードを獲得することが出来ます。
注文カードの左上がコストで、必ず「麦」が必要になります。
右上が報酬の「アンフォラ」。必ずアンフォラ1は獲得可能ですが、注文カードによっては追加コストを支払うと追加のアンフォラを得ることが出来ます。
図のカード例だと、「麦5を払うとアンフォラ1」、「麦5+紙2を払うとアンフォラ2」を得ることが出来ます。アンフォラを得る方法は基本的にはこの注文アクションのみになります。
アンフォラはゲーム終了時に勝利点となります。
更に、注文カードに書かれた資源(図だと金3)をボーナスで得ます。
また、一番下の人物アイコンはセットコレクションでゲーム終了時に勝利点となります。
建築アクション
「石」を支払って建物を「建築」します。
石の資源を支払えるだけ支払って、その分の建物を建築できます。
丸いタイルが建物タイル。
建物と建てれば建てるほど、建築に必要な石のコストが増えていきます。
自分の船が既に通過した交易タイル上にのみ建物を建てることが出来ます。
つまり船を先に先に進めていかないと、建築アクションしたくてもできないわけですね。
他のプレイヤーが既に建築済みの交易タイルに建築する場合、そのプレイヤーは1金を獲得します。
建物を建築した場合、そこの交易港に置かれている白い建物駒を1つ獲得し、自分のオスティア港ボード上に配置します。
建物駒を配置した場所によって、様々な恩恵を受けることが出来ます。
配置場所 | 効果 |
---|---|
造船エリア | 造船にかかる木が常に1安くなる。 |
注文エリア | 注文にかかる麦が常に1安くなる。 |
建築エリア | 建築にかかる石が常に1安くなる。 |
交易エリア | 常に2金で好きな資源1と交換できるようになる。 |
監督エリア | 即時栄誉1を得る。 |
移動・造船エリア間 | 紙と木の生産量が1増える。 |
注文・建築エリア間 | 麦と石の生産量が1増える。 |
永続効果が多いので早めに建築して恩恵を受けるのが良いですね。
ちなみに1アクションで複数回建築や造船や注文を行ったとしても、割引されるボーナスは1アクションに付き1回だけです。
交易アクション
「お金」を支払って「交易」タイル上の効果を発動させます。
自分の建物タイルが配置されている交易タイルの効果を発動させることが出来ます。
上記交易タイルだと、「お金1を麦1に交換」を4回まで発動出来ます。
交易は、基本的にはお金を他の資源に変換するアクションになっています。
このゲームでは、フリーアクションとして、お金3金を好きな資源1に交換することが出来ます。
フリーアクションの交換効率はあまりよく無いのですが、交易アクションを上手く使うことで効率的にお金を資源交換することができるわけですね。
また、全体栄誉カードを獲得できるのもこの「交易アクション」となっています。
全体栄誉カードは早い者勝ちの勝利点で、更に12勝利点も得られる重要なカードです。
交易アクション時に1枚あたり4金支払うことで、達成している全体栄誉カードを好きなだけ獲得することが出来ます。
監督アクション
好きなアクションを1回実行し、更に監督エリアから、もう1回マンカラによるアクションを実行する。
監督アクションは該当する資源は無いのですが、好きなエリアのアクションを実行することが出来ます。
さらに、監督アクションマスの船を全て取って、そこから通常通りに隣のエリアに船を配置していき、最後に船を置いたマスのアクションを実行します。
つまり、監督アクションは1ターンに2回アクションを実行可能なマスということです。
ゲーム終了条件
ゲーム終了条件は以下の5つ。
- 何れかのプレイヤーの褒賞トラックが12に達した
- 何れかのプレイヤーの船が終着地タイルに3つ到達した。
- 何れかのプレイヤーの造船トラックから船コマが無くなった。
- 何れかのプレイヤーの建築トラックから建築コマが無くなった。
- サプライからアンフォラコマが無くなった。
船や建築物は、比較的建てやすい上に、建てると強いので、それらどちらかが終了トリガーを引くことが多い気がしますね。
勝利点の計算
点数の種類 | 点数の内容 |
---|---|
建物点 | 「建物アイコンの数」×「栄誉トラックの進度」で得点 |
造船点 | 「船アイコンの数」×「栄誉トラックの進度」で得点 |
アンフォラ点 | 「アンフォラの数」×「栄誉トラックの進度」で得点 |
アイコンセット点 | 「貴族」「貴婦人」「トラ」「馬」アイコン4個1セットで12点 |
交易タイル点 | 交易タイルに書かれている通りのボーナス点を得る |
終着地タイル点 | 終着地タイルに書かれている通りのボーナス点を得る |
全体栄誉カード点 | 獲得した全体栄誉カード1枚12点 |
アイコンの数を参照する勝利点が多いですが、これは、建築した交易タイルに書かれていたり、造船トラックを開放することで得られます。
▼アンフォラの数を2個多いものとして得点を計算
▼アンフォラ1個につき2勝利点ボーナス
こんな感じでオスティアでは、様々な要素が得点に絡んできます。
「建物」「船」「アンフォラ」は、掛け算による得点計算システムになっているため、上手く組み合わせることで最終的に非常に多くの勝利点を得ることも出来ます。
お疲れ様でした。
オスティア ソロプレイ
オスティアには、1人用のソロプレイモードが入っています。
ソロプレイのゲームシステムとしては一定時間により多くの勝利点を得るという「スコアアタックモード」ですが、ソロプレイ用のコンポーネントとルールが入っており、ソロもしっかり楽しめるモードになっています。
画像の通り、ソロプレイのための結構豪華なコンポーネントが入っており、1人でも楽しめるようにしっかり練られています。
私はソロプレイボードゲームが大好きなのですが、本作のソロプレイはしっかり楽しめました。
1人でも遊べるソロプレイ向きおすすめボードゲーム41選オスティア レビュー紹介
オスティアを実際に何度もプレイしてみた感想になります。
マンカラシステムが非常に面白い重量級作品です。
楽しくも悩ましいマンカラシステム
オスティアのメインシステムはいわゆる「マンカラシステム」ですが、このマンカラシステムが楽しくも悩ましくできています。
小さい船コビタ船コマを利用して、資源を獲得してアクションを実施するマンカラシステムは、それをプレイしているだけで楽しくなれます。
マンカラで上手く一度に大量の資源が得られると非常に爽快ですし、大量の資源を消費したアクションも爽快です。
しかし、マンカラシステムは、今のターンの選択が次のターン以降の展開にも影響してくるシステムになっており、ある程度計画して先を見据えてプレイしないと意外に思い通りにプレイできないようになっています。
今のターンにどの資源を得てどのアクションをするか?その選択をすると次のターンにできるアクションはどうなるか?など先を幾らでも考えられますがそれを計画するのが中々に悩ましく、逆にしっかり計画して思い通りに事を運ぶことも出来ます。
このマンカラシステムで悩ましいのに加えて、他プレイヤーの動向も重要です。他プレイヤーが勝利点を先取りできるのか?などを意識してプレイすると、それによってもアクションの優先度が変わってきます。
大分悩ましく面白くできています。
最高レベルのコンポーネントとアートワーク
オスティアのコンポーネントとアートワークは共に最高レベルのボードゲームです。
オスティアを出版されているうちばこやさんの大きな強みの1つが、このコンポーネントとアートワークのすばらしさです。
ボードゲームに慣れていない人も惹きつけるこのコンポーネントとアートワークは、何度プレイしても素晴らしいですね。
非常に凝ったコンポーネントを使って、ゲームセットアップしているときのワクワク感はコンポーネントが普通のゲームと比べると一線を画しています。
セットアップが楽ちん
このゲームは最初はランダム要素が多くセットアップに悩むのですが、2回目以降慣れてしまうとセットアップが非常に楽にできるよう工夫されています。
ボードやタイルの色を見ると何をどこに置けばよいかがしっかり描かれているので、それを見るだけでセットアップが完了します。
セットアップに時間がかかって悩ましいボードゲームが多い中で、重量級でここまでセットアップが楽なのは素晴らしいの一言です。
プレイ時間は2時間程度の重量級
1~4人プレイそれぞれで遊んだことがありますが、プレイ完了まで大体2時間程度はかかる重量級作品です。
プレイ人数が多い方がプレイ時間は伸びます。
ゲーム終了条件は複数あり、テラフォーミングマーズのようにプレイヤーのさじ加減でゲームエンドするしないを決められるため、早めに終わらせるか更に勝利点を目指して引き延ばすかは、プレイヤーの選択次第になっています。
ゲーム途中の勝利点はわからないのと、勝利点は比較的複数要素が絡んで簡単には計算できないようにできており、果たしてゲームを終わらせていいのかダメなのか、そこも中々悩ましくできています。
ほどよいインタラクション
ここはどんなゲームでも好き嫌いが分かれる点だと思いますが、私個人的にはオスティアは非常に心地よいインタラクションになっています。
オスティアでは、インタラクション要素は複数用意されていますが、基本的には各プレイヤーがやりたいことは自由に出来るような設計になっています。
他プレイヤーに妨害されて、その後のプレイ展開がキツくなるような要素は全く入っていません。
「全体栄誉カード」や「最終目的地」などの、幾つかの早取り要素によるインタラクションがメインですが、それらは勝利点に影響する位で、プレイ中のプレイ感にはほぼ影響がありません。
インタラクションはきつ過ぎず、かといって弱すぎず、インタラクションがしっかり勝敗に影響してくる程よさは、好きな人多いんじゃないでしょうか。
重量級ながらシンプルなゲームルール
オスティアは重量級作品ですが、プレイは非常にシンプルでわかりやすい作りになっています。
各ターン、マンカラで資源を得て1アクションを実行するだけです。
6つのアクションの内容だけ理解すれば遊べるようになっています。
資源も得られた資源とそれを使用するアクションが同じなので、木とか麦とかの違いを意識する必要はほぼありません。
このゲームの複雑な点は、得点計算の絡みだと思います。様々なアクションが得点につながり、また、掛け算で得点が変わるシステムなので、今どのアクションをするのが最も高得点につながるのか、そこが複雑に出来ています。
運要素はあまりない
オスティアでは、セットアップ時のランダム要素は非常に多いのですが、セットアップ完了後に、運要素はほぼありません。
注文カードが山札から何が出てくるか位です。
そのため、ある程度実力の出るゲームシステムになっていると思います。
得点計算は様々な要素が絡み合ってかなり複雑ですが、どう行動するのが効果的かを上手く先を読んで考えられると、その分勝利に近づくゲームだと思います。
高いリプレイ性
オスティアでは、あらゆるセットアップ要素がランダムに出来ており、リプレイ性が非常に高いボードゲームになっています。
プレイ毎の基本的なゲーム性は損なわずに、細かいランダム要素がプレイ毎の違いを生み出してくれます。
何度でも遊べるように工夫されていますし、何度でも遊びたくなるボードゲームです。
拡張でタイルを追加するなどでも簡単にプレイ感が変わって楽しくなりそうです。上手い設計ですね。
総合評価
2022年の国産ボードゲームの話題作の1つ「オスティア」をようやくプレイすることが出来ました。
メインのマンカラシステムが兎に角楽しくも悩ましく、プレイ中は常に頭を悩ませながら楽しくプレイすることになります。
世界的にもかなり評判の良い作品のようですが、それも納得の面白さで、一緒にプレイしたメンバーは皆楽しい楽しいと太鼓判でした。3人プレイ位が時間と面白さのバランスが一番丁度良い気がしますね。
基本的にはキックスターター経由での発売がメインのようなので、チャンスがあれば迷わずGETした方が良い作品の1つだと思います。
特にキックスターターのコンポーネントアップグレード版は、非常にゴージャスな作りになっており、更に快適にプレイできるようになっています。
おすすめです。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
オスティア 内容物
- メインボード:1枚
- オスティア港ボード:4枚
- 建築、造船トラックボード:4枚
- 終着地タイル:4枚
- 初期配置カード:6枚
- 注文カード:42枚
- 全体栄誉カード:5枚
- 初期交易港タイル:4枚
- 交易港タイル:16枚
- 建物駒:48個(4個×12種)
- ポンタ船コマ:12個
- コビタ船コマ:56個
- 発見タイル:20枚
- 中継港タイル:12枚
- 建築ディスク:28枚
- 褒賞トークン:4枚
- 資源キューブ小:65個
- 資源キューブ大:30個
- アンフォラコマ:35個
- スタートプレイヤーマーカー:1個
- スコアパッド:1冊
- ルールブック 1部
オスティア のスリーブ
オスティアは注文カードなど幾つかのカードが入っています。
- 63 x 88mm:60枚
そこまでシャッフルするものでは無いですが、気になる方はスリーブはあった方が良いでしょう。
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