この記事は、ライナークニツィアさん作のボードゲーム「TATARI」のルール紹介とレビューになります。
何やらおどろおどろしいボードゲームだと思ったら、クニツィアさんの作品でした。
遊んでみたところ中々のインパクトのゲームだったので紹介していこうと思います。
「TATARI」は、テーマ自体は中々ドキドキして好き嫌いわかれるかもしれませんが、普通に良くできたボードゲームになっています。
「TATARI」ボードゲーム基本情報
デザイン | System: ライナークニツィア |
---|---|
プレイ時間 | 20分 |
プレイ人数 | 2~5人 |
対象年齢 | 10歳以上 |
日本語版販売 | スタジオ ムンディ |
発売日 | 2022年4月 |
希望 小売価格 | ¥3,000+[税] |
パッケージの見た目とタイトル通り、日本のいわゆる「たたり」をテーマにしたボードゲームです。
それだけ聞くとちょっと怖いボードゲームなのかと思うわけですが、システム自体はオーソドックスなダイスロールとチキンレースを組み合わせた、「ヘックメック」のようなシステムになっています。プレイ時間と感触的には軽量級の部類かです。
手持ちの「たたり」をいち早くなくすことが目的ですが、そう簡単には上手くいかない仕組みが沢山入っています。
「TATARI」ルール紹介
ゲームの目的
- 手持ちの「呪いの人形」コマをなくすこと
このゲームの目的はシンプルです。最初に配られた呪い人形コマを全て無くせば、晴れてクリアです。
手持ちの「呪いの人形」コマをなくした状態で、更にもう1周して、自分の手番になったらそのプレイヤーが勝利します。
ゲームのプレイ
各プレイヤーは一定数の「呪いの人形」コマを持った状態でスタートします。
例えば、5人プレイだとそれぞれ8個ずつ呪いコマを受け取ります。
手番プレイヤーは、6面ダイスを6個ダイスロールします。
▼特殊な6面ダイスをダイスロール
ダイスの目の内訳は、以下の通り
- 数字1:合計数に1を加算。出目1つにつき呪い人形1を他プレイヤーに押し付ける
- 数字2:合計数に2を加算。
- 数字3:合計数に3を加算。
- 数字4:合計数に4を加算。
- 呪い人形1:呪い人形1個を浄化。
- 呪い人形2:呪い人形2個を浄化。
ヘックメックのように、ダイスロールした中から出目を1つ選択して、その出目のダイスを全て受け取ります。更にダイスロールを繰り返して、出た目から1つを選択して全て受け取ります。これを好きなだけ繰り返します。
場には「7」「8」「9」「10」「11以上」の5か所の浄化ポイントがあり、ダイスの出目の結果で、ここに手持ちの人形コマを送り込んでいくことになります。
▼7~10の浄化ポイント
例えば、ダイスの出目が、数字合計が9で呪い人形の合計が3、だった場合は「浄化ポイント9」の「呪い人形数が3」になるようにコマをやりくりします。
9の浄化ポイントに呪いコマが無ければ、手持ちから3コマ送り込めますし、9の浄化コマに4個呪いコマがある場合は、1つ引き取らなければなりません。
▼出目次第でどんどんコマが浄化ポイントに送られていきます。
11以上の出目は特殊で、そこに送られたコマは二度と戻ってきません。
▼11以上の出目の場合はこちらに浄化。ゲームから除外になります。
これを繰り返すことで、徐々にプレイヤーの手持ちの呪い人形が浄化ポイントに送られて、減っていくことになります。
ダイスを振り終わったら次のプレイヤーの手番になります。
ただし、ダイスロールに関して幾つかの制約になるルールがあります。
- 出目確定後に、同じ出目は確定させられない
3を既に確定している場合、次に3の出目が出てもそれはもう使えません。
なので徐々に確定させづらくなっていきます。
- 数字が6以下の場合はバースト
浄化ポイントは7~11以上です。なので出目が6以下の場合は残念ながら浄化失敗でバーストになります。
バーストの効果は、最も多くの呪いコマが置かれた浄化ポイントにある呪いコマ全て受け取る、です(笑)。
コマが4つあった場合は、4つ引き取らなければなりません。
- 呪い人形の出目が必ず1つ以上無いとバースト
呪いを浄化するためには呪い人形の出目が1つでも必要です。これが無い場合もバーストになります。
バーストの効果は先ほどの紹介と同じ。
このため手持ちが減るばかりではなくガンガン増えることもあるわけですね。。。これは酷い。
更に「1の目」は特殊です。バーストしなかった場合、1の出目の数だけ更に手持ちのコマを他プレイヤーに押し付けることが出来ます。1が2つ出ていたら、手持ちのコマ2つを他プレイヤーに押し付けます。
これがあるので、次の手番で勝ちとなって勝っているプレイヤーでも、他プレイヤーからの呪いを大量に受けて、あれよあれよと呪いがマシマシになっていきます(笑)。
- 呪いコマには手持ち上限あり
流石に押し付け合うだけだと厳しいので、手持ち可能な呪いコマは上限があります。初期に配られたコマがそのまま上限になります。
なので上限を超えたコマを受け取ることになった場合、それはそのまま11以上の浄化ポイントに送られてゲームから取り除かれます。
こんな感じで場の全体のコマ総数が減っていくことでゲームが収束に向かっていきます。
「TATARI」感想、レビュー
おどろおどろしく、中々トリッキーなボードゲームと思いきや、思ったよりシンプルな作りになっていて感心するボードゲームです。
作者はまさかの巨匠ライナークニツィアさん。日本びいきなのかこういう日本風なボードゲームも良く作っている印象です。2022年4月日本語版発売ということでクニツィアさんが最近開発したボードゲームということになります。
同じくライナークニツィアさんのヘックメックと似たダイスロールシステムが特徴です。ヘックメック亜種といっていいレベルで似たシステムを搭載してますね。逆に言えば名作ヘックメック並みの面白さが保証されているということですね。
ダイスロールシステムがベースのゲームなので、基本的には運要素が強めなのですが、どの出目を選択してどこまでダイスを振り続けるか、チキンレース的な側面もあります。
安全に1個1個コツコツと手持ちの呪い人形コマを減らしていくのか、大きく狙って一気にコマを減らそうと振り続けるのか(そして大抵は上手くいかない)。チキンレースというかギャンブル要素があるゲームになっています。
こういうタイプのゲームって性格が良く出ますよね(笑)。コツコツ手堅くプレイした方が絶対に良いと思いつつも、私は大きく稼ごうとリスクを取ってプレイしてしまうことが多いです。
いずれにせよ、ダイスロールが7割で、基本的には出目が良いことを祈ってダイスを振ることになります。バーストしたら最悪一気に手持ちが増えてしまうこともあります。
1の出目を出すと呪いを押し付けられるので、特定のプレイヤーを狙った攻撃が可能なゲームです。そういうインタラクションが許容できるかは好き嫌い分かれるポイントかと思います。基本的には最も手持ちが少ない人に押し付ければ、特に波風立たないのでそういうプレイ推奨です。
プレイ時間は20分程度の軽量級ですが、特定のプレイヤーを狙った押し付け合いがあるので、手持ちが空になってクリアしたと思ったら、次の自分のターンには3、4個の呪いを受け取っているなんてことも起こりえます。ただ、徐々に場の呪いコマ総数が減っていく(11以上に置いたコマはゲームから除外なので)ため、収束性はしっかりあります。
ただ、そうは言いつつも、出目次第では中々思ったように減らずに終わらない、プレイヤー間の呪い押し付け合いが続く、ということもありますね。
2人からでも楽しく遊べますが、基本的には大人数で遊んだほうが楽しめるゲームだと思います。
コマや箱絵はそれなりに日本の怨念とか呪いとかそっち系を意識したデザインになっているので、フレイバーではありますが好き嫌いはあるかもしれません。小さい子供と遊ぶときは注意が必要かもです(笑)。
軽めのダイスロールゲームを探している方で、箱絵が受け入れられるのであれば、中々良いボードゲームだと思います。私は軽量級として良いゲームだと思いますし、お気に入りの作品となりました。中重量級を遊ぶ中の軽量級の箸休め作品として暫くお世話になりそうです。
評価:★★★★★★★☆☆☆
こういう人におすすめ
- ヘックメックが好き
- ダイスゲーム、運よりなゲームが好き
- インタラクションの強めな軽量級が好き
こういう人にはおすすめできない
- ホラーの絵柄が苦手(そこまで気になるレベルでは無いです)
- あと少しで勝ちそうなのに、出目次第であっさりビリになるのが、我慢できない(笑)
「TATARI」内容物
- サイコロ:6個
- ボード:5枚
- 呪いの人形コマ:44個
- ルール説明書:1枚
「TATARI」のスリーブ
カードゲームではないので、スリーブは不要。
「TATARI」紹介のあとがき
以上、ボードゲーム「TATARI」のゲーム紹介でした。
クニツィアさんの新作ダイスロールチキンレースボードゲーム。
和風な箱絵が気になる本作是非チェックしてみたください。
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