ソロ専用ボードゲームとして最もビッグサイズなボードゲーム「ネモの戦い(Nemo’s War)~海底二万マイルを超えて~」を紹介しています。
今回は、「ネモの戦い(Nemo’s War)~海底二万マイルを超えて~」ゲーム全体の流れと終了条件を紹介します。
ネモの戦い(Nemo’s War)ゲーム全体の流れ
ネモの戦いのメインボードは非常に巨大です。
当然ボード内のそれぞれの部品に意味があるので、各記事で細かく分解して紹介していきます。
アドベンチャーデッキからカードを引く
ゲーム開始時の準備で、アドベンチャーカードで、アドベンチャーデッキを作成しておきます。
アドベンチャーカードは、ネモが遭遇した様々な出来事がフレイバーで描かれており、それを解決することで、良くも悪くも何らかの効果がもたらされるカードになります。
アドベンチャーデッキは、今回のゲームのためにランダムで選択したアドベンチャーカード30枚から構成されます。
アドベンチャーデッキから1枚引いて処理をするのが、各ターン最初にやるべきことになります。
アドベンチャーデッキの一番上をめくって指示に従います。
アドベンチャーの解決に成功したら「成功(PASS)」、失敗したら「失敗(FAIL)」の場所に置きます。上の画像は成功の例。成功したら得点化されるなど大体良いことがあり、失敗したら大体良くないことがあります。アドベンチャーをどう解決するかは後ほど紹介します。
アドベンチャーデッキは序盤・中盤・終盤・最終盤の4階層に分かれており、全部で30枚で構成されます。各階層の区切りに特別なアドベンチャーカードを1枚ずつ挟んでおくため、今が序章なのか終章なのかがわかるようになっています。
序盤→中盤、中盤→終盤、になると強力な敵船が登場するようになり、更に敵船が増える速度も増えていきます。
毎ターンカードを1枚引いて処理をしていき、最終盤の階層で「エピローグ」カードを引いた時点でゲーム終了となります。アドベンチャーデッキの下5枚の何れかがエピローグカードになるようにデッキを組むため、ゲームの長さはプレイ毎に増減することになります。
25ターン目から30ターン目の何れかのターンでゲーム終了ということですね。
アドベンチャーデッキの枚数構成は、ネモの目的(戦争、科学、探索、反帝国主義)によって異なります。例えば、目的が「科学」だと中盤のカード枚数が非常に多くなり、終盤のカード枚数が少なくなっています。「戦争」は逆に中盤のカード枚数が少なくなり、終盤のカード枚数が逆にかなり多くなっています。
敵船の強さが違うので基本的に序盤のカード枚数が多い方が、敵との戦闘には苦労しないような設定になっています。
ネモの目的については別の記事で紹介します。
アドベンチャーカードの処理
引いたアドベンチャーカードは必ず処理しなければなりません。
アドベンチャーカードには「即時効果反映」「保持」「成否テスト実施」の3種類があります。
「即時効果反映」は、めくられた瞬間に何らかの効果が場にもたらされます。
「KEEP(保持)」は、手元に保持して置き、条件を満たしたタイミングで「成功」か「失敗」かが判定されます(インド洋に移動したら成功、ゲーム終了時まで保持してたら失敗、など)。
「TEST(成否テスト実施)」は、サイコロを振って成否判定を行います。
アドベンチャーカードの例です。
左上がアドベンチャーのタイトル「A Runaway Reef(逃亡者の岩礁)」。左下がフレイバーテキスト「1866年は誰もが忘れることの出来ない、予期せぬ出来事が起きたのだった」みたいなことが書かれている。
ネモ船長とノーチラス号が世間を騒がせたその年の号外記事のようですね。このフレイバーをしっかり堪能することでこのネモの戦いを楽しむことが出来ます。
TEST:7:これは、ダイス2個振って7以上を出せば成功ということ。
TESTにPASSすると:Pass置き場に置いて-2悪名
TESTにFAILすると:FAIL置き場に置いて+4悪名
右上の{N}は、リソースとして「ネモの精神」ポイントを使用できるということ。使用しても良いししなくても良い。
アドベンチャーカードによって3種のリソース「ネモの精神」「船員の状態」「船の耐久度」の何を消費できるかが決まっている。2種類消費できるアドベンチャーカードもある。
リソースを使用した場合「ネモの精神」の現在値に応じて、事前にダイスに+補正がかかる。例えば、ダイス結果に+2の補正をかけることが出来る。つまり成功しやすくなる。上の例なら5以上の出目を出せば成功になる。このリソースによるダイス目の補正をかけながら成功率を上げるのがこのゲームの基本です。
ちなみにリソース消費はダイスを振る前に使うかを決める必要があります。出た目を見てから消費する、というのはダメです。
テストにFAILした場合は、ペナルティとして使用したリソースを2つ消費します。これが非常に厳しいルールで、失敗すればするほどじり貧になっていきます。
テストにPASSした場合は、使用したリソースは消費されません。何とダイスの目に補正をかけたのに、成功すれば消費せずに済みます。なので、リソースは基本的に何度も何度も使用してしまいます。成功すればいいんです。
消費せずなのでリソースをガンガン使用して成功率を上げた方が良いように思いますが、失敗したときのペナルティが中々大きいため、使いどころを考えるのは重要です。リソースを毎回使用せずに使い時を考えられると脱初心者という感じですね。この辺のリソースによるダイスロール改善システムの話は別の記事で紹介します。
テストに成功したら、アドベンチャーカードはPassの捨て札におきます。これはゲーム終了時に、得点計算の対象になるカードとなります。
テストに失敗したら、アドベンチャーカードはFailの捨て札に置きます。これはゲーム終了時に、得点の対象にはなりません。
左上の本のマークは得点の1つ「アドベンチャー得点」。
このアドベンチャーをPASSすると、アドベンチャー得点が0入ることになります。
「0点」とかかれていて、これは意味が無いと思いきや、「ネモの目的」によってはアドベンチャー得点1つに付き+1点されたり逆にー1点されます。なのでこの「アドベンチャー得点0」が最終得点に影響する可能性は普通にあります。
大体のアドベンチャーカードの左上には何らかのマークがついており、得点が得られるようになっています。
基本的にアドベンチャーカードは得点になるため、可能な限りアドベンチャーカードはPassさせた方が良いです。ただし、特殊能力や効果を得る代わりに、Failするというカードもあるため、Passすることが自分の目的で高得点を得られるものなのか?それとも大した得点にならないのでFailさせて特殊能力を得る方を選択した方が良いのか?を考えさせられることになります。
サイコロ振ってアクション数を得る
アドベンチャーカード処理の次は、アクションです。好きなアクションをアクションポイント分だけ好きに実行できます。
毎ターンに実行可能なアクション数は、白ダイスを振ってその出目の差で決まります。
白ダイス2を2つ振って出目が1と6なら、アクション5を得られますし、1と2ならアクション数は1しか得られません。
これが中々渋くて、確率的には毎ターン大体1~3位のアクション数しか得られないようになっています。
振れる白ダイスの数は最初は2個ですが、時間が経つと3個になります。ダイスが3個の場合は好きな2個の差をアクション数とすることが出来ます。
移動1でアクション1を消費するレベルですし、修理アクションはアクション2を消費するため、アクション数はかなり重要です。如何にアクション数を無駄に使わずに得点を得ていくかが悩ましく楽しいです。アクションの詳細に関しては別の記事で紹介します。
ちなみに1と1などのゾロ目が出てしまうと、差分が0ですからアクション数は得られません。。。その代わりに「静寂ターン(Lull Turn)」というターンになります。
この静寂ターンはアクション数は得られませんが、特別にアクション2が必要なアクションが全てアクション1で実施可能になります。修理アクションなどをこのLullターンでガッツリ実行するのが良いでしょう。
アクション数は次ターンに温存が可能なので、毎ターンアクションを使い切るのではなく、このLullターンに備えてある程度温存しておくのも重要です。移動したいがあえて移動せずにアクションポイントを温存して置く。こういうリスク分散プレイを基本的にはこなしていくゲームです。
ただ、アクション数ストック上限は5なので、前のターンストックした状態でダイス目が1と6でアクション数+5などを出してしまうと、得られたはずのアクション数が無駄になってしまうこともあります。
終盤のダイス3つの状態で出目が3・3・3とか出ると非常に計画が狂います(笑)
敵船の配置
ダイスを振ってアクション数を得た後は敵船配置です。
振ったサイコロの出目に書かれた、全てのダイスの出目の海域に敵船を配置します。
アクション数獲得に使用するダイスは白ですが、中盤終盤になると黒ダイスも毎ターン一緒に振ることになります。黒ダイスはこの敵船の配置にのみ使用されます。
北太平洋は1、南大西洋は3、インド洋は5、みたいに各海洋には数字が割り振られているため、サイコロの出目に従って、その海洋に配置されることになります。
例えば、白サイコロ3つ振って、黒サイコロ2つ振って、出目は1・1・3・5・6。この場合、これらの海洋に合計5つの敵船が配置されることになります。
これにより序盤は勿論、最終盤は毎ターン敵船はガンガン増えていきます。
海洋に関してはまた別の記事で紹介します。
アクションの実行
アクション数が得られたら、アクション数が残っている限りアクションを実施することが可能です。
海洋を移動したり、敵船に戦闘を仕掛けたり、探索して財宝を見つけたり、船を修理したり、民衆を扇動したり、船を強化したり
消費アクション数は1か2のどちらかで、なくなるまで色々やることが出来ます。
基本的にはネモ船長の目的に応じた立ち回りをしていくようにアクションを使っていくことになるでしょう。
先ほど紹介したように、勿論次のターンにアクション数を使用せずに保持して置いても良いです。このゲームはゾロ目のLullターンがあるので、基本的に少しは残しておいた方が事故率は減る印象です。
アクションの詳細は別の記事で紹介します。
次のターンへ
各ターンやることは、これが全てです。
こんな感じの全体像で、このゲームは見た目ほどやっていることは難しくはありません。
アクション終了を決めた場合、最初に戻ってアドベンチャーカードを引くところから始めます。
これをアドベンチャーカードが無くなるまで繰り返したらゲーム終了です。
簡単ですね。
ネモの戦争(Nemo’s War)のゲーム終了条件
ゲーム終了条件は何種類かあります。
ゲームクリアとみなせるのは、この内1種類だけになります。
終了条件:アドベンチャーデッキのエピローグカードを引く
これが唯一ゲームクリアとみなせる終了条件です。
毎ターン1枚ずつ引くアドベンチャーデッキの、最終盤部分、底から1~5枚目のどこかに眠っている「エピローグカード」を引いたタイミングでゲームクリアです。
エピローグカードは実に10種類くらい用意されており、それらからゲーム毎に1枚だけランダムに使用してデッキに仕込みます。エピローグカードにはネモ船長の冒険の終わりを告げる何らかの出来事が書かれてています。
船長が病気になったとか、船員の反乱がおきたとか、帝国と同盟を結んだとか、様々です。
更にこのエピローグカードは大量得点の最後のチャンスでもあり、条件を満たすと10点を超えるかなり大きい得点を得ることも可能です。エピローグカードによってその得点と成否条件が異なるため、得点結果にそれなりに影響してくる要素となっています。
エピローグカードに関しては、私もまだ全部は見れていないですし、今後のプレイが楽しみな部分でもあります。
この終了条件を満たしてゲームを終了した場合、得点計算フェイズに移ります。ネモ船長の目的カードに応じて、それぞれ要素の得点が異なるので、それらを計算していき、合計得点を求めます。
そして合計得点に応じて「エンディングシート」に書かれたエンディングを読むことになります
エンディングは得られた得点に応じて4段階あり、トゥルーエンド・グッドエンド・ノーマルエンド・バッドエンドという感じになっています。
ちなみにこのゲームは難しすぎて、私はBadエンド以外見たことがありません(笑)。行方不明になったり発狂したりと、Badエンドはやはりろくなエンディングになりません(笑)
この終了条件を満たすのはコツをつかめば出来るのですが、高得点で終わるのがかなり慣れないと難しい、やりこみ甲斐のある部分です。
終了条件:何れかのリソースの耐久度が0になる
ノーチラス号には耐久力が3種類ありこれらのいずれかが0になった時点でゲームオーバーです。
・ネモの精神力
・乗組員の状態
・船の耐久度
これらの3つになります。これらのパラメータは、いずれもダイスロールの結果改善のために使用されるパラメータです。
先ほど紹介したようにネモの精神力を使用してダイスロールの結果を+2することが出来ます。
これらは敵船からの攻撃や、リソースを使用したダイスロールの結果に失敗したり、アドベンチャーカードの効果で減ることになります。
「乗組員の負傷」や「船の損傷」はアクション数を消費したアクションで回復可能ですが、「ネモ船長の精神力」はアクションでは回復できず、特殊な方法でしか回復しません。リソースと耐久度の話は別の記事で紹介します。
ちなみにゲームオーバーした場合は、エンディングはバッドエンドより下の、5つ目のランク敗北エンド、になります。
終了条件:悪名が一定値に達する
ノーチラス号の悪名を表すトラックがボード上にあります。
これが各目的ごとに上限が設定されており、悪名の上限に達したタイミングでゲームオーバーとなります。
悪名トラック上の赤い部分がその上限になります。例えば「科学」なら悪名が20まで上がったら上限、「戦争」なら50まで上がったら上限、とかそんな感じで決められています。
悪名は主に船を撃沈すると増えていきます。
ネモの目的が「戦争」の場合は、悪名のゲームオーバーまでのリミットが長いのでガンガン敵船との戦闘が出来ますが、「科学」の場合は、悪名のリミットが非常に短いため悪名を高める戦闘などは沢山はできないようになっています。
科学<探索<反帝<戦争、の順で悪名の上限値が高く設定されています。
この終了条件もゲームオーバーのため敗北エンドになります。
終了条件:海洋に敵の船の配置が出来ない
毎ターン振ったサイコロの出目に応じて、マップ上の海洋に船を配置して行きます。この船の配置には配置順序があり、その配置順序に従っても全く敵船を配置できなくなった場合、ゲームオーバーになります。
最初は出た目の海洋に「船の影」マーカーを配置して行きます。各海洋には配置上限があるので、その海洋の上限に達したら、周囲の海に配置して行きます。何かわからないけど船がXX隻いることだけがわかる状態です。
「船の影」マーカーが置けなくなったら次は「船」タイルを1つ引いて配置して行きます。指定の海洋で適用できなかったら周囲の海に配置です。実際に何の船がそこにいるかが明らかになるという感じです。
更にそれも出来なくなったら、白い民間船を裏返しにして戦闘船に強化していきます。
更にそれも出来なくなったら、マップ上の空き海洋マスに船タイルを配置して行きます。
そしてそれも出来なくなったら・・・ゲームオーバーです。
終盤になると1ターンにダイスを5個振ったりもするので、船は毎ターン5個配置しなければならないということになります。そのためガンガンマップ上に船が配置されていくことになり、終盤はかなり厳しい状況になります。
終盤が早い「戦争」目的の時などはガンガン船を撃破していき、海洋の空きマスを作っていくことが求められます。逆に「科学」などは必要最低限の数だけ撃破していくなどが必要になります。
海洋への船の配置に関しては別の記事で紹介します。
以上、ネモの戦いのゲーム全体の流れとゲーム終了条件でした。見た目ほどゲーム全体の流れとクリア条件はそこまで難しくはないと思います。ゲーム全体の流れがイメージできれば幸いです。
次回は、ネモの各目的タイプとゲームの得点方法の紹介をします。
『ネモの戦い~海底二万マイルを超えて~』ソロ専用ボードゲームの最高峰!ボードゲーム紹介とレビュースポンサーリンク