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『デューン 砂の惑星: インペリウム』ボードゲームのルール紹介

今回は世界的に話題になっている新作ボードゲーム「 デューン 砂の惑星: インペリウム 」を紹介します。アークライトさんから日本語版が発売されるということで大注目作品です。

ワーカープレイスメントとデッキ構築の融合した新しい感覚のボードゲーム「 デューン 砂の惑星: インペリウム」。気になっている方は是非ご一読ください。

▼デューンインペリウムのレビュー記事はこちら

▼デッキ構築とワーカープレイスメントが合わさった傑作。日本語版が遂に発売!

『デューン 砂の惑星: インペリウム 』基本情報

デザインSystem:
 Paul Dennen
プレイ時間60~120分
プレイ人数1~4人
対象年齢14歳以上
版元Dire Wolf
日本語版販売アークライト
発売日2022年4月21日(英語版は2020年12月)
希望
小売価格
¥7,480(消費税10%込)

『デューン 砂の惑星: インペリウム 』内容物

  • アラキス・ボード:1枚
  • 代行者(木製):13体
  • 影響力キューブ(木製):64個
  • ディスク(木製):8枚
  • 資源トークン(木製):62個
  • 大型カード:162枚[カードサイズ:63×88mm]
  • 小型カード:58枚[カードサイズ:44×67mm]
  • 指揮官ボード:8枚
  • 抜き打ちトークン:25個
  • ルール説明書:3種類
  • プロモカード<アラキスのジェシカ>:1枚

このセットには、最初からプロモカードが1枚入っています。

引用:BGG

「ベネゲセリット」勢力に所属する「アラキスのジェシカ」です。手札を増やす手段が乏しいゲームで、条件限定だが+2ドローが可能になるカードです。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』ボードゲーム概要

引用:BGG

ここでは『デューン 砂の惑星: インペリウム』のゲーム内容の詳細を説明します。

英語版が2020年に発売され、その面白さから瞬く間に話題になった作品です。BGGランキングもなんと15位と脅威の順位にランクインしています。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』の元ネタ

「Dune」は日本語で「砂丘」を指す英単語。この「Dune」はフランクハーバードによる50年以上前の古いSF大河小説で、砂の惑星アラキスを舞台に様々な派閥が争う物語。

「デューン砂の惑星」という映画にもなっており、2021年にはそのリメイク版で「デューン 砂の惑星」が再度映画化されました。

このSF小説「Dune」を元ネタとするボードゲームが今回紹介する「Dune Imperium」になります。実は他にも同じく「Dune」を元ネタとする「Dune」というボードゲームが出ていますが、そちらと今回の『デューン 砂の惑星: インペリウム』は関係がありません。

これはSF好きには堪らないボードゲームでしょう。ただ、スターウォーズやマーベルのような超メジャーどころのボードゲーム化はしょっちゅう聞きますが、若干メジャーとは言い難い元ネタのボードゲーム化は珍しい気がしますね。

版権問題もクリアしたということで、アークライトさんからは日本語版が発売されます。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』のゲームシステム

『デューン 砂の惑星: インペリウム』のゲームシステムはかなり特徴的で「デッキ構築」と「ワーカープレイスメント」を融合したものになっています。

ホビージャパンさんより発売されている「アルナックの失われし遺跡」でも採用されているシステムと同じです。発売も同時期なのである意味ブームの1つなのでしょうか。この2つ以外に同システムを採用したボードゲームは知りませんが、この2作ともかなり高い評価を受けています。

面白いシステムと面白いシステムを組み合わせたらやっぱり面白くなった、というやつでしょう。

本作のデザイナーは、なんとあの名作デッキ構築型の迷宮探索ゲーム「クランク」の作者である「ポールデナン」さん。クランクもデッキ構築型に上手く迷宮探索要素を混ぜた大ヒット作ですし、デッキ構築と別のシステムを合わせるならお手の物でしょう。

本作もデッキ構築の面白さはしっかりと入っています。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』ゲームルールの紹介

引用:Geekdad

本作は重量級ゲームのため、あまり詳細に説明しているときりが無いので、ざっくり簡潔に紹介していきます。

どういうゲームなのかのイメージが付けば幸いです。

ゲームの目的

ゲームの目的はほかのプレイヤーよりも勝利点を稼ぐことです。このゲームでは10点勝利点を稼ぐとゲーム終了トリガーがかかります。

10勝利点で良いことからもわかるように、勝利点はかなり得づらいゲームになっています。

ゲームの終了条件

  • 誰かが勝利点を10点獲得する
  • 10ラウンド経過する

どちらかを満たしたラウンドでゲームが終了します。大体は10勝利点を誰かが稼いで終了します。勝利点が多いプレイヤーが勝ちですが、同着になることも多いため、その場合は、手持ちリソースで勝敗が決まります。

また、ゲーム終了時に発動して勝利点を獲得するカードもあるため、最後まで気は抜けません。

プレイヤーの初期デッキ

引用:Geekdad

各プレイヤーの初期デッキは10枚で毎ターン5枚手札に加えて開始します。デッキが尽きたらリシャッフルして5枚になるまで引く。この辺は一般的なデッキ構築型ゲームと同じなので、ドミニオンなどをやっていればすぐに理解できると思います。

初期デッキなので、当然ながらどれもそこまで強くない効果のカードです。

ラウンドの流れ

1ラウンドはざっくり次の流れで進んでいきます。

  1. ワーカープレイスメントフェイズ
  2. 購入フェイズ
  3. 紛争フェイズ

①ワーカープレイスメントフェイズ

引用:BGG

スタートプレイヤーから順に手持ちのワーカーをボード上に1体ずつ配置します。他のコマがいるマスには入れません。ここは一般的なワーカープレイスメントのイメージ通りだと思います。ワーカーは最初は2体で最大3体にしかならないため、ワーカープレイスメントで出来る行動には限りがあります。

ワーカーを配置するには幾つかの制限があります。配置したいアクションマスに描かれたマークと同じカードを捨て札にしなければなりません。例えば「砂漠のマーク」の描かれたマスにワーカーを配置するには「砂漠のマーク」が描かれたカードを捨てる必要があります。

カードは特定のマークしか描かれていない=特定のアクションにしか使用できないものが大多数ですが、全てのアクションが出来るようなマークが描かれたものもあります。この辺はデッキ構築次第でしょうか。

また、幾つかの場所には配置コストがかかります。例えば、砂漠地帯への配置には水が必要ですし、お金が大量に必要とされる場所もあります。

ワーカーを3体全て置きたい場合は手札5枚の内3枚を使ってしまうことになるため、ワーカーを置くことが必ずしも正義とは限らないバランスになっています。

②カード購入フェイズ

引用:Geekdad

ハードパスしたプレイヤーは購入フェイズになります。

ワーカープレイス時に使用しなかった未使用の手札をカード購入のお金として使用可能です。そのカードに描かれたお金マークの分だけ、場に並んだカードを購入することが出来ます。カードの右上の数字が購入コストになります。

またカードによってはこの購入フェイズに何らかの特殊能力を発動するものもあります。例えば、この購入フェイズに資源を払うことで募兵アクションが出来るものなどがあります。

購入できるカードは、ドミニオンでいう「銀貨」「属州」相当の2つのカードが固定で常に購入可能で、それ以外はランダムでデッキからめくられたものがサプライとなります。

良いものを購入するためには、ワーカーを置きすぎると手札が減るので、そこのバランスが中々難しい作りになっています。

個々のカードの見方

このゲームのカードの見方をざっくり紹介。

左上がカード名(スティルガー)とその下が派閥(フレーメン)。特定の派閥のカードを出していることで発動するカードの効果もあるので、たまに重要になります。

右上がコスト(購入に5金必要)。大体が2~4金で買えるカードが多いが、1金から9金まで様々なカードが出てきます。ワカプレフェイズで手札を消費していると、中々高コストカードが買えないため、低コストカードもばかになりません。

左のマーク3つが、このカードを消費することでワカプレフェイズに配置可能な場所。このカードは全7種類から「フレーメン」「砂漠」「都市」の3種類のアクションマスに入ることが可能。

最後に下の2行。

上の水のマークの方が「ワーカープレイスメントフェイズ」で消費したら貰える効果。このカードの場合水資源が1つ貰える。

その下のマークの方が「購入フェイズ」で消費したら貰える効果。このカードの場合は2金代わりとして使用可能。更に軍事力3がついている。これはこのターンの紛争フェイズの軍事力を+3出来るということ。

③紛争フェイズ

毎ラウンド全プレイヤーは紛争地域で戦闘します。

このゲームの結構キモになっているルールです。

アクションマスには、紛争地域に派兵することが可能なマスがあります。ワーカープレイスメントフェイズで、そのマスにワーカーを配置すると、手持ちの兵士を最大で2体まで紛争地域に送り込むことができます。

紛争フェイズでは、各プレイヤーから紛争地域に送り込まれた、それぞれのプレイヤーの軍事力を競います。

送り込んだ軍事力とカードを使うことで軍事力を上げることが出来て、その比較を行います。送り込んだ軍事力順に1位から3位まで何らかの特典が貰えます。資源だけということもあれば最終的には大きな勝利点を獲得することが出来るようになります。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』のリソース

引用:Geekdad

リソースは3種類あります。「水」「ソラリス(お金)」「スパイス」です。

「水」は青い資源で、主に砂漠の探索に使用されます。

「ソラリス」は丸い灰色の資源でこの世界のお金。主に政治系アクションの実行に使用されます。

「スパイス」はオレンジの資源でこの世界で貴重な資源。ソラリスに変えたり、特定の派閥と仲良くするために使用されます。

他のゲームには無い中々変わった資源になっています。

得点を得る方法

このゲームでは10勝利点を獲得すれば良いのですが、得点を得る方法はそこまで多くありません。

  1. カードの効果で得る
  2. 紛争の勝利ボーナスで得る
  3. 陰謀カードで得る
  4. 特定の派閥への影響力を高める

①カードの効果で得る

コスト9で購入可能なカードは、購入時に即勝利点が得られます。ドミニオンの属州のような位置づけですね。コスト9なので購入はそれなりにかなり難しいです。

▼お馴染みの砂虫。購入すると即勝利点1購入フェイズに使用するとスパイス1。

引用:Geekdad

その他、カードには購入フェイズで使用時にソラリスを払うと勝利点を獲得出来たり、スパイスを消費して勝利点を獲得できるようなカードが2枚だけ存在します。

ただ、カードから得られる勝利点はこれだけです。かなり少ないですね。

②紛争の勝利ボーナスで得る。

紛争の結果得られる勝利ボーナスは、毎ターン紛争カードを1枚めくって決まるのですが、その中に勝利点が得られるカードも入っています。紛争で1位だと勝利点1だったり、終盤だと勝利点2が得られる強力なカードも出てきます。

▼1位で勝利点1、2位に陰謀カード1とソラリス2、3位にソラリス2、の紛争ボーナス

勝利点1を得るのも苦労するゲームで、一気に2も入るのはかなり強力です。なのでこの紛争勝利点ボーナスを狙わないと中々勝てません

③陰謀カードで得る。

「陰謀カード」と言う特殊カードを手に入れるアクションがあります。カタンでいう「発展カード」のようなものですが、効果はピンキリでかなり極悪なものからそこまで強くないものまで出てきます。

▼いつでも発動可能な使い切りカード。7ソラリス払うと1勝利点獲得。

引用:Geekdad

この陰謀カードの中に「XXXすると勝利点1」のようなカードが出てきます。陰謀カードによる勝利点も獲得の敷居はそこまで高くはないためかなり強力です。

④派閥への影響力を高める。

このゲームには原作にも出てくる4つの派閥が登場します。それらの派閥のアクションマスに1回ワーカーを置くことで、派閥への影響度が1上がります。これを各派閥で2回上げることでその派閥から勝利点1が得られます

▼例えば派閥「フレーメン」のアクションマスはこの2つ。これらに合計2回ワーカーを置いたら1度だけ勝利点1。

また一定以上派閥への影響度を高めて4に達すると、その派閥と同盟を結んだことになり、その派閥の同盟トークンが貰えます。これも1勝利点の価値があります。カタンでいう「最大騎士力」や「最長交易路」のような感じで影響力TOPの1人しか貰えません。

全員が簡単に得られるのは、この派閥への影響力2で得られる勝利点1×4派閥くらいで、残りの6勝利点は別の方法で稼ぐ必要があります。

紛争システムについて

先ほども軽く説明しましたが、毎ラウンド発生する紛争フェイズで、自分の保持する兵力を紛争地域に送り込んで勝利すれば、勝利ボーナスを得ることが可能です。

引用:BGG

自分の兵力は特定のアクションマスで増やすことが出来、更に特定のアクションマスで兵士を紛争地域に送り込むことが出来ます。

ラウンド終了時に全プレイヤーが送り込んだ戦力を比較します。

兵士コマ1個で2戦闘力。1アクションで兵士は2コマしか送れないため、3アクションで最大で6コマ。大体がほかのプレイヤーも派兵アクションを取っているので、何もしないと良くて4コマくらいしか送れないことが殆どです。

更に手札に戦闘力マークがついたカードを出すことで戦闘力を増やすことが出来ます。

更に陰謀カードにも一時的に戦闘力を増やすカードも存在します。一気に7戦闘力増やすなんていうとんでもないカードもあるため、圧勝だと思っていたら、一気に+10戦闘力されて負けたなんてことも起こりえます。

全員の戦闘力を比べて1位、2位、3位がそれぞれ勝利ボーナスを獲得します。

戦闘に送り込んだコマはラウンド終了時に無くなります。なので、どの特典のためにいつどれだけの戦力を送り込むのか、重要になってきます。送り込んだのがたった兵士コマ1でも3位になれば何らかの特典が貰えるわけですし、逆に兵士10体送り込んでも1位になれないかもしれません。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』のキャラクター、プレイヤー固有能力について

このゲームはいわゆるヴァリアブルプレイヤーパワーとなっており、ゲーム開始時にプレイヤー毎に特殊能力を持ったキャラクターボードを受け取ります

キャラクターボードはそれぞれ原作に登場するキャラクターとなっており、それぞれがどこかの派閥に属しています。各派閥のキャラクターは被らないように選択する、というルールもあるのですがあまり気にする必要はないでしょう。

キャラクターは8体登場します。

▼軍事系の能力に特化したハルコーネン伯爵

引用:Geekdad

各キャラクターは「常時発動する能力」と「指輪カード使用時に発動する能力」の2つを持っています。「指輪カードは」初期デッキに入っているカードで、それをワカプレ用のカードとして使用するとこの「指輪能力」が発動します。

兵力を派兵する軍事依りなキャラクターもいれば、ソラリスやスパイスなどリソースを得やすいキャラクターもいれば、影響力を上げやすいキャラクターもいます。

どの能力もそれなりに強力なので、基本的には能力を発動させる方向でゲームを進めた方が良いように思います。リソースを払わないと能力を発動させられないキャラクターもいますが、その条件をなるべく満たすようにリソース管理した方が良いですね。

『デューン 砂の惑星: インペリウム 』 のスリーブ

『デューン 砂の惑星: インペリウム 』 のスリーブは以下の通り。

  • 63x88mm:162枚
  • 44x67mm:58枚

トレーディングカードサイズが162枚。

ミニユーロサイズが58枚です。

どちらのカードもシャッフルしまくるので、スリーブはあった方が確実に良いです。

『デューン 砂の惑星: インペリウム』ルール紹介のあとがき

以上、ボードゲーム「デューンインペリウム」のゲーム紹介でした。

アルナックと並んで、デッキ構築できるワーカープレイスメントというかなり面白いボードゲームです。しっかりデッキ構築している感じがしますし、しっかりワーカープレイスメントしている感じもします。

アルナックよりデッキの重要度が高いので、デッキ構築をしている感じは強いですね。

この『デューン 砂の惑星: インペリウム』は、2021年にプレイしたボードゲームの中ではかなり高ランクに入るゲームですね。

私は英語版プレイ済みですが、日本語版も間違いなく購入します。重量級行ける方なら買って損はないゲームの1つですね。気になる方は是非プレイしてみてください。

▼デッキ構築とワーカープレイスメントが合わさった傑作。日本語版が遂に発売!

▼デューンインペリウムのレビュー記事はこちら

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