ソロ専用ボードゲーム「ネモの戦い(Nemo’s War)~海底二万マイルを超えて~」特集続きます。
今回は4種類あるネモ船長の動機と、様々な得点方法を紹介します。
ネモ船長の動機はこのゲームのゲーム性を大きく変化させるリプレイ性を高めるポイントなので、どういうものか知っておくと良いかと思います。
ネモ戦い争(Nemo’s War) 得点方法の紹介
ネモの戦いには様々な得点手段が存在します。ネモの戦いはこの得点を沢山稼ぐことを目的としたゲームです。
まずは、この得点方法に関して紹介していきます。
戦艦撃沈
赤い船のマークのアイコンは、戦艦撃沈得点です。
主な獲得方法は、戦闘で戦闘能力を持った船、戦艦を撃沈することです。たまに、アドベンチャーカードの効果で得点できることもあります。
個々の戦艦には撃沈時の勝利点が書いてあるので、攻撃して撃沈すればそれがそのまま勝利点となります。勝利点が1点、2点、3点の戦艦を撃沈すれば合計6点ということです。
様々な種類の戦艦が登場しますが、右の赤い船のマークと数字が「戦艦撃沈」による得点を表しています。
ネモの動機が「戦争」の場合、「戦艦撃沈」による得点補正が大きくかかるため、これがもっとも得点を稼ぐことが出来る方法になります。
この得点を得たい場合は積極的に戦艦に攻撃を仕掛けていくことになります。
序盤の黄色い戦艦などは弱いですが勝利点は低く、後半の赤い戦艦などは非常に強力ですが高い勝利点を得ることが可能です。
非戦艦撃沈
青い船のマークは、非戦艦撃沈得点です。
主な獲得方法は、戦闘で戦闘能力を持たない船、民間船を撃沈することです。こちらもたまにアドベンチャーカードの効果で得点できることもあります。
勝利点が0点、1点、2点の商船を撃沈すれば、合計3点ということです。
このゲームで最も多く登場する船はこの白い民間船ですが、この右の青い船のマークと数字が「非戦艦撃沈」による得点です。
民間船は撃沈しやすい分戦艦よりは得点が低く設定されているのですが、ネモの目的が「非帝国主義」の場合、かなり高得点補正がかかります。この得点を得たい場合は、積極的に白い民間船を攻撃していくことになります。
白い船=民間船は、船の中で最も撃沈しやすい船のため、勝利点が付いていない船が多いですが、1,2点の勝利点がついている船も幾つかあります。
アドベンチャーカード
本みたいなマークは、アドベンチャーカードの解決得点です。アドベンチャーなイベントをこなすことで得点が入ってきます。
このカードの左上の本のマークと数字が「アドベンチャーカード」による得点です。
アドベンチャーカードをPassすることが、最も多くこのアドベンチャーカード得点を得るための方法になります。それ以外にも幾つかこの得点を得る方法はあります。
この得点を得たい場合は、毎ターンドローするアドベンチャーデッキのカードの処理は勿論のこと、毎ターンのアクションとして追加でアドベンチャーカードを処理することで、得点獲得を狙うことが出来ます。
財宝
ダイヤマークは、財宝の得点です。
探索アクションによりランダムで1・2個獲得できます。中にはダイス振り直しなどの特殊効果の付いた財宝も存在します。
主な獲得手段は、探索アクションで探索トークンを獲得することです。獲得した探索トークンが財宝だった場合、そのままダイヤマークに数字が4など書いているため、それがそのまま財宝点4になります。
4点、3点、3点の3つの財宝トークンを持っていたとすれば、合計10点の財宝得点ということになります。
また、アドベンチャーカードなどにも、財宝のダイヤマークが書かれたものもあります。
ネモの動機が「探索」だった場合、比較的大きな得点補正がかかるため、積極的に探索アクションをしていくことになるでしょう。
解放
拳を突き出したマークは、解放の得点です。
アクションの「扇動」に成功すると、その土地に扇動トークンが1個置かれますが、世界中にばらまかれたこの扇動トークンの数が得点になります。
扇動トークン1個が何点になるかは、ネモの「目的」で異なります。ネモの目的が「反帝国主義」の場合、最も高得点補正がかかり1個6点になります。
扇動アクションに成功するとこれらのトークンがその海洋隣接都市に置かれます。扇動トークンは数に上限が決まっているのですが、アクションの上限を増やすことの出来るイベントも存在します。灰色の扇動トークンはそのイベントで獲得できるものです。
世界中にばらまかれた扇動トークンはネモの動機に応じて点数が異なり、1個3点~6点になります。世界中の10か所で扇動すれば30点~60点ということです。中々大きい得点ですね。
科学的発見
雷マークは、科学的発見の得点です。その名の通り、科学的なものを発見したり、得たときにこのマークがついています。
全得点の中で最も獲得方法がバラバラな得点ですかね。主にノーチラス号の改造を行うと、この雷マークがついていることが多いです。また、アドベンチャーで科学的なカードを解決すると得られることがあります。
このマークを持っている敵船もいます。また、最初から乗船している「アロナックス」教授をゲーム終了時まで犠牲にしなければ、得られたりもします。
など色々なところに潜んでいる得点です。
こちらもマーク1個に付き何点得られるかは、ネモの「目的」で異なります。ネモの動機が「科学」の場合、最も高得点補正がかかり1個6点になります。
動機によって点数は異なり、科学マークは1個2~6点になります。科学マークを10個集めると、20点~60点になるということですね。動機が科学の場合はこれが最高補正になるので積極的に科学得点を集めていくことになります。
驚きの発見
目のマークは、驚きの発見の得点です。世界各地に点在する驚きのモノを発見したりすると得ることができます。
主な獲得手段は、探索時にランダムに引く探索トークンです。
実は先ほど紹介した財宝トークンに交じって、同じ形をした緑色のトークンがあります。ランダムに獲得した結果が緑色のトークン「驚きの発見」だった場合に、この得点が得られます。
例えば、GETした探索トークンが「驚きの発見(グレートバリアリーフ)」だとこのマークが1つ得られます。
また、空飛ぶ戦闘船を倒したり、驚きの発見をしたアドベンチャーカードをPassすることで、同じように得ることが可能です。ネモの精神がゲーム終了時まで最高だった場合にも得ることが出来ます。
こちらもマーク1個に付き何点得られるかは、ネモの「目的」で異なります。ネモの目的が「探索」の場合、最も高得点補正がかかり1個7点になります。
この画像には全て「驚き発見」の得点が付いています。緑色の探索トークンは「驚き発見」したということで「驚き発見」得点が得られます。ゴースト船や特定のアドベンチャーカードにもついています。
動機に応じて異なり1個2点~7点になります。驚き発見マークを10個集めると、20点~70点になるということですね。
ちなみに探索時に得られる探索トークンはランダムドローなので、北大西洋で驚きの発見「グレートバリアリーフ」が発見されたりします(笑)。グレートバリアリーフはサンゴ礁の綺麗なオーストラリア北東の世界遺産です。全然場所が違うのはご愛敬。
ノーチラス号の耐久度
船の損傷がひどい場合、マイナス得点が入ります。
リソースにかかれたハテナマークとマイナス得点がそのまま失点になります。
・ネモの精神
・船員の状態
・船の耐久度
これらがゲームオーバー寸前になっている場合、その状態に応じてマイナスになります。酷いものだとマイナス10点とかになるため、船の損傷状態には気を付けなければなりません。
海洋の得点
全海洋で撃沈した船1隻に付きボーナス点になります。
例えば、全海洋で1隻ずつ船を撃沈した場合、8点になります。例えば、全海洋で6隻ずつ船を撃沈した場合、40点になります。
このように撃沈した船はその海洋がわかるように配置して行きます。横が海洋で同じ海洋で船を撃沈すると同じ行がドンドン伸びていきます。縦が6つ揃うとボーナス得点です。特定の海洋だけ大量に撃沈してもダメで、全海洋で満遍なく撃沈していかないとこのボーナスは入りません。
ネモの目的が「戦争」の場合は大量の敵船を撃沈していくことになるので、自ずとこのボーナスは高得点を狙うことが出来ます。それなりに大きな得点源になります。
乗船した人の生存得点
ゲーム開始時にノーチラス号の特殊な乗船員タイルを受け取ります。これらは、緊急時に使用することで、一度だけ強力な効果を発揮してくれるお助けタイルで、アロナックス教授など合計6人います。
これらは使用することで、例えばダイスの出目を+3してくれたり、アクション数を+2してくれたりします。ダイスを振ってあと出目が+2だったら成功してたのに…という時に、何もせず失敗を受け入れるか、これらの緊急お助けタイルを使用してダイスの出目を+3して凌ぐか、というような選択を迫られます。
このお助けタイルは、1度使用すると裏返しになり2度と使用できなくなります。なので本当に切り札的な役割です。
この乗船者タイルを未使用のままゲーム終了時まで保持できると、そのタイルに書かれた得点を生存得点として得ることが出来ます。全員生存で数十点入るのでそれなりに大きな得点です。ただ、緊急効果が強いので果たしてどちらを取るかはプレイヤーのプレイ次第というところでしょうか。
また、リソースの1つである「船員の耐久度」が高いままゲームが終われば、この得点が得られます。
ネモの戦い(Nemo’s War) 4種類の動機の紹介
ここからはネモの船長が世界に戦いを挑む目的である、ネモの4種類の動機を紹介していきます。
ネモ船長の動機が違えば、アドベンチャーデッキの構成や悪名マーカーの上限や主な得点方法が異なります。
ネモの戦いのリプレイ性の多くはこの目的カードに依存しており、重要なゲーム要素です。
オーソドックスなのが探索メインの「探索」と戦闘メインの「戦争」です。
それらをそれぞれ変わった方向にしたのが「科学」と「反帝国主義」ですかね。
どの動機かに応じて得られる得点も違うのですが、ゲーム開始時のノーチラス号の装備が異なるのも特徴です。
ネモの戦いではゲーム開始時に、望めばノーチラス号を1回強化することが可能です。強化するならネモの精神・船員の状態・船の耐久度、のリソースを合計3支払うことで強化カードを受け取ります。
最初にGETできるノーチラス号の強化が、動機に応じて決まっています。
ノーチラス号の強化状態はその後のゲームに大きく影響するため、再序盤に特定の強化が出来るのはかなり大きな差になってきます。動機が戦争なら戦闘しやすくなる装備が、動機が探索なら探索しやすくなる装備が、それぞれ手に入ります。
この記事では基本セットの4種類の動機の紹介をしていきますが、ミニ拡張でこの動機カードが追加されるものがありますが、是非入手したいと考えています。
スピリットアイランドでは精霊が違うとゲーム感が違いますが、そのようなゲーム性の違いがこのネモの「動機」の違いにあります。
ネモの動機:探索(Explore)
一番初めのゲームではこの「探索(Explore)」で遊ぶように説明書には書かれています。それくらいオーソドックスなそこまで尖っていない目的になります。
名前の通り、世界中を探索して色々なものを見つけるというのが、ネモ船長の冒険の目的ということになります。
最も大きな得点方法は「驚きの発見」で1つに付き7得点になります。これを大量に集めていくのが大きな目標になるでしょう。
また、「財宝」得点には+1ボーナスが付きます。財宝トークンを10個持っていれば他の動機で財宝トークンを10個獲得したときより+10得点ということです。
この「驚きの発見」と「財宝」を得るために「探索」アクションを沢山実行していくのが、主な立ち回りになります。アドベンチャーカードもこなして発見を狙っていくこともあります。戦闘も多少はすることになるでしょうが、あくまでもメインではないということになります。
探索アクションは戦闘不要でダイスを振るだけなので、それなりに気軽に実行できます。スムーズに得点を稼いでいくことが出来て最初にプレイするには確かに向いている動機です。
ノーチラス号の初期装備は「ハイドロドライブ」。1アクションで海洋を2つ移動可能になるという移動力重視の装備になります。
わかりやすくて個人的には好きな目的の1つです。
ネモの動機:科学(Science)
ネモ船長は、科学的なものを作り出したり、見つけることが生きがいになります。
最も高得点を得る手段が「科学」マークの獲得で、1個6得点になります。科学マークは船の強化やアドベンチャーカードなど様々な手段で獲得可能になっており、これをやっておけば十分というものがありません。実に色々な立ち回りが必要になるでしょう。
アドベンチャーカードにも+1ボーナスがついているので、科学マークが出る可能性もありますし、積極的にアドベンチャーを処理していくのも良いです。
特徴として悪名の最大値が全目的中で最も低いです。そのため、船を撃沈しまくるとあっという間にゲームオーバーになってしまいます。
ノーチラス号の初期装備は「モンストラスデザイン」。ストークアタック時なら、増える悪名が1減る(最小で0)という能力です。通常は船を撃沈する毎にネモの悪名が増えるのですが、それを抑えてくれる能力です。
ストークアタックというのは、こっそり攻撃するため連続攻撃が出来ない代わりに、攻撃値に補正がかかる攻撃方法です。ストーカーの動詞がストークですね。大胆に攻撃するボールドアタックという方法もあります。こちらは連続攻撃が出来る攻撃方法ですが、悪名がモリモリ上がっていきます。
つまり「科学」目的時は、ノーチラス号はこっそり船を1つずつ撃沈していき、あまり悪名は上げないようにひっそりと行動することになります。
ネモの動機:戦争(War!)
ネモ船長の目的は世界と戦争することになります。
得点方法は大変わかりやすく、敵戦艦を撃沈すると1隻あたり+2のボーナスが入ります。20隻撃沈すればボーナスだけで40得点入るということです。基本的には敵の戦艦の撃沈を狙っていきます。
また、全海域で満遍なく船を撃破することで、海洋ボーナスもかなり得やすいです。
一方でアドベンチャーカードの得点にはマイナス補正がかかっているため、アドベンチャーカードを解決しても、多くが1点→0点になります。
また、「驚きの発見」や「科学」などから得られる得点もかなり低いため、探索などはそこまで勝利点としては美味しくない行動ということになります。得点にはなるので余裕があれば稼ぐのはありだとは思います。
この動機の特徴として、悪名の最大値が全動機中で最大となっています。敵を撃沈するとガンガン悪名が上がっていきますが、悪名がガンガン上がってもそこまで簡単にゲームオーバーにはなりません。
ノーチラス号の初期装備は「ペリスコープデバイス」。ボールドアタック時の連続攻撃時の悪名+1が無くなります。またストークアタックが連続攻撃が出来るようになります(こちらは連続攻撃時に悪名+1)
先ほど紹介したストークアタックと対になるのがボールドアタックで、大胆に攻撃することで攻撃に補正はかかりませんが1アクションで連続攻撃が可能になります。1つの海洋に溜まった船をガンガン撃破するのに適しています。
通常、連続攻撃時には連続攻撃毎に悪名が+1されるのですが、それを無くしてくれる能力になります。つまりガンガン連続攻撃で船を撃沈していけということですね。
敵船との戦闘が最も楽しめるのがこの目的なので、私の好きな目的の1つです。
ネモの動機:反帝国主義(Anti-imperialism)
帝国への反逆することがネモ船長の人生の目的になります。
世界中を扇動して扇動トークンを置くことで1個6点の高いボーナスを得ることが出来ます。扇動自体はアクションで実施するだけなので比較的成功しやすく、それなりに扇動トークンはばら撒けるでしょう。
特殊アイテム「沈んだ財宝」をGETすることが出来れば、更に扇動に+補正がかかり、ダイスロールがかなり成功しやすくなるため、この目的時はかなりのキーアイテムとなるでしょう。
更に民間船撃沈に+2点のボーナスがついています。白い民間船の数は限られていますが、戦闘力はかなり低く倒しやすいため、民間船をガンガン狙ってボーナスを得ていくのが良いです。
ノーチラス号の初期装備は「ダブルフル」。ノーチラス号の耐久度の1つ「船体耐久度」を使用したダイスボーナスが+1になります。更に敵の戦艦の攻撃を受けた際に出目が6だった場合、その攻撃を無視することが出来ます。
攻守に程よく効く装備なのですが、他の動機に比べると初期装備との相性が良いのか悪いのかがイマイチわかりません。
個人的にまだあまりプレイ経験のない動機です。4つの中では最も特殊な動機という感じでしょうか。
以上、ネモの戦いの得点方法と全目的の紹介でした。
ちなみにすべての得点の補正において、得点がマイナスになることはありません。例えば、0得点のカードがネモの動機でマイナス1点されたとしても、これは0点のままとなります。
ネモの冒険の動機に応じて、ゲーム内でとるべき有効な行動が変わってくるため、非常に重要な要素の1つです。基本セットの目的は4種類ですが、更に2種類の目的が追加されるミニ拡張が出ています。何れ遊んでみたいですね。
次回は、ネモ船長の悪名に関して紹介をします。
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