今回はアークライトさんより2021年3月に発売されたボードゲーム「パレオ ~人類の黎明~」完全日本語版 のゲーム内容を紹介していきます。
何と2021年のドイツ年間ボードゲーム大賞のエキスパート部門の大賞受賞したということで「パレオ ~人類の黎明~」のルールやレビューが気になっている人は多いと思います。
「パレオ ~人類の黎明~」完全日本語版がどういうボードゲームなのか、ルール紹介とレビューを記事にしてみました。
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 基本情報
デザイン | System: ペーター・ルステマイアー |
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プレイ時間 | 45~60分 |
プレイ人数 | 2~4人 |
対象年齢 | 10歳以上 |
版元 | Hans im Glück |
販売 | アークライト |
発売日 | 2021年3月4日 |
希望 小売価格 | ¥6,380(消費税10%込) |
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 ボードゲーム概要
パレオは、石器時代の狩猟をテーマにした、ネタバレありの攻略型の協力系のボードゲームです。
プレイヤー達は狩猟民族の1人として協力しつつ、昼は狩りをしたり道具を作ったり、探索、採集をして生活をしていきますが、向かう先々には様々な試練が待ち構えています。
時にはアクシデントでプレイヤーキャラクター達が死んでしまうこともあります。
そうやって石器時代でサバイバルしつつ、最終的にはマンモスの壁画を完成させることが目的になります。
どのようなゲームモジュールを入れるかによって、プレイヤー達が遭遇するイベントや試練の難易度が変わってきて、それらのイベントを何度も失敗しつつ、繰り返しプレイして乗り越えていくタイプのボードゲームです。
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 ルール概要
パレオは重量級ボードゲームの部類で、かなり複雑なルールになっています。
なので、ここではどういうゲームかイメージがつくところまでを目指して紹介します。
ゲームの準備
箱の中の各種カードを種類別に分けます。これが非常に大事。カードは兎に角すべてバラバラにします。
右上に数字やアルファベットが書いてあるので、それ通りに分けます。
この準備の過程で、非常に重要かつ非常に説明書がわかりづらいのは、ゲームで遊びたい難易度に応じて、付録に書いてあるセットアップを追加ですることです。
例えば、シナリオLV1の場合、「A」と「B」のカードを混ぜてくださいと書いてあります。
しかし、AとBのカードをそのまま混ぜてしまうと駄目で、更にそれらのカード群に最初から入っている「道具カード」を道具置き場に用意することになります。
更にそれらのカード群には毎日達成しなければならない「目標カード」が混じっているのですが、それらを抜いておかないといけません。。この辺がマジでわかりづらい。何も考えずに混ぜてしまった人が多発したと思います。
付録のセットアップの部分に用意するように書かれているものは、全てこのアルファベットに描かれたカードの中に入っています。初プレイ時にこれに気が付くのにかなり時間がかかりました。。。
ゲームの目的
マンモスの壁画を5個集めることです。
ゲーム中の様々なアクションの結果に応じて、このマンモスの壁画の欠片が1つ手に入ることになります。
▼何故マンモスの壁画を集めているのかは謎に包まれています
このゲームは様々なシナリオのバリエーションがありますが、何れのシナリオでも目的はこれ1つです。
説明書にはマンモスの壁画を得る手段が何一つ書かれていませんが、ゲーム中では様々な方法でこの壁画を獲得することが出来ます。
今のシナリオで、マンモスの壁画はどういう手段で得ることが出来るのかを、プレイしながら徐々に把握していくのもこのゲームの面白さの1つですね。
このマンモスの壁画の獲得方法がシナリオ毎に異なるのが、攻略要素のある部分ですね。シナリオ1だとこういう行動をとることで壁画が手に入るが、シナリオ2だと全然違う行動が必要だったりと、実際にプレイして失敗しつつ、攻略していく必要があります。
ゲームの敗北条件
ドクロマーカーが5つ貯まったらゲームオーバーです。
明らかにNGっぽい感じのするマーカーになっています。
ドクロマーカーは「キャラクターが死亡する」「毎日の課題を満たせなかった」などでドンドン溜まっていきます。
「毎日満たさなければならない課題」がシナリオによって異なるのが大きな特徴で、満たせない場合は毎日ドンドンドクロマーカーが溜まっていきます。
例えば、「毎日食料を一定数支払う」などが課題になっており、一日の終わりにそれが満たせない場合にドクロが溜まります。
これがこのゲームが高難易度な要因の1つです。課題に対処できないとすさまじい勢いでドクロが溜まってゲームオーバーまっしぐらになります(笑)
1日の流れ
1日は以下の流れで進みます。
- 昼フェイズ(探索や狩猟などを行う)
- 夜フェイズ(食料を食べつつ、脅威に立ち向かう)
昼フェイズでやること
昼フェイズでやることは、複雑そうですが非常にシンプルです。
自分の探索デッキから3枚引いて、裏向きのままどこに行くかを選択。全プレイヤーが選択したら一斉にオープンして処理。
やることはこれだけです。超簡単ですね。
このゲームで非常に特徴的なのが「カードの裏面の模様が異なる」点です。「山」「河」「森」などカードの裏面を見ることで、そのカードがどういう利益をもたらしてくれる(可能性が高い)のかを知ることが出来ます。
「山」なら「石」が得やすいですし、「河」なら「食糧」が得やすいです。たまに「山」+「マンモス」など特殊な絵柄のカードも存在します。そういうカードを探索することで何が起きるかは…実際にプレイしてみてのお楽しみです。
探索デッキは、基本カードに加えて、シナリオ毎に別のカードを加えて構成されるため、どんな出来事に遭遇するかはシナリオ毎に異なります。
同じ「河」の探索でもシナリオが違えば遭遇するイベントも異なるわけですね。
▼カードの裏の絵柄が違うのが大きな特徴
探索カードの種類
木材が欲しいなら、森を探索すれば得られる可能性が高いですし、同様に石を得るなら山、食料を得るなら河、といった風に目的に応じて探索場所を変えられることになります。
- 山:石が得やすい
- 森:木が得やすい
- 川:食料が得やすい
- 家:道具作成や仲間獲得がしやすい
- 足跡:誰かとの出会い
- 星空:特殊な効果
- 危険:危険だが大きな見返りがあるかも
全プレイヤーがカードを選択したら、実際にカードをオープンして表に描かれた処理を行います。
石を得られたり、危険な狼に遭遇したり、イノシシを狩ったり、道具を作成できたり。イベントは様々です。
▼作成できる道具はこのような形で陳列されます
カードの効果はアイコン化されていて、最初はわかりづらいですが、慣れてくるとスムーズに処理できるようになると思います。
カードの効果の発動条件
カードの効果には発動条件があり、それを満たせていない場合は効果を得ることが出来ません。
例えば、狩猟技能が高く無い場合、狩りをしても食料を得ることが出来ないかもしれません。
同様に、技術や探索などのスキルが低い場合、ロクな成果が得られないカードは多いです。
プレイヤー能力を上げておくのは、このゲームの攻略で非常に重要です。
仲間の補助
探索カードは他の仲間を補助することが出来る効果が描かれたものが殆どです。これは自分のカードの処理を捨てて、ほかのプレイヤー1人の処理を補助するというものです。
他のプレイヤーが足りていない能力や道具を補助することが出来ます。基本的にはこのように協力して全体として最適になるように立ち回ります。Aさんのイベントが重要だからそちらを助けるために補助アクションを使う、という形で進んでいきます。
昼フェイズの終了
全プレイヤーが自分のデッキが無くなった場合、昼フェイズが終了して夜フェイズになります。
イベントの条件を満たすために、例えばデッキのカードを3枚捨てる必要がある場合があるので、デッキは基本ガンガン無くなっていきます。何かのイベントを処理するために時間を費やしているというイメージですね。
夜フェイズにやること
夜フェイズにやることは3つです。
食糧の消費
キャラクター人数分の食料が必要です。最初は各プレイヤー2名からスタートしますが、途中でガンガン人は増やすことが出来ます。
人が増えると技能が上がりチーム全体の能力値が増えてイベントをこなしやすくなるのですが、その分夜に食料を消費することになります。
食糧が不足した場合はキャラクターはダメージを受けることになります。
食糧はある程度狙って行動しないと増えないので中々難しいです。
1日の試練の処理
プレイヤーは毎日何らかの試練2つに立ち向かうことになります。
シナリオによって、試練が異なります。誰しもが最初に遊ぶであろうシナリオレベル1であるAとBのモジュールを使用している場合、試練はA「住居トークン1支払う」とB「毛皮3と食料1を支払う」です。
これらを夜が来るたびに満たす必要があります。満たせなかった場合は・・・敗北条件であるドクロマーカーが溜まります。2つ共満たせなかった場合は当然2つ貯まります。
これが非常に厳しく、初プレイ時などはわけがわからず試練を全然満たせずに、3日位でドクロマーカーが6個溜まってゲームオーバーとなるでしょう。
住居トークンも作成に毛皮が必要で、兎に角大量の毛皮が必要なシナリオということになります。
次の日の準備
使用したカードを全て混ぜて山札を作成して、同じ枚数になるように各プレイヤーに配ります。これでまた各プレイヤーにデッキが作られるわけですね。
既にみたことのあるカードを再利用することになるため、これで徐々に探索デッキの中身を把握していき、立ち回りを変えていくことになります。
キャラクターカード
各プレイヤーは初期キャラクター2体持っており、探索カードで家を探索することで増やすことが可能です。
▼左下がキャラクターが持つ技能。右下がHPでドクロマークまでダメージを受けたら死亡。
このゲームのキャラクターカードは、他のゲームに比べるとやや意味が薄い気がします。
キャラクターカードには、HPと技能が描かれています。HPは何らかのアクシデントでダメージを受ける場合の受け口となり、技能は各種イベントで必要とする能力があるのでそこで参照されます。
シナリオ次第ですが、HPは思ったより減らないし、技能も道具を使うことで補うことが可能で、思ったよりキャラクターを増やすメリットは少ない気がしますね。
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 レビュー
以前から気になっていた作品「パレオ」を遂にプレイすることが出来たので記事にしてみました。
何と2021年ドイツ年間ボードゲーム大賞エキスパート部門を受賞しました。おめでとうございます。
プレイした率直な感想としては・・・ワクワクする反面難しすぎる、ですね(笑)
ロビンソンクルーソー呪われた島の冒険、のような「探索の楽しさ」と「苦しさ」が合わさったような感じになっています。システムは若干違いますが、受ける感触は凄いロビンソンクルーソーに似ていると感じます。ああいう苦しさのある探索型シナリオボードゲームが楽しめるのであれば、パレオも楽しめるでしょう。
果たしてどんなイベントが待ち構えているのかと、デッキをめくりながら毎ターンワクワクする体験は中々のものです。ただ、1日目が終了して夜になり、試練の処理をすることになったらそのワクワク感も絶望に変わるでしょう(笑)
目的はマンモスの石板を集めることで、かなりシンプルなのですが、毎日満たす必要のある試練ノルマが兎に角きついです。食料の確保とノルマ達成を狙いつつ、何とか余力でスキル強化やマンモスの石板入手を狙っていくことになります。探索の処理に失敗してしまい、毎日の試練をロクに満たせないまま時間だけが過ぎていき、ドクロマーカーがあっさり5つ溜まってゲームオーバーは良くある話です。試練失敗でドクロは1日MAX2つずつ溜まるので、初見は恐らく3日目にゲームオーバーになる人が多いと思います(笑)
能力値が兎に角重要で、折角探索カードで良い獲物に遭遇しても、能力値が足りて無くて何もできない何てことが良くあります。そしてそういう事態が続くとほぼ間違いなくゲームオーバーコースです。
このイノシシを狩るためには「攻撃」が4必要だとして、「攻撃」が3しかなくてあと1足りなくて倒せない。。。なんてことがしょっちゅう起きます。カードはランダムなのでどんな能力値の敵が出てくるのか備えることは初見だと難しいわけですね。そして探索カードはほぼ全てスキル依存で、不足していればそれだけで台無しになってしまうので、そこにイマイチコントロールが出来ない難しさがあります。
そんな処理の成否にかかわる能力値を永続的に上げるには、道具や仲間が必要で、序盤はガンガン道具の作成を行っていき、能力値を上げていくのが必須だと思いますね。このシナリオだとこの能力がこれくらい必要だというのをいわゆる死に覚えしていく感じになるでしょう。
ゲームオーバーになりつつも何度も遊ぶと、その内自分の山札がどういう効果のカードで構成されているかがわかってきます。そのためこのカードにチャレンジするのは止めておこうとか、このカードに行くと目的のものが得られるだとか、そういうことが分かってきます。そういう風に何度も死に覚えしていくゲームだと思います。
慣れたプレイヤーならどんなシナリオでもそれなりに上手く立ち回れるんだろうか。その辺は今後プレイしてのお楽しみということになりますね。
何が起きるはわからない特殊イベント(条件を満たしたら初めてめくる指示のあるカード)などもあるため、初プレイ時は使わないカードの効果はあまり見ないようにした方が良いでしょう。
探索カードは基本的なものに加えてゲームのレベル毎に使用するものを入れ替えて遊ぶようになっているため、ここがリプレイ性が高いポイントになっています。採用するカードによってプレイ感がかなり変わってくる点は、ポイントが高いですね。
全てのシナリオをクリアするまでに何度もチャレンジすることになり、一通りのクリアまでに少なくとも数十回は楽しめるでしょう。これは非常に素晴らしい。またシナリオを全てクリアしても、次はランダムにモジュールの組み合わせで遊ぶことも出来るので、かなり長く楽しめる作品になっていると思います。
ソロプレイも可能で、確かに人数が増えても減ってもデッキの総枚数は同じで、難易度はそこまで変化しないかもしれません。巣ごもり需要に1人で全シナリオを攻略するのも面白いかもしれませんね。
欠点としては、やはり初期セットアップの手順がわかりづらいという点につきますね。説明書の説明を読んでいる時に唐突に知らない名前のカードが登場したりと、なにがどうなっているのか説明書とかなり格闘しました。ここまでわかりづらいのは久しぶり…遊ぶ予定のある方はご注意ください。
個人評価:★★★★☆
パレオはこういうゲームが好きな人におすすめ
シナリオベースの探索系の協力型ボードゲームにワクワクする方なら、パレオもお勧めです。
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 内容物
- カード:222 枚
- 資材トークン:40 個
- 道具タイル:48 個
- ダメージトークン:40 個
- ドクロトークン:5 個
- 壁画タイル:5 枚
- ゲームボード:3 枚
- 墓地:1 個
- 作業台:1 個
- ダイス:2 個
- ルール説明書:1 冊
- 付録:1 冊
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 のスリーブ
パレオのスリーブは56mm x 87mmが222枚必要です。
このゲームのカードはシャッフルを繰り返すタイプで、シナリオによって使うカード使わないカードもあるため、スリーブは入れておいた方が良いように思います。
パレオ ~人類の黎明~ 完全日本語版 紹介のあとがき
以上、ボードゲーム「パレオ ~人類の黎明~」のゲーム紹介でした。
中々良く出来た協力型ボードゲームという感じで、確かにドイツ年間ボードゲーム大賞受賞というのもうなずける楽しさの作品です。
2021年の期待の新作パレオ、未プレイの方は是非プレイしてみてください。
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