今回は協力型ボードゲームの金字塔とも言えるボードゲーム「パンデミック」の全拡張と全シリーズの紹介をしていきます。
パンデミックは、2008年に発売されましたが、その後ロングセラーのビッグヒットボードゲームの1つとなり、発売10年以上経った今なお、拡張や亜種などが沢山出ています。
今回はそんなパンデミックシリーズの拡張をまとめていきたいと思います。
ボードゲームのパンデミックにどのような拡張やシリーズがあるか確認したい方はチェックしてみてください。予想以上に多くて驚くと思います(笑)
▼パンデミックとスターウォーズのコラボ作品が新発売。パンデミックシステムを取り入れた作品
ボードゲーム:パンデミックとは?
そもそもパンデミックを知らない方のために、どんなゲームか最初に概要を紹介しておきますと、
『パンデミック』は2008年にZ-man Gamesより発売されたボードゲームで、世界中に広がる4種類のウィルスの除去を目的としたボードゲームです。
4種類のウィルスのワクチンを発見したらプレイヤーの勝ち、世界中にウィルスが広がりすぎたらプレイヤーの負け、という目的はシンプルなボードゲームです。
プレイヤーは全員味方同士で、協力しながらゲームのAIと戦うという「協力型」というシステムが大きな特徴です。他にも「協力型」ボードゲームはあったかもしれませんが、一大ジャンルとして「協力型」というジャンルを築いたのは、このパンデミックだといっても過言ではないでしょう。
▼世界中の都市が記されたこのマップがゲームの舞台
プレイヤー同士が競い合わないのでプレイヤー間の勝った負けたは無く、プレイヤーは一体になってクリアの達成感を味わうことが出来ます。このパンデミック以降協力型ボードゲームは非常に増えたと思います。
「パンデミック」は、2009年のドイツ年間ゲーム大賞のノミネート作品でしたが、同じく「デッキ構築」という一大ジャンルを築いた超優秀なボードゲーム「ドミニオン」が同時期に出てしまい、惜しくもドイツ年間ゲーム賞受賞とはなりませんでした。
もしドミニオンが発売された年が一年前後していたなら、2009年のドイツ年間ゲーム賞は、まず間違いなくこの「パンデミック」が受賞していたでしょう。それくらい完成度の高い非常に面白いボードゲームです。
ちなみにドイツ年間ゲーム大賞の最終ノミネートにまで選ばれても受賞ロゴを箱に印字することが出来るのですが、パンデミックはそれをやっていません。受賞ロゴを印字しなくても売れるという確信があるからなのか、大賞受賞できなかったプライドからか、、、何れにせよパンデミックはそんなものに頼らずとも売れまくっている、抜群の知名度を誇る作品ということです。
パンデミックの基本セットと拡張シリーズ
ここからはパンデミックの基本セットとその拡張を紹介していきます。
オリジナルのパンデミックと、そのパンデミックの基本セットと合わせて遊べる拡張群の紹介です。
パンデミックを遊ぶのであればまずはここから始めるのが良いでしょう。
パンデミック:新たなる試練(基本セット)
オリジナルの「パンデミック」の基本セットです。
ボードゲームが好きなら、1度はプレイした方が良い、「カタン」や「カルカソンヌ」のような非常に基本的なボードゲームの1つだと思っています(笑)。
先ほど紹介した通り「協力型」という、プレイヤーが全員協力しつつ、ゲームのシステムが相手というジャンルを築き上げた作品です。プレイヤー同士で一体感が味わえます。
作者のマットリーコックさんの名は、この作品で世に広まったといっても過言ではないでしょう。
このパンデミック基本セットは、ボードゲームのシステムとして非常に良くできていて完成度が高く、この作品以降、似たようなシステムを搭載した大量のパンデミック亜種作品が、世に出てくることになります。
2008年に発売されたやや古めかしい見た目の初版は絶版となり、現在はリニューアルバージョンとしてバランス調整やイラストが調整されたものが出ています。ホビージャパンさんから出ている「パンデミック:新たなる試練」がそのパンデミック基本セットのリニューアルバージョンです。
今から購入するならこの「パンデミック:新たなる試練」一択でしょう。
文句なしにお勧めです。これが楽しめなければ他のパンデミックシリーズを楽しむのはやや難しいと思います。
総合評価:★★★★★★★★★★(10点満点)
パンデミック拡張1:迫りくる危機
パンデミックの基本セットのルールを拡張するセットの第一弾です。
以下の3つのオプションルールが追加されます。
- 猛毒株:ウィルスの1つが猛毒株になります。エピデミック時に追加の被害が発生するようになります。
- 変異株:特定の条件で発生して拡大していく、5つめの紫色のウィルスが登場します。
- バイオテロリスト:紫のウィルスをバラまいてプレイヤーの邪魔をする、バイオテロリストプレイヤーが登場します。
「猛毒株」は、シンプルに難易度を更に上げるためのルールです。「アウトブレークマーカーが余分に進む」「ウィルスが未根絶に戻る」など純粋なバッド効果で苦しめてきます。
「変異株」も難易度を上げるルールですが、5つめの紫ウィルスが登場し、それの治療をしていく必要があるのが特徴です。見た目はヤバそうですが、拡散方法は他の4種と比べると控えめになっており、程よく難易度が上昇します。
「バイオテロリスト」は、この拡張で最も特殊な追加ルールです。1人がバイオテロリストとして敵側になる、非対称の協力型ゲームになります。バイオテロリストは現在地を隠しながら、ウィルスをバラまいたり拠点を破壊したりプレイヤーの邪魔をしていきます。
バイオテロリストの現在地を特定した場合、プレイヤーはテロリストを確保することも出来ます。完全にスコットランドヤードのシステムを取り込んだ作りになっています。
どのルールも面白いですが、「バイオテロリスト」ルールは特に中々面白くできており、おすすめです。
また、このセットには新職業が6種や追加のイベントカードも多数入っており、それらを使うだけでも新鮮なパンデミックを楽しむことができます。
パンデミックが面白いと思ったらまずはこの拡張から入るのが良いでしょう。
総合評価:★★★★★★★★★☆(9点)
パンデミック拡張2:科学の砦
パンデミックの基本セットを拡張するセットの第二弾です。
以下の特徴があります。
- ソロプレイルール:純粋な1人1キャラプレイが可能で、毎ターンNPCから支援が入ってきます。
- チーム戦:2人1組でワクチンを作成して、ウィルスを根絶を競い合うルールです。
- 研究所チャレンジ:ワクチン生成方法が複雑になり、生成するための特殊なミニゲームが必要になります。
「ソロプレイルール」は、その名の通り、1人で遊べるようになるルールです。通常パンデミックを1人で遊ぼうとする場合、1人で2キャラクター以上を操作してソロプレイすると思いますが、このルールを入れると、1人1キャラクターで遊ぶことが出来ます。
CDC(アメリカ疾病予防センター)が、毎ターンプレイヤーのアクション完了後に、「コマ移動」「職業変更」「カード交換」「カードドロー」などの、援助をしてくれるようになります。
キャラクターは1体のため行動範囲は狭くなりますが、ウィルスの拡大もその分遅くなるためバランスは全然問題なく、中々面白い良くできたルールになっています。
「チーム戦」は、パンデミックのウィルス根絶に如何に貢献したかを競う、協力対戦型のルールです。各チーム秘密裏の目標を持っており、例えば「沢山根絶させる」とか「最速でワクチンを見つける」とか、それらを目指して各チーム立ち回ることになります。最大6人まで遊ぶことが出来ます。
パンデミックは、ウィルス撲滅が本来の目的ですが、それに裏目的が付くことで微妙にプレイヤーの行動がかみ合わなくなる点が面白いところです。
「研究所チャレンジ」は、これまでは、都市カード5枚で生成していたワクチンが、ウィルスの特徴の発見⇒配列研究⇒治験を経て、ようやくワクチンが生成されるようになります。
ワクチン生成自体がミニゲームのような形になり、それなりに頭を使わないとワクチンが作成できないようになり、難易度は上昇します。
この拡張にも追加職業が4種類登場します。「現場ディレクター」とか最早ウィルス対策とは全然関係がない、一体何しにパンデミックの世界に登場したのかわからない職業も登場します(笑)。
1人プレイや6人プレイなどプレイ人数を拡張したい人はこの拡張を導入するのが良いでしょう。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック拡張3:緊急事態宣言
パンデミックの基本セットを拡張するセットの第二弾です。
以下の特徴があります。
- 検疫:ウィルスを防ぐための予防コマを配置するルール
- 緊急事態チャレンジ:バッドイベントが発生するようになるルール
- 遠隔地チャレンジ:マップに4か所の僻地が追加され、そこでウィルスが発生するようになるルール
- スーパーバグチャレンジ:ワクチンに耐性を持つ強力なウィルスが発生するようになるルール
「検疫」ルールは、検疫マーカーを1つ都市に配置することが出来て、その場合ウィルスが発生しても検疫マーカーと相殺されるようになります。
これはかなり良いルールで、基本セットのルールだと、たまに何もやることがなく、1アクションを無駄にすることがあったのですが、このルールを入れるととりあえず検疫マーカー置いておく、ということが出来るようになります。
危ない都市に1つ置いておくだけで無駄になり、更に戦略的に立ち回れるようになります。このルールはこれ以降の各種パンデミックシリーズでも頻繁に採用されており、如何にバランスの良いルールだったかがわかります。
「緊急事態チャレンジ」は、イベントカードのように「バッドイベントカード」が山札に入ってきます。これを引くと例えば「手札が6枚に制限される」とか「都市カードの下から1枚引いてそこにウィルスが突然3個発生」とか、ろくなことが起きません(笑)。
基本的には難易度の高めるための追加ルールという位置づけで、パンデミックにかなり慣れてきた人が入れると楽しめると思います。
「遠隔地チャレンジ」は、各ウィルスに対応した「遠隔地」のタイルが追加でボードに接続されます。
この遠隔地は、ダイスロールによりウィルスが増えていきます。それぞれいくつかの都市と繋がっている扱いのため、アウトブレークした場合それらの都市に広がりますし、逆にそれらの都市から遠隔地に入って、ウィルスを取り除くことも出来ます。
また、デメリットばかりではなく、遠隔地ではその色のカードをプレイヤー間で交換できるようになるため、交換しやすくなるというメリットもあるルールになっています。
「スーパーバグチャレンジ」は、超高難易度のルールでパンデミック基本セット内では最高レベルの難易度になります。
独自ルールで拡大していく5つ目の紫ウィルスが登場しますが、これは通常のウィルス除去アクションでは取り除けません。追加の検疫ルールで拡大を防ぐことしかできません。
特定条件で、紫ウィルスを除去するためのワクチンとワクチン工場を作成することが出来て、そのワクチン1個を消費して、紫ウィルスを除去していくことになります。
通常のルールに加えて、紫ウィルスの根絶も目標になります。
追加職業も5種類追加されます。検疫マーカーやスーパーバグルールなどこの拡張ルールに特化した職業も入っています。
パンデミックをかなりやりこんできて、更にパンデミックの難易度を上げてプレイしたい人におすすめです。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック10周年記念版
パンデミックは2008年に発売されましたが、10周年を記念して豪華版が2018年に発売されました。日本語版もホビージャパンさんから出ています。
10周年版ということで中々良いお値段しますが、コンポーネントは全て豪華な作りになっており、ファンにはたまらないものになっています。
注意点としては、ルールは基本セットと全く同じですが、コンポーネントがオリジナルになっているため、拡張を混ぜて遊ぶ想定にはなっていません。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック:レガシーシリーズ
パンデミックレガシーシリーズは、物理的に1度しか遊べないレガシーシステムが搭載されたシリーズです。
一度きりのサプライズ含めてこのゲームの面白さなので、ネタバレは厳禁ですし、ネタバレは控えて紹介していきます。
世界的に評価の高い非常に面白いシリーズで、いつかプレイするかもしれないと考えて、ネタバレ情報は調べないようにした方が良いでしょう。
パンデミック:レガシー シーズン1
BGGのランキングでも2位と、世界的に非常に評価の高い、パンデミックレガシーシリーズの第一弾です。
独立セットなのでこれ単体で遊べます。
全てのレガシーシリーズに大体共通していますが、特徴は以下の通りです。
- 基本ルールはパンデミックと大体同じ
- 通常のパンデミック+シナリオ
- 単体で遊べる独立型セット
- 全12~24回プレイでクリア
- 物理的に1度しか遊べない
ゲーム開始時は、何やら怪しい未開封のコンポーネントが大量に手元にある状態ですが、基本セットとほぼ同じルールで開始され、普通に進んでいきます。
これ以上はネタバレになるので言えません(笑)。これは酷い。予想以上の展開に驚くこと間違いなし。
基本セットのシステムに、ある種の物語とシナリオが合わさったような作品です。1年12か月をプレイするのですが、1度失敗すると同じ月を2回プレイすることになります。2度失敗してしまうと強制的に次の月に移行します。なので最大24か月プレイすることになります。
あの手この手でゲームの難易度はガンガン上がっていきますが、プレイヤーの能力も同じようにガンガン上がっていく、成長が楽しめる仕組みになっています。
このゲームの難易度は決して低くなく、それなりに激しいことになるので、1年で数回は失敗すると思います。1ゲーム1時間だとすれば、合計で15時間以上はプレイすることになりますが、非常に密度の濃い濃厚なゲームを楽しむことが出来ます。
コンテンツを解放させたり、シールを貼ったり、書き込んだりと、1度しか遊べない作りになっています。2度目でも遊べるように、コンポーネントの破損を回避して遊ぶのはかなり難しいですし、そのようにプレイすると絶対に面白さが激減するので、素直に指示通りに遊びましょう。最初は抵抗あると思いますが、値段以上の価値のあるゲームです。
ベストは恐らく4人ですが、1~3人でも楽しめると思います。ただ、職業を沢山使うためにも4キャラクタープレイが推奨です。
青箱と赤箱の2つが用意されていますが、これらは外見が違うだけで中身は同じです。私は青しか持っていませんが、赤も内容物は同じだと説明されています。
レガシーシリーズを遊ぶのであれば、この1から遊ぶことを推奨します。
総合評価:★★★★★★★★★★(10点満点)
パンデミック:レガシー シーズン2
1度しか遊べない不可逆なパンデミックレガシーシリーズの第二弾です。
基本的な特徴は、パンデミックレガシーのシーズン1と全く同じです。
ただ、シーズン2になって舞台はガラッと変更になっています。シーズン1でウィルスの脅威から世界は救われた!に見えたが、実は再度汚染が発生され人々は隔離施設で暮らしており・・・といった映画の続編のような扱いになっています(笑)。
「ターミネーター」や「バイオハザード」の映画が続いているようなそんな感じですね。ハッピーエンドで終わったのにやっぱり脅威は続いてました的な。
ということで本作は「ウィルスから隔離された海上都市」からスタートすることになり、これまでのパンデミックシリーズの世界地図とは大きく異なります。流石に基本セットの世界地図ばかりだとマンネリ化しちゃいますからね。
また、海上都市にいたら突如地上からの連絡が途絶えた、ということで、地上が一体どうなっているかを探索していくというテーマのため、未開拓地域だらけの世界を探索していくドキドキ要素が満載です。
そのためプレイヤーキャラクターは、世界を泥臭く探索するメンバーのため、基本セットの箱絵の中央にいるような白衣の科学者などは出てきません。
非常に面白い作品でおすすめですが、個人的には先にやるならシーズン1かなという感じです。
このシリーズも黄色と黒色の2種類ありますが、どちらも内容物は同じです。シーズン1の2色と合わせると1つの形になるようになっています。
総合評価:★★★★★★★★★★(10点満点)
パンデミック:レガシー シーズン0
1度しか遊べない不可逆なパンデミックレガシーシリーズの第二弾です。
これまた基本的な特徴は、パンデミックレガシーのシーズン1と全く同じです。
これまた映画などでよくあるタイトル「ZERO」ということで、今の世界観より一昔前の冷戦時代をテーマにした、これまでのシリーズの前日譚という扱いの作品です。
レガシーシリーズは、3作品が何れもテイストが全然違うため、シリーズを何度遊んでも飽きさせない作りになっているのが良いですね。
この作品からパンデミックレガシーシリーズに入っても全然問題ないですが、無理に年代順だからといってこの作品から遊ぶ必要はなく、最初にレガシーシリーズをやるならオーソドックスなパンデミックベースである「パンデミックレガシーシーズン1」が良い気がしますね。
総合評価:★★★★★★★★★★(10点満点)
パンデミック:リミテッドエディション
パンデミック:リミテッドエディションシリーズは、ホビージャパンさんから製造数量限定で発売されているシリーズです。
リミテッドエディションの名前の通り、再販予定がない作りきりということらしく、在庫がなくなったらプレ値化する可能性が高いです。
何れもヨーロッパの特定の時代をテーマにした作品になってます。
パンデミック:イベリア
ヨーロッパのイベリア半島を舞台にしたパンデミックです。
イベリア半島はフランスの南西、つまり現在の「スペイン」と「ポルトガル」のある半島のことをさします。
19世紀のイベリア半島が舞台のため、飛行機やワクチンなどは存在せず、移動手段も鉄道と船がメインだったり、当時の状況に合わせた作りになっています。
以下のような特徴があります。
- 浄化:ウィルス配置時に身代わりになる予防トークン。
- 移動:チャーター便など一気に移動する手段がありません。
- 拠点:各色1つしか拠点は建てられません。
- 根絶:ワクチンが無いので根絶が出来ません。
- 職業:今風の職業はなく、若干古めかしい職業になっています。
基本セットに比べると、簡単に出来ていたことが制約がついて出来なくなり、かなり難易度は上がっています。
移動手段も、飛行機がない時代なので、線路を敷設することで、移動可能にする必要があります。
更に追加のオプションルールが入っています。
- 病人移動:各ターンウィルスが移動するようになります
- 実在した疫病:各色のウィルスに特殊能力が付きます。黒は「マラリア」でウィルスが無い都市にはウィルス2つ置かれる、など。
最初からミニ拡張が入っているような感じですね。慣れてくるとこれらを入れて難易度調整することが出来ます。
久しぶりに遊んでみたところ、記憶していた以上に楽しく遊べました。パンデミック基本セットも面白いですが、こちらの方がよりバランス取れて面白いと思えたくらいです。なので評価点を少し上げました。
浄化トークンを置ける仕組みと移動のための敷設の仕組みが、基本セットと違ってかつクリアのためには必須なので新鮮に頭を使えて楽しいですね。
総合評価:★★★★★★★★★☆(9点)
パンデミック:ライジングタイド
ライジングタイドとは高潮のことを言います。
オランダは海抜ゼロメートルの国と呼ばれており、国中が海抜が低く、地球温暖化の水位上昇で世界で最も水害に悩まされている国の1つです。町中に水路が張り巡らされています。
このパンデミック:ライジングタイドは、そんなオランダの水害との戦いをテーマにしたボードゲームになっています。珍しくウィルスとの戦いではないわけですね。
今作での「ウィルス」に該当するものは「水」なのですが、堤防を建てることで水の侵入を防ぎ、ポンプを作って水を排除し、水害で国が壊滅する前に、4色の都市に水害対策用の特殊建築物を建築することを目指します。
ボードゲーム関係ないですが、オランダのアムステルダムは町中に水路が張り巡らされており、ものすごく美しい街並みでした。
総合評価:★★★★★★★☆☆☆(7点)
パンデミック:ローマの落日
大ローマ帝国が栄えてていた時代をテーマにした作品で、ローマ帝国が周辺の国に侵略されている状態でその侵略を防いでいくのが目的のゲームです。
ウィルス除去に該当するのが、敵兵との戦闘ですが、成否判定がダイスロールになっている点がこれまでのパンデミックシリーズとは大きく異なる点でしょうか。このランダム性を楽しいと感じるかもどかしく感じるかは人それぞれだと思います。1手で勝敗が決まるパンデミックにおいてランダム性を持たせてしまうと、簡単に計画崩れちゃいますからね。。。
難易度は高いですが、これまでのパンデミックとは違ったプレイ感が楽しめる作品になっています。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック:ホットゾーン
パンデミック基本セットを軽量化した、ホットゾーンシリーズです。
プレイ時間やサイズは半分程度になりましたが、内容はしっかりパンデミックになっています。
チケットトゥライドに計量版が出ているように、名作は計量版が出ることが多いですね。
パンデミック:ホットゾーン 北アメリカ
日本で発売されているホットゾーンシリーズ第一弾がこちら「北アメリカ」です。
ウィルスの数は3つになり、マップも北アメリカ限定と、非常にコンパクトで持ち運びやすい作りになっていますが、内容はしっかりパンデミックになっていて、パンデミックの楽しさを堪能できます。
ただ、コンパクトさ以外に特徴が無いのが、やや残念なのところかもしれません。
日本で思ったより売れなかったのか、海外では続編が出ていますが、日本語版はこのパンデミックホットゾーン:北アメリカ、しか発売されていません。
まぁ、、、内容は完全にパンデミックそのものなので、これ買うなら基本セット買うし、基本セット持ってるなら中々買おうってならないよなあと個人的には思います(笑)。チケットトゥライド:ニューヨークのように、原作2時間のゲームを15分で終わるようにしたままプレイ時間が同じ、とかならわかりますが、本作は60分のゲームが45分になったくらいですしね(笑)。
面白さはパンデミック同等でしたが、やはりやや残念な感じです。
総合評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点)
パンデミック:亜種
ここから紹介するのはパンデミックシリーズ亜種です。
「パンデミック」の名前を冠しているが、やや毛色の異なるパンデミックシリーズを紹介します。
パンデミックカードゲーム:接触感染
パンデミックがカードゲームになりました。
何と、プレイヤーはウィルスサイドになって、人類の都市にウィルスをバラまいていくことになります(笑)。
毎ターンウィルスの能力を向上させていき、より多くの都市に感染を拡大出来たプレイヤーの勝ち。
携帯性は良いですが、パンデミックというフレイバーのかなりの別ゲーで、パンデミックだと思って遊ぶとなんか違うぞってなるかもしれません。
総合評価:★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
パンデミックダイスゲーム:完全治療
パンデミックがダイスゲームになりました。
過去のパンデミックのアクション「ウィルス除去」「ワクチン生成」「ウィルス増加」など全てがダイスで表現されます。
職業毎にダイスの特徴が違い、これまで以上に職業ごとの特徴が出ます。
基本セットとゲームシステムは全然違いますが、普通にパンデミックシリーズの名にふさわしい出来になっており、かなり人気の作品です。これは良くできていて普通に面白くておすすめ。
ただ、長らく再販されておらず今は品薄状態になっています。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック:迅速対応
パンデミックがリアルタイムゲームになりました。
舞台は巨大航空機の中。砂時計の砂が尽きる前に制限時間内に協力しながら、ダイスロールして物資を生産して、世界中で疲弊している地域に投下していく、というフレイバーの作品。
デザイナーはパンデミックのマットリーコックさんではなく、過去のシリーズと比べるとパンデミックの名を冠したかなりの別ゲームになっています。
リアルタイム系ボードゲームは疲れますが中々新鮮なプレイ感なので、リアルタイム系ゲームを遊びたいならおすすめです。
総合評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点)
パンデミック:クトゥルフの呼び声
クトゥルフ神話をパンデミックと混ぜた作品です。こんな感じでパンデミックは非常に応用が利くナイスなシステムになっています。
このゲームでは「ウィルス」ではなく「クトゥルフ信者」が増殖していきます。エピデミックでショゴスが現れたりします。アウトブレークに該当する、オールドワンが目覚めていくと、マップ上に特殊な良くない効果が発動していきます。
装備や能力や正気度などは、このクトゥルフ作品ならではの要素となっていて、色物かと思いきや思った以上に楽しめて中々おすすめの作品になっています。
総合評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パンデミック:スターウォーズ・クローンウォーズ
何とパンデミックとスターウォーズがコラボした作品が登場です。こういう原作ありきの作品は版権の問題で発売が難しいものが多いですが無事に発売となりました。
システムとしてはパンデミックチックになっていますが、原作ありきでジェダイの戦いを主眼に置いていて、プレイヤーはジェダイの1人としてドロイド軍団と戦うことになります。シリーズには珍しくシナリオ性となっていて、全4シナリオのクリアを目指すことになります。
マスターヨーダやアナキンスカイウォーカーなど様々な特殊能力を持つジェダイを使って戦うことになり。雰囲気大事にフィギュアも大量に同梱されていて、スターウォーズ好きには溜まらない作品に仕上がっていました。
プレイ記事をその内作成予定です。
総合評価:★★★★★★★★★☆(9点)
おわりに
パンデミックの全シリーズと拡張の紹介でした。
何度も書いてしまいますが、パンデミックシリーズは、どの作品も安定して外れ無しの優秀な出来になっています。
10年以上未だに最新のシリーズが出続けているのは、如何にこのゲームが面白くまた世界中で愛されているかということです。
名作ボードゲームの1つパンデミック、気になる方はチェックしてみてください。
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