今回はボードゲーム「スカイガーデン」のゲーム内容を紹介していきます。
「スカイガーデン」は、前回紹介した「アクアガーデン」シリーズの続編になっています。
ガーデンシリーズ3部作の2作目のタイトルになっており、名前の通り「空」をテーマにしたボードゲームになっています。
ガーデン3部作は、2025年9月中頃にキックスターター開始予定とのことです。
本記事の紹介内容は、最終製品版とは仕様が異なる可能性がある点ご注意ください。
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スカイガーデン:基本情報

デザイン | システム:戸塚中央 デベロップメント:松山太郎 ルールライト:ぬん アートワーク:浅野竜希、香月幸子 ロゴデザイン:CHAI |
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プレイ時間 | 60~90分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 15歳以上 |
日本語版販売 | 株式会社うちばこや |
日本語版発売日 | 2025年9月クラウドファンディング開始予定 |
関連サイト | >> ガーデン3部作まとめて読める記事 >> ガーデン3部作 事前登録ページ |
そうだ、鳥類園をつくろう
ある日、急に思い立ったあなたは、町に鳥類園をオープンしました。
鳥類園を立派にするためには、やることがいっぱい。まずは鳥が必要です。メインボードをよく見て回ったり、森を探してみたりしましょう。広告にも力を入れて、お客さんを沢山集めたいところですね。
そして何よりも大変なのは、鳥たちの幸せと繁殖を意識しながら、6つのエリアへと鳥を入れていくという重労働。これをお願いできる従業員が、たった一人しかいないなんて!
どうやら町のあちこちで、同じように鳥類園が作られた様子。あなたの鳥類園は、町で一番の評判を手に入れることが出来るのでしょうか!
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スカイガーデンの特徴、アクアガーデンとの違い
スカイガーデンの特徴を、主に1作目アクアガーデンとの違いから説明します。
スカイガーデンとアクアガーデンの共通点
- コマの獲得方法
- コマの配置方法
- セットコレクション
- タイムトラック
- など
面白さの根幹であるベースのシステムは、アクアガーデンを踏襲したものになっています。
後方のプレイヤーが手番となり、オーナー駒を移動させて移動先のコマを獲得して、従業員コマを移動させて、園内の6つのエリアの1つに配置していく。
この流れはシリーズを通して共通となっています。
アクアガーデンを遊んだことのある方であれば、かなりすんなりとスカイガーデンのルールを理解できるでしょう。
▼基本的なルールはアクアガーデンの紹介記事を参照ください。

スカイガーデンとアクアガーデンの違い
スカイガーデンとアクアガーデンは根幹のシステムは同じですが、それぞれの作品に特徴があります。
そのためスカイガーデンはアクアガーデンとはかなり異なったプレイ感になっています。
- 鳥類がテーマ
- 繁殖システム搭載
- マイルストーンとボーナスの違い
- 布袋に入れて引くのはチップになりました
- イベントカードの違い
- 海藻の代わりに湖と木
- 第7のエリア
- 特殊鳥類コマ
- 勝利点の計算
- など
鳥類がテーマ

前作「アクアガーデン」と違い今作は「スカイガーデン」つまり、鳥類をテーマにしています。
アクアガーデンも非常に可愛い魚類コマでしたが、本作も非常に可愛い鳥類コマが山盛りで登場します。
全部かわいいです。
繁殖システム搭載

本作スカイガーデンの最も大きな特徴が「繁殖」のシステムです。
鳥が卵を産むことで大きな勝利点獲得のチャンスがあります。
▼繁殖に使用される「巣」タイル。

各エリアにはこの「巣」を「2金」払えば配置することが出来ます。
アクアガーデンの「海藻」や「サンゴ」と同じ扱いです。
▼巣が置かれているエリア。巣は1エリアに1つまで。

アクアガーデン同様に、オーナー駒を移動させてコマを獲得し、従業員コマを移動させて各エリアに鳥類コマを置いていきますが、スカイガーデンでは同じエリアに同じ種類の鳥類コマを2個置くことで、それらを繁殖させることが出来ます。
▼同じ種類の鳥コマを2つ同じエリアの巣の上に配置することで繁殖の準備OK

上記の画像では「メジロ」と「タカ」がそれぞれ2匹ずつ巣の上につがいで乗っています。
これで準備はOKです。
▼「巣」のアイコンのあるマスに止まったら鳥が「繁殖」。

何時でも繁殖するわけではなく繁殖のタイミングは限られており、オーナー駒が「繁殖」のアイコンのあるマスに止まった時のみ「繁殖」します。
3人プレイでは4か所、4人プレイでは5カ所に「繁殖」のアイコンが存在します。
マスのコマは欲しく無いが繁殖させたいのでそのマスに止まりたい、、、といった悩ましさがさらに増えることになりますね。
▼各プレイヤー巣箱を1つずつ持っています。

繁殖に成功するとそれらの鳥は卵を産みます。
▼繁殖した鳥のアイコンに卵トークンを配置します(メジロとタカに配置)。

これで繁殖アクションは完了です。
▼もし既に巣箱に卵が置かれていた場合、置けなかった卵の数分だけ自分のボードの卵トラックを進めます。

既に「メジロ」「タカ」に卵が置かれていた場合、再度「メジロ」「タカ」を繁殖させると上記のように卵トラックが2マス進みます。
この卵は、最終的に「卵トラックの進度」×「巣箱内の卵の数」の勝利点となります。例えば、5種類の鳥の卵を産んでいて、卵トラックが6まで進んでいれば5×6=30点という大きな勝利点になります。
繁殖にはそこそこ準備が必要ですが、沢山の種類の鳥を何度も繁殖させることで、最終的に非常に大きな勝利点になるわけですね。
マイルストンとボーナスの違い

アクアガーデンはマイルストーンカード4枚がプレイヤー共通目標で早取り要素でしたが、スカイガーデンのマイルストンは、プレイごとにランダムな9種類が用意されるようになりました。
数が多いというのもあり、個々のマイルストンはそれなりに達成しやすいものになっています。

マイルストンを達成する度に自分のキューブをそこに配置してマイルストン達成の証とします。
マイルストン達成は特に先勝ちではなく、全プレイヤーが共通で達成して得点獲得が可能な目標となっています。

達成するごとに自分のボードからキューブを除いてマイルストンボードに配置していきます。
ボードに記載されている通りで、マイルストンは1個3点になっていて、MAX9個で27点になります。
ここの達成状況もゲーム終了時の得点となります。

縦横の1列のマイルストンを達成すると、そこの列のボーナスがもらえます。
上記画像だとボーナスとして「4金」がもらえます。
このマイルストンの一列達成は早取り要素となっています。その列をビンゴした最初の1人だけが大きなボーナスを獲得でき、2人目からは達成ボーナスが劣化します。
袋に入れて引くのはチップになりました。

アクアガーデンでは、布袋に魚コマを直接入れて引いて、それをギャラリーボード上に配置していました。
スカイガーデンでは、あらかじめ決められた種類のチップを布袋に入れて、そこから引いてメインボード上に並べるようになりました。
これにより、布袋から引く際に手触りでコマが気になることが無くなりました。
また、アクアガーデンでは全ラウンドで使用する全コマを袋に入れてそこから引くため、最初のラウンドに大物魚が出尽くしたりと出方に偏りがありましたが、スカイガーデンでは各ラウンドで全く同じチップを使うため、毎ラウンドのコマの出現率のばらつきが少なくなることになりました。
イベントカードの違い

定期的な収入源である「イベント」ですが、アクアガーデンと違い得られるのはMAX3金までとなりました。
また、達成状況に応じてゲーム終了時に勝利点が入ることになりました。
このため、餌やりイベントで大量のお金を獲得することも可能だったアクアガーデンと違い、スカイガーデンはお金獲得が若干シビアになった印象があります。
周りでプレイした方も同じようにスカイガーデンはお金がシビアという意見が多く、もしかするとこの辺バランスは今後調整されていくのかもしれません。
海藻の代わりに湖と木

アクアガーデンは、2金で「海藻」を買って配置することで、エリアの容量を+2することが出来ました。
スカイガーデンでは、2金で「樹木」を植えるか「湖」を作ることが出来ます(各エリアどちらか片方のみ)。
どちらも効果としては「海藻」同様にエリアの容量を+2してくれるのと同時に、スカイガーデンでは各鳥コマにボーナス得点を与えてくれるようになります。
例えば、ハクチョウは1個3点ですが、ハクチョウのエリアに湖があると更に+2点になります。「湖」が良いか「樹木」が良いかは鳥によって異なるため、エリアをどちらにするかは悩ましい選択になっています。

また、各プレイヤー毎に最初から6つのエリアの1つに「巣」と「樹木」もしくは「湖」が置かれるようになりました。
配置場所はそのプレイヤーに配られた「初期配置カード」に依存します。
第7のエリア

フリーアクションとして、4金支払うことで7つ目のエリアを購入することが出来ます。
このエリアの特徴は以下
- 常に従業員コマと接している扱いになる
- 湖か樹木どちらか好きな方が最初から付いている
- 3勝利点
強力なエリアなのは間違いないですが、先述の通りスカイガーデンはお金が結構シビアのため、このエリアを入手するまで手が回るかはプレイヤーのプレイ次第というところでしょう。
特殊鳥類コマ

アクアガーデンでは上級者向けの選択ルールだった「特殊コマ」ですが、スカイガーデンではデフォルトのルールとして入っています。
青い宣伝マスに入った際に、宣伝ではなくこちらの特殊コマを購入することが出来ます。
3種のコマはそれぞれ必要な金額とサイズが書かれています。
何れも条件を満たすと大きめの勝利点に繋がりますが、巣の価格を2金⇒1金に安くするなど、半永続的な特殊能力を得られる鳥も登場します。
巣や湖の購入費用が半額になるため強いですが、序盤にお金ではなく特殊コマを買うという選択が必要で、無邪気に購入すればよいというものでもありません。
勝利点の計算
勝利点は以下の7つから得ることになります。
- 基本的な鳥類コマ:各鳥類の得点に従う
- 特殊な鳥類コマ:カードに書かれた得点
- 卵:卵トークンの数×卵トラックの進度
- マイルストーン:達成1個3点
- イベントカード:達成率に応じて得点
- 待機トラック:先に戻った方が得点多
- 追加エリアタイル:持っていたら3点

基本的な鳥類からの点数は、コマ単体からの単純な得点だけではなく、生息地の状況によって+のボーナス点が入るようになりました。
鳥類コマ、卵、マイルストン、あたりがスカイガーデンの高得点源となっています。
これらの勝利点を合計して最も得点の多いプレイヤーの勝ちとなります。
お疲れ様でした。
スカイガーデンのレビュー
スカイガーデンを実際に遊んでみたレビューになります。
アクアガーデンとは似て非なる面白さ

スカイガーデンはベースシステムはアクアガーデンと同様で「タイムトラック」+「セットコレクション」となっています。
トラックが後ろのプレイヤーから手番が来て、コマを好きなマスだけ移動させて鳥コマを得て、園内に配置してセットコレクションして勝利点を稼いでいく。
ここの根幹のシステムは元々良くできていて面白く、それはそのままガーデンシリーズの特徴として本作にも搭載されています。
一方でアクアガーデンから追加・変更されている部分は多く、プレイ体験は異なる楽しさになっています。
どちらも良さがあるため、どの作品が好みかは人それぞれかもしれません。
個人的にはスカイガーデンめっちゃ面白くて好きです。
大型得点で戦略の選択肢が増えて更に悩ましく面白い

本作最大の特徴である「繁殖」による「卵」勝利点ですが、「繁殖」の選択肢が増えたことでやりたいことが増え、結果プレイ中の悩ましさが更に増しました。
「繁殖」は莫大な勝利点をもたらすポテンシャルを秘めていますが、繁殖のための準備はそれなりに必要ですし、期待通りに繁殖が進められるかはプレイヤーの立ち回りとある程度の運も必要です。
スカイガーデンの調整が上手いと思うのは、この「卵」勝利点には非常に大きな得点をもたらすポテンシャルはあるのですが、「卵」勝利点を狙わなくてもそこそこ勝てる点です。
アクアガーデン同様に、通常コマからの勝利点がかなり大きいため、無理に卵勝利点を狙わなくても十分に戦えるわけです。その一方で卵勝利点を上手く活用して稼ぐことが出来れば、更に勝利点を上乗せして稼ぐことが出来ます。
卵勝利点を無視して進めるか、卵勝利点に特化して進めるか、卵勝利点はオマケ位で進めるか。繁殖のシステムが良い感じにプレイに幅を持たせてくれています。
新たなマイルストンも最大27点となる大きな勝利点要素で、更に達成ボーナスも得られるため無視できない要素になっています。9個あるマイルストンは個々は達成が容易のため、ある程度狙っていかないと他プレイヤーに点数差を付けられてしまいます。
アクアガーデンから元々プレイに取捨選択が必要で悩ましさがあるゲームなのですが、スカイガーデンでは選択肢が増えたことから更に悩ましく面白くなっています。
アクアガーデンよりやや複雑度増
スカイガーデンは、システム的に選択肢が増えたことでアクアガーデンより多少複雑度が上がっている方向になっています。
アクアガーデンで選択式だった特殊コマも、スカイガーデンでは標準ルールとして搭載されています。
ただ、基本的なルールはほぼ同じため、そこまで劇的な難易度増というわけではありません。
資金繰りがやや難しく
前述した通り、得られるお金の量はアクアガーデンよりシビアで、やや資金繰りが難しくなったと感じます。
逆にアクアガーデンは資金がそれなりに潤沢に得られるため、そこが差異になっています。
資金はコマの購入やエリア拡張に重要ですが、資金がありすぎると好きに出来過ぎてしまうため、そこはバランスが難しいところに思います。
資金が潤沢が良いのかカツカツが良いのか、一長一短だと思いますが、最終的にどういう調整されるか次第というところかと思います。
変わらず最高に可愛いコンポーネント
コンポーネントの可愛さは最早言うまでもありませんね。
あらゆるコンポーネントが魅力的で所有欲求を満たしてくれます。
コマの可愛さでいうと個人的にはシリーズ3部作でこのスカイガーデンが一番だと思います。
スカイガーデンの内容物
- メインボード:1枚
- 布袋:1枚
- 森ボード:1枚
- 鳥類園ボード:4枚
- 巣箱:4個
- 鳥かごボード:1枚
- マイルストンタイル:16枚
- 早期ボーナスタイル:5枚
- チップ:23枚
- 巣タイル:28枚
- カバータイル:24枚
- 追加エリアタイル:4枚
- 初期配置カード:8枚
- イベントカード:8枚
- 特殊コマ説明カード:3枚
- 樹木コマ:16個
- 卵トークン:29個
- 基本コマ:76個
- 特殊コマ:12個
- オーナー駒:4個
- 従業員駒:4個
- キューブ:40個
- 資金マーカー:4個
- ラウンドマーカー:1個
相変わらず山盛りのコンポーネントが凄すぎます。
スカイガーデン紹介のあとがき
スカイガーデンのゲーム紹介でした。
ガーデンシリーズの第二作目ということで、更にブラッシュアップされた魅力的な作品だと思います。
シリーズ3部作は2025年9月にクラウドファンディング予定とのことです。
次回はシリーズ3作目の「ディノガーデン」を紹介します。
▼うちばこやさんのガーデン3部作事前登録ページ
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