2020年7月20日に今年のドイツ年間ボードゲーム大賞が発表されました。
コロナの影響があり、今年はどうなるかと思っていましたが、無事に発表となりました。
キッズ部門は以前発表されていたため、今回は通常の大賞とエキスパート部門の大賞のダブル発表となりました。
受賞した2作品、おめでとうございます!
2020年ドイツ年間ボードゲーム大賞
世界のボードゲームの賞で最も権威のある賞がこれ。
映画でいうアカデミー賞。過去30年以上にわたって続いている。
去年は超軽量級な「Just One」が受賞した。
ピクチャーズ
今年のSDJはピクチャーズが受賞しました。
(SDJ: Spiel des Jahres = 年間のゲーム = ドイツ年間ボードゲーム大賞)
去年受賞した軽量級ボードゲーム「Just One」に比べるとボードゲームらしいボードゲームの受賞となり、やはりSDJはこうあるべきだと個人的には思います。
「ピクチャーズ」は、発表当時から海外では話題となっており高い評価を得ていた作品。
言語依存はないため日本でも輸入して遊んでいる方は多くいて、その既プレイの方からの評判が高く、かなり話題になっていました。
絵柄を当てる系のボードゲームは元祖ディクシット以降、数多く登場しましたが、それを限られた手持ちの物体(紐やブロックや石)を駆使して表現する、という点が非常にユニークでこれまでに無かった作品だと評価された点でしょう。
日本語版はホビージャパンからの今秋の発売が決定しています。
これはホビージャパンしてやったりでしょう。
日本でも今ボードゲーム日本語化しまくりの波が来ていますが、どうやって日本語化版権って貰うんでしょうね?良いボードゲームは放っておけばすぐに他の出版社が日本語化してしまうので、各社こぞってアプローチしそうなものですが…
ちなみに対抗馬はレガシーゲームの「マイシティ」と、可もなく不可もなくな佳作「ノヴァルナ」で、これら対抗馬を考えると「ピクチャーズ」の受賞はまあ妥当なのかなと思います。
個人的にはあまり意味もなく「マイシティ」を推していましたがダメでしたね(笑)
こういう「ピクチャーズ」のようなボードゲームが大賞を受賞するというのは、非常に夢のある話だと思います。
コロンブスの卵的な話になってしまうかもしれませんが、このゲームのシステムって別にこのデザイナーだから思いつけた、超すさまじいアイデアというわけではなくて、誰だって思いつけたと思います。
アグリコラとかカタンとかああいうゲームを作るのは無理かもしれませんが、このピクチャーズなら石と紐と絵の描かれたカードがあれば何か作れてたかもしれません。
別にプロボードゲームデザイナーである必要はなく、ゲームマーケットに出品している日本のサークルさんだって良かったわけですし、何なら私が思いついたって良かったわけです。
しかし、実際ボードゲームとして形を作って大賞にまで上り詰めたのがこのデザイナーさんだったというわけです。
でも、もし自分でこのボードゲームを思いついて形にできていたら、もしかしたら日本ボードゲーム初のSDJになっていたかもしれません。そしてその記念すべき日本人初のSDJを獲得できたのは自分だったかもしれないわけです。これは非常に夢のある話だと思いますね。
2020年ドイツ年間ボードゲーム大賞 エキスパート部門
比較的難易度・複雑度の高いボードゲームに与えられる賞。
去年2019年はみんな大好き「ウィングスパン」が受賞した。
ザ・クルー
こちらも予想通りと言いますか、圧倒的人気を誇っていた「ザ・クルー」が下馬評通りに2020年のエキスパート部門の大賞を受賞。
こちらもピクチャーズ同様に非常に前評判が良く、実際に私もプレイしてみましたが、なるほどこれは予想以上に面白いぞ、と感じました。
トリックテイキングですが通常のトリックテイキングと違うのは、協力型であり、ミッションを達成しないといけないという点です。ミッション毎にお題が異なり、メンバー総力を挙げて頭を使って達成していかなければなりません。
これが思った以上に面白く、1戦1戦は短時間のため30分程度で止めても良いでしょうし、何十ミッションを数時間位ぶっ通しで遊び続けたりも出来ますね。
それでも飽きずに何度もやりたくなる不思議な魅力があります。
トリックテイキングは、自分の思い通りに事が進んでくれることに楽しさの根本がありますが、まさにこのゲームはその根本の面白さをメンバー全員で目指すというものになります。こりゃ楽しいわけですね。
ただ、「ザ・クルー」はエキスパート部門と言っても個人的にはそこまで複雑なボードゲームではないという印象です。
確かにトリックテイキングに慣れていないプレイヤーにとっては難しいでしょうが、あくまでもトリックテイキングなので、そこまでの難しさはないのかなと思いました。
個人的には通常の方の大賞候補でも良かったような気がしますが、そしたらピクチャーズとぶつかって大賞は取れなかったかもしれませんね。
こちらも日本語版は「GP」さんより発売が決まっています。
また不思議なことに、英語版+日本語訳付き版も、GPさんより先日発売済です。
取説とシナリオブック以外は言語依存無いはずなので、和訳付きで十分遊べます。
個人的にはエキスパート部門は「キングスジレンマ」を推していたのですがダメでしたね(笑)
まあ推しておいてなんですが、流石にキングスジレンマが受賞したらビビります。多分キングスジレンマの作者もビビったことでしょう。
キングスジレンマは、ホビージャパンからの発売が今秋となっていたのが急遽8月末発売になったのも、SDJの結果が事前に分かったからなのかなと思ったり。
大賞受賞したらSDJのロゴを箱につけられますからね。
それを8月発売の製品に今からつけられるわけもなく。
まとめ
2020年のドイツ年間ボードゲーム大賞が発表されたのでそれを記事にしてみました。
私のドイツ年間ボードゲーム大賞に対するイメージは「何も考えずにとりあえずプレイしておけば面白い作品」です。
「カタン」や「ドミニオン」は言わずもがな「キャメルアップ」や「ディクシット」などは、初めてプレイすると取り合えず感動すること間違いありません。
エキスパート部門も「アンドールの伝説」や「クアックサルバー」など、これまた難しめですがやってみると老若男女楽しさがわかるボードゲームです。
今年受賞したこの2作品は、まさにそれに当てはまり、手放しで万人におススメできて感動できるボードゲームだと思います。
ちなみにキッズ部門の大賞はこれらの大賞に比べると注目度が下がりがちですが、大人でも満足できるような「スピンデレラ」のようなボードゲームが受賞しており、子供と遊ぶのに最適です。こちらも気になる方は要チェックです。
私もこれらの作品をまだ全然やれていませんが、今年中にはガッツリのめり込んで遊んでみたいですね。いずれガッツリ遊んだらプレイ記でも書こうかと思います。
日本でも世界でも注目された2作品。
未プレイの方は是非プレイしてみてください。
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