ボードゲーム雑誌『本当に面白いボードゲームの世界』が先日発売されたのですが、雑誌の内容に関してTwitterで色々と話題になっていたので、まとめたいと思います。
特に気になるのは『掲載されているボードゲームの評価が低い』というもの。
一体どういう内容なのかまとめます。
▼話題になっているボードゲーム雑誌「本当に面白いボードゲームの世界」
ボードゲーム雑誌『本当は面白いボードゲームの世界』とは?
『本当は面白いボードゲームの世界』は、2022年5月に発売されたばかりのムックです。
近年ボードゲームは少しずつブームになってきています。その影響か去年今年とボードゲームの雑誌が発売されています。
毎回このボードゲーム雑誌の内容は趣向を変えて発売されていますが、今回はボードゲーム好きな複数の方々に有名作品をレビューいただいた記事が掲載されていました。
この内容が今ちょっと問題・・・というか話題になっているわけです。
その辺の、ただのボードゲーム趣味な方によるレビューというわけではなく、有名ショップの店員だったり、翻訳者だったり、それなりにボードゲーム業界での知名度は高めな方によるレビューでした。そのため期待して購入した人は多かったと思います。しかし、そのレビュー内容が思ったのと違うぞ、ということでファンから落胆の声が上がっているわけですね(笑)。
本雑誌の発売に関しては、以前ニュース記事を書いたので詳細はそちらをご参照ください。
>> 【ボードゲームニュース】ボドゲ専門雑誌『本当に面白いボードゲームの世界』2022年5月に発売!
『本当は面白いボードゲームの世界』の話題・問題のコーナー
本雑誌で話題になっているのは、主に「本当に面白いボードゲームはこれだ2022」というタイトルのコーナーです。
ここには「ボードゲーム通の識者が本気で厳選」という謳い文句で、13名のボードゲーム識者によって、ボードゲームの評価が掲載されていました。
P9からP46まで40ページ弱に及ぶかなり気合の入ったコーナーです。
TGiWの小野さん、テンデイズの田中まさん、お笑い芸人宮下さん、ボドゲブログのひだりさん、超深い考察ブログで話題のTakeWatchさん、など。まあボードゲーム知らない人からすれば誰それ?って感じかもしれませんが、ボードゲームの情報をチェックしているような人にとって見れば、一度は名前を聞いたことがある方々かと思います。
このコーナーは、これら識者が「厳選された面白いボードゲームタイトル」に対して、3名ずつレビューをするというものになっていました。
評価基準
ここで重要なのが、本雑誌における評価基準です。
世界最大のボードゲーム掲示板BGGにはボードゲームを評価するレーティングの基準が存在しますが、今回の記事は以下のようにそれを簡略化したものになっていました。
- ★★★★★:BGGでいう10点。最高評価
- ★★★★☆:BGGでいう9点。超高評価。
- ★★★☆☆:BGGでいう7点。高評価
- ★★☆☆☆:BGGでいう6点。まずまずの評価
- ★☆☆☆☆:BGGでいう5点。普通。
- ☆☆☆☆☆:BGGでいう4点以下。最低評価。
この基準で言えば「まずまず面白いな」っていう程度の評価だと★2になってしまうわけですね。
Amazonで★2といえば低評価扱いです。
そこまで感激せずに「普通かな」っていう評価なら★1です(笑)。
普通のボードゲームだとしても★1は最低評価という感じがしちゃいますよね。
★★★★★☆☆☆☆☆
だとまだ許せそうですが
★☆☆☆☆
だと、途端に大分つまらなそうなイメージあると思います(笑)
この評価基準を元にこの記事を読んで行きましょう。
なお、BGGの評価レーティングについては、以下の記事を参照ください。
低評価の作品
★3あればそれなりに高評価されていると考えて、この雑誌において、1名でも★1以下がつけられている作品を見ていきます。一部のボードゲームは★2のものも見ていきます。
誰が評価しているかは伏せておきます。気になる方は実物雑誌をご覧ください。
この記事書いているうちに、あれ、ぼどろぐのレビューも載せたら良いんじゃね?って思いました。
ということで折角なので、本ぼどろぐ管理人TEENOが、そんたく無しに本音で★評価したものも記入しておきます。
アークノヴァ
- 雑誌評価:★2(1名)
- 評価理由:楽しいがプレイ時間が難点
いきなりアークノヴァw
2022年で間違いなく話題になった大人気作品の1つ。
アークノヴァ日本語版を出している、テンデイズのたなかまさんが、レビューアー13人の1人にいるのに大丈夫なんだろうか。。。
まあプレイ時間が難点というのは非常に理解できる。
ぼどろぐ評価:★★★★☆
確かに重量級で時間もかかるが、ガッツリしっかり面白い。流石に重量級好きじゃない人にはおすすめできないか。
フィヨルド
- 雑誌評価:★2(1名)
- 評価理由:2人版は名作だが新盤で追加された3,4人版ルールが好みではない
前半のタイル配置フェイズと後半の陣取りフェイズが特徴的な陣取りゲーム。
リメイク作品なんですね。
ぼどろぐ評価:★☆☆☆☆
確かに2人ベストかも。苦しい陣取りゲームなのに、3人以上でプレイすると、漁夫の利というか、争っていない1名が非常に有利になって勝利する。実際に遊んでゲームには勝ったけど、モヤモヤしてしまった。
私の周りでは、陣取りの苦しさで心を折られている人が続出していました(笑)
テラフォーミングマーズ:アレスエクスペディション
- 雑誌評価:★2(1名)
- 評価理由:ゲームシステムがサンファンの焼き直し
テラフォーミングマーズのカードゲーム。日本でも品薄になるくらいには売れている作品。
テラフォーミングマーズの面白さがギュッと圧縮されて、私もなるほどこれは面白いぞと思ったのですが、確かにレースフォーザギャラクシーやサンファンなどのゲームシステムをベースにしており、オリジナル要素がやや薄いかもしれませんね。
ぼどろぐ評価:★★★☆☆
オリジナル要素は薄いかもしれないが、面白いか面白くないかで言えば十分面白かったと評価できる作品。
バイキングシーソー
- 雑誌評価:★2(1名)
- 評価理由:重量級のお供に是非
クニツィアさんのシンプルなバランスゲーム
特に低評価しているわけではないが、そもそもが中量級以降しっかりボードを使ったゲームが好きな方なので、軽量級はおのずとほどほどの評価になったという感じの書き方。
★2だとまずまずの評価なので、低評価したくて★2にしたわけではないという感じでしょうか。
ぼどろぐ評価:★★★☆☆
また遊びたくなるくらいには面白かった作品。ただ、確かにこればかり1時間遊べるかといわれると、他の中量級とか重量級で遊びたくなりますね(笑)。
スパイシー
- 雑誌評価:★2(2名)
- 評価理由:プレイ感はトランプのダウト
色と数字を指定しながら場に出していくブラフゲーム。嘘を見破ったり、嘘がばれなければドンドン得していく。
ぼどろぐ評価:★☆☆☆☆
話題作だったので期待してプレイしたが、思ったほどの面白さは得られなかった。普通の作品という感じがした。
私がブラフ系ゲームが苦手なのもあるかも。
レビューワーの方が書かれているように、拡張ルール入れるともっと面白くなるのかもしれない。
ことばのクローバー
- 雑誌評価:★2(1名)
- 評価理由:話が弾む
Just Oneのような単語類推系協力型ボードゲームの1つ。
書いたワードと単語カードの組み合わせを類推して楽しむ。
ぼどろぐ評価:★★★★★
個人的に大好きなボードゲーム。軽量級ボードゲーム大賞をあげたいくらい(笑)。
軽量級ボードゲームを探しているのであれば、買って損はない作品の1つだと思っている。
自分が超絶面白いと思っていても、人によっては★2で並評価になってしまうことのある良い例ですね。
ラッキーナンバー
- 雑誌評価:★1(1名)
- 評価理由:タイルの引き依存が大きい
左上から右下に、4×4のマスに昇順に数字を並べていくゲーム。
確かにこのゲームは、実力もあるけどタイルの引きに大きく依存するので、納得のできない負け方をしてうーんとなっていしまう気持ちは良くわかる。
ラッキーナンバーというタイトルでは誤魔化し切れない運要素があるのは確か。
ぼどろぐ評価:★★★☆☆
慣れてくると大分運ゲームに感じてくるが、それでも淡々とプレイして、普通に楽しめるボードゲームという印象ですね。
ミクロマクロクライムシティ
- 雑誌評価:★0(1名)
- 評価理由:「ウォーリーを探せ」でしかない
2021年のSDJを受賞しているミクロマクロクライムシティです。
遂に出てしまった★0評価(笑)
正直この雑誌で★0がつけられる作品はないだろうと思っていましたが、こういう低評価レビューをしっかり載せてきたのは忖度してない証拠。
ぼどろぐ評価:★★★★☆
私はミクロマクロクライムシティ普通に好きですけどね。おすすめボードゲームとしてもあげているくらいです。
個々のストーリーがしっかり1枚絵の中で表現されていて、それを順を追って探すのは楽しかったし、しっかり熱中できました。
小さすぎて見えづらいとか、反対側からは見えづらいので実質プレイ人数が制限されているとか、そういう欠点はあるかと思いますが。。。
アルナック失われし遺跡
- 雑誌評価:★1(1名)
- 評価理由:少し先の未来しか見えない
デッキ構築+ワーカープレイスメントの話題作の1つ。
★1という評価に対してTwitterで話題になっていた作品(笑)
まあ話題作だし人気作でもあるので高評価する人は多いし評判も良いけど、システム的な欠点もあるし、本音で書けば、並みのゲームだと評価する人もいるのはわからなくもない。
ぼどろぐ評価:★★★☆☆
私はデッキ構築というシステム自体が大好きなので、普通に面白いと思いますね。探検というフレイバーも大好物。ただ、デッキ構築がイマイチ取っつきづらく、総合してデューンインペリウムの方が私は好きです。
テラフォーミングマーズ
- 雑誌評価:★1(1名)
- 評価理由:最も刺さったゲーム
言わずと知れた重量級ボードゲームの大人気作品。
ただ、評価者の評価内容と評価結果が噛み合ってないまさかの★1・・・どういうことなの。ネガティブ表現しづらくてあえてわかりづらい「刺さった」という表現にしてるんだろうか。
私もこのブログのレビューで使おうかね(笑)。「これは刺さったボードゲーム!」。
しかも「超定番人気作品!」のコーナーのトップバッター作品w
「超定番の人気作品!」⇒「★1!」ってどういうレビュー分担なんだろうw
ぼどろぐ評価:★★★★☆
ガンガン拡大再生産していくプレイ感が面白く、カードも山ほどあり、企業も沢山ありリプレイ性も高い。忖度なしにおすすめ。ソロプレイも面白い。
エスケープルームザゲーム
- 雑誌評価:★1(1名)
- 評価理由:臨場感を楽しむ謎解きゲーム
GPさんから発売されている脱出ゲームシリーズ。
時限装置と謎解きブックを使って謎を解いていく。
ぼどろぐ評価:★☆☆☆☆
時限装置の存在は他の脱出ゲームには無い大きな特徴だが、謎解きに全然納得感が無く、時限装置も思ったよりお粗末。。。クリア時もクリアしたのか良くわからんまま終わった印象。
クアックサルバー
- 雑誌評価:★1(1名)
- 評価理由:プレイ時間の割に運の要素が気になる
SDJのエキスパート部門大賞を受賞したことのあるバックビルディングの名作。
確かに運要素が強いゲーム。
プレイ時間は中量級でそこまで長くないような。。
ぼどろぐ評価:★★★★★
毎ターンの自分のバッグ構築戦略と進む止まるを決めていくのが面白い。
負けているプレイヤーにボーナスがあるのも、負けているプレイヤーが楽しめる良い要素になっている。
負けても楽しいしまたやりたいと思える良いボードゲームだと思う。
何が問題だったのか?気になる点のまとめ
ここからはこのボードゲーム雑誌「本当に面白いボードゲームの世界」のレビューに関して、何が問題だったのか?気になる点をまとめてみたいと思います。
あくまでも私管理人目線で思ったことをつらつら書いているだけなので、そこはご了承ください。
評価レーティングが一般的ではなかった
最初にも書きましたが、この雑誌の評価レーティングは、一般的な基準のそれとは異なっています。
並の評価であれば「★★★☆☆」のように★3つとしたいですが、この雑誌の基準で並の評価だと「★☆☆☆☆」のように★1つになってしまいます。
★1って凄い低評価に見えますよね。
面白そうに見えない評価結果
★★☆☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
という評価を見て、面白そうに見えますかね。
全然おすすめ作品に見えないw
私個人的にかなりおすすめの作品で、こういう評価のものがあったので、こりゃ全然面白そうに見えないぞってなりました。
レビュー内容と点数がおかしい
文章上はベタ褒めしているように見えるが、点数は★1だったり★2だったり、何でそんなに低評価なの?っていう作品がいくつかある。
ネガティブならネガティブなりに理由が無いと共感も批判も出来ず、なんか点数と内容おかしくね?っていう感想しか残らない。
雑誌の見出しとレビュー内容が合ってない
「おすすめ!2人用ボードゲーム!」みたいにでかでかと書かれているのに、レビューの点数が★2とか出オチも良いところです(笑)
おすすめとは何だったのか・・・w
レビュー分担あってる?
一体どのようにレビュー分担決めたのか気になるところです。
中量級以上ばかり遊ぶ人に軽量級や子供向けボードゲームやらせたら、そりゃ評価は低くなりますよね。
軽量級としては面白いけど、中重量級のボードゲームと比べて面白いかといわれると、そりゃ評価は下げざるを得ないですね。
基本的にこういうレビューを書く人は、重めのボードゲームを好むと思うので、軽量級は比較的低く評価されるんじゃないでしょうか。
あとは、このゲーム大好き!っていう人に高得点&高評価レビューを書かせた方が良いんじゃないですかね。つまらないと思っている人のつまらない話を聞くより、超面白いって思っている人の超面白い話の方が、ためになると思いますしハッピーになれると思います。
私が「ドミニオン」とか「スピリットアイランド」とかレビューを書いたら、超べた褒め記事になると思いますし、そういうレビューの方が読んでて楽しめるんじゃなかろうか。
本音で書いちゃうとこうなる
あくまでも忖度なしの本音レビューで書いたのだと思いますが、流石にそれやってしまうと、そりゃ低評価も多発しますよね。
私もレビューしてみて、確かに幾つか★低評価の作品もありましたし、本音で書いちゃうと、当然個人の好みが出ちゃいますからね。
食レポとかもそうですが、基本悪いことを書かないのがこういうコーナーのマナー、というか暗黙の了解なんじゃなかろうかと。。。
食レポで★1とか書くと、キレられますよ(笑)。「おすすめラーメンはこれだ!」で始まって、チャーシューがあまりおいしくなかった★1!みたいな。
ポジティブな雑誌でネガティブ評価は必要だったか?
この雑誌はタイトルにある通り「本当に面白いボードゲームの世界」を色々な人に知ってもらう、再認識してもらうための雑誌です。
そのために面白いボードゲームを厳選して紹介しているのだと思いますが、そういうポジティブな雑誌でネガティブな評価必要でしたかね?って話です。
このボードゲーム買うのやめておいた方が良いよ、って伝えるためのレビューならまあ良いのですが。この雑誌は真逆で、ボードゲームってこんなに楽しいよ!どんなボードゲームも楽しいよ!って言いたい雑誌だと思います。
そんな雑誌でネガティブな評価必要だったのか疑問ですね。
こんなに楽しいっていうポジティブな評価ばかりでも、何の問題も無かった気がしますね。
嘘つく必要はなく、そのボードゲームを大好きな人が評価すればそれでいい話です。
ボードゲーム雑誌の低評価問題に関してざっと思うがままに書いてみました。
みな好きに思うがままにレビューしたんだろうなっていう感じが伝わってくる雑誌で、本音のレビューということで良いのかもしれませんが、若干内容にがっかりした人も出たそんな雑誌になっていました。
まだ読んでない方は是非読んでみてください(笑)。面白いですよ。
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