今回はボードゲーム「ココペリ(Kokopelli)」のゲーム内容紹介になります。
日本語版未発売ですが、あのステファン・フェルトさんの最新作です。
ということで 「ココペリ(Kokopelli)」 がどういうボードゲームなのか、ルール紹介とレビューを紹介していきます。。
『ココペリ』基本情報
デザイン | System:Stefan Feld |
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プレイ時間 | 40~60分 |
プレイ人数 | 2~4人 |
対象年齢 | 12歳以上 |
版元 | Queen Games |
日本語版販売 | メビウスゲームス(日本語訳付き版) |
発売日 | 2021年8月(英語版) |
希望 小売価格 | 6,800円(税込み) |
『ココペリ』はどんなボードゲームか?
「ココペリ」はアメリカのインディアンの神様の1柱で、豊穣の神です。笛を吹くことで、豊作や幸運をもたらすとされています。箱絵に描かれているのが「ココペリ」伸ですね。
この「ココペリ」神を奉る儀式を行う、というテーマのボードゲームが「ココペリ(Kokopelli)」です。
「ブルゴーニュの城」や「カルペディエム」でおなじみ「シュテファン・フェルト」さんの最新作になっており、キックスターター発で海外でも発売されたばかりのボードゲームです。
シュテファン・フェルトさんの作品は比較的重量級寄りの中量級が多いイメージですが、本作「ココペリ」はジャスト中量級という感じの重さになっており、非常にプレイしやすいゲームの1つです。
『ココペリ』ルール概要
ここでは「ココペリ(Kokopelli)」のルールを紹介していきます。
ゲームの目的
ゲームの目的はシンプルです。
- 他のプレイヤーより勝利点を多く稼ぐこと
より沢山ココペリ神を奉ると、沢山の勝利点が入ってくるようになっています。
ゲームの流れ
手番プレイヤーは、以下の何れかのアクションを2回行います。
- 儀式の開始:手札のカードを1枚、新たに自分の場に出す。
- 儀式の拡大:手札のカードを1枚、既に置かれているカードの上に出す(他プレイヤーの上でも可)。
- 手札補充:山札からカードを1枚引く
- 手札交換:手札を好きなだけ山札の下に戻して、同枚数ドローする
- 儀式の破棄:既に出している自分のカードの山を放棄する。
完了したら時計回りに手番を回します。これをゲームの終了まで繰り返します。
カードの種類
このゲームでは、16種類の固有能力を持ったカードから10種類と、オールマイティのココペリカード1種類の合計11種類から各プレイヤーの山札を作成します。
この全種類使わないという点がリプレイ性に繋がっています。全儀式を完成させるとゲームエンドなので、ここを10種類ではなく7種類など少ない数で遊べば、ショートゲームに調整できます。
各プレイヤー毎に自分の色のカードが用意されているので、全プレイヤーが全く同じ山札を持った状態でスタートします。
アクション:儀式の開始
手札のカードを1枚、自分の4か所の空いている儀式スペースの何れかに出すことが出来ます。
各儀式カードには特殊能力がついており、自分の場に出すことでその特殊能力が発動します。
この時、配置制限があります。
- 既に自分の「プレイスペース」に出ている種類の儀式は開始できない。
つまり「儀式A」がすでに自分のプレイスペースで開始されていたら、その「儀式A」を新たに自分のスペースで開始することが出来ません。
ここで、このゲームの大きなポイントがあります。
- 自分の「プレイスペース」:自分の4か所の儀式スペース+両隣のプレイヤーの自分側の2つ儀式スペース
つまり、他のプレイヤーの半分のスペースも含むため、自分と他プレイヤー合わせて、合計で8スペースが自分のプレイスペースとなり、そこにすでに置かれているカードは自分は場に出すことが出来ません。
▼左隣のプレイヤーの右2つと、右隣のプレイヤーの左2つも、自分のプレイスペースになります
そのため、他プレイヤーがすでに場に出してしまったせいで、自分の場にその種の儀式カードを出せないなんていうことがしょっちゅう起きます。
アクション:儀式の拡大
手札のカード1枚を「プレイスペース」のカード1枚の上に重ねて配置します。
「プレイスペース」の話は先ほど書いた通りで、自分の場以外にも他のプレイヤーの場にも配置することが可能です。
1つの儀式カードは、基本的に4枚重なると「儀式の完了」となり、完了させたプレイヤーは勝利点がもらえます。なので、他プレイヤーの完成寸前の儀式を完成させて高得点、なんていうプレイも可能になります。やられた方はたまったもんじゃないですが。。。
その種類の儀式を初めて完了させると「3点」。2回目以降は「1点」となります。
10種類の儀式があるので、高得点を狙うためにはこれらを早い者勝ちで完了させていくことになります
アクション:手札の補充
自分の山札から手札を1枚ドローします。山札の枚数が少ない人が最後にボーナス得点をもらえるため、あまり強くないと見せかけて意外に重要です。
ちなみに、自分の手札がなくなった場合、3枚ドローして1勝利点もらえます。なので基本的には手札を枯らしていった方が強いっちゃ強い作りになっています。
アクション:手札交換
好きな枚数手札を捨てて、同じ枚数ドロー。
目的のカードを得るために手札を変えたいなら、1枚ドローより基本的にはこちらのアクションの方が良いですね。
アクション:儀式の破棄
自分の4つの儀式スペースの内、1か所のカードをすべて捨てます。
同じ儀式は2種類出せないのと、他プレイヤーに完成させられてしまうこともあるので、場合によっては儀式を破棄させたい、ということもあるかもしれません。
ただ、このアクションを選択するというのは、基本的にはあまり得策ではないですね。よほどのことがない限りは他のアクションをやった方が良いでしょう。
ゲームの終了条件
以下のどちらかでゲームエンドです。
- 何れかのプレイヤーの山札が尽きる
- 全ての「儀式」が完了する。
基本的には山札が尽きる前に全儀式が完了することが多いように思います。
得点の計算
- 儀式で獲得した手元の勝利点チップ:そのまま得点
- 未完了の儀式:1つ1点(4か所あるので最大4点)
- 残りの山札の枚数:一番少ない人5点、2番目に少ない人3点
これらを合計して最も得点の多いプレイヤーの勝ちです。
儀式カードの内容
ココペリに登場する儀式カードを一部紹介します。
何れも自分の儀式スペースに配置することで特殊能力をもたらすカードです。
戦士
- 2種類の儀式カードを2つの異なる儀式に配置可能
通常1アクションで1枚なのを、1アクションで2枚配置できることになります。
狩人
- カードドロー枚数が2枚になる
通常1アクションで1ドローですが、1アクションで2ドローになります。
足
- 他のプレイヤーの儀式スペースにカードをプレイした場合、1勝利点
他プレイヤーのスペースに1枚カードを置くことで1得点できます。ガンガン出せばガンガン得点。
鷲の羽
- 手札が空だった場合、5ドロー3勝利点になる
通常手札が空になると3ドロー1勝利点ですが、それを強化してくれます。強い。
ドラム叩き
- あなたの場の儀式は3枚で完了する
通常4枚で完成するところを3枚で完成するようになります。儀式がガンガン完了するようになり、ゲームが一気に加速します。
亀
- あなたが儀式を完成させたとき、1勝利点を得る
通常儀式を完成させると1勝利点ですが、更に追加で勝利点をもらえます。
特殊カード:ココペリ
ココペリカードには能力がついていませんが、オールマイティとして使用可能です。
儀式を完成させるために使用できます。
その他
他にも様々な特殊カードが全16種入っており、プレイ毎に組み合わせを入れ替えることで、新鮮に楽しむことが出来ます。
確実に拡張が出るやつですね。ちなみにキック特典のカードは既に追加カードパックとして売られているみたいです。
『ココペリ』内容物
- 儀式カード 192枚
- ココペリカード 24枚
- 選択タイル 16枚
- 村ボード 4枚
- 勝利ポイントタイル 80枚
- スタートプレイヤーマーカー 1個
- ゲーム終了タイル 1枚
- 和訳ルール 1部
『ココペリ』個人レビュー
名前から如何にもな楽しさが伝わってくるボードゲーム「ココペリ」です。
シュテファンフェルトさんの最新作ということで気になっていた作品ですが、これはかなり面白いですね。
お手軽な中量級。得点過程が面白い
毎ターン2アクションするだけなのでプレイ感は非常に軽く、ゲーム時間も1時間もかからずに終わります。そのため、どんな年齢層でも簡単に遊ぶことが出来ます。
儀式の過程で各種カードの効果を駆使して、特殊効果で得点をポンポン稼いでいくのは非常に気持ちいいですし、プレイしていて非常に面白いです。
通常の単純なアクションが、場に出した儀式カードの効果で自分だけ強化されて、その強化アクションを行っていく爽快感はボードゲーム好きならよくわかるでしょう。
最初は場にカードを出すだけですが、すぐに大なり小なり兎に角得点がポンポン入ってくるようになってきます。これが非常に心地よい楽しさを生んでいます。
インタラクションは強め
他プレイヤーとの絡みはそこそこ強いゲームです。
「プレイスペース」という概念があるため、他のプレイヤーが自分側に出している種類のカードは自分の場に出せない、という制約が中々厳しく、出したいカードを出せないということになってきます。
また、1種類の儀式は先に完成させると高得点なので、どの儀式を誰が先に完成させるかで得点が変わってきます。
更に、他プレイヤーの場にカードを出せるため、完成間近の儀式を他のプレイヤーにかっさらわれる何てこともあり、やったやられたはそれなりに出てくると思います。
とは言いつつも、手軽さもあってそんなにギスギスするタイプのインタラクションにはなっていないので、程よいインタラクションを楽しむことが出来ます。
リプレイ性が高い
リプレイ性はかなり高いゲームだと思います。
16種類のカードから一定数を使用するスタイルで、いわゆるドミニオンのような膨大な種類の組み合わせの楽しさを味わうことが出来ます。
コンボできる組み合わせもあれば、相性の悪い組み合わせもあり、どういうカードを使うかで楽しさも大きく変わってきます。
16種類から10種類を選択する組み合わせは単純計算で8000通り近くあるので、毎回違ったプレイ感で楽しめます。
拡張セットでカードが追加されるとそれだけで楽しさが倍増します。楽しみですね。
コンポーネントとフレイバーの良さ
コンポーネントは非常に雰囲気を出すような作りになっていて良いですし、ココペリというフレイバーも非常に独特の味わいがあって素晴らしいですね。
各種カードも「戦士」とか「狩人」とか「足(!?)」とかシンプルでいて味わいのあるイラストになっていて雰囲気が盛り上がります。
気になる点
- 山札がランダムで引き運が必要
- やや大味なカードがある
山札の構成は全プレイヤーで共通なのですが、出てくる順番は当然ランダムです。そのため、かなり強力なカードがいち早く場に出されてしまうと、後のプレイヤーがやりたいことが出来ないことが良くあります。
これがインタラクションの良さでもあるのですが、今の自分に都合の良いカードを引けるかはそれなりにカードの引き運にかかってきます。まあ各プレイヤーはプレイ中に波があるということで、程よい運要素で逆に言えば面白さの1つでもあるわけですが。
またカードによっては、自分の周りだけではなくほぼ場の全体に効果を及ぼすような強力なものも存在します。そういうカードを場に出すとゲーム全体が若干カオスになります。私が遊んだときはそれなりにしっちゃかめっちゃかになりました(笑)。
そのカードを使うと、そういう場が若干カオスになるルールが追加されると考えて遊べば、ただのゲーム中の刺激の1つにしかすぎませんし、気になるならそういうカードを使わなければいいだけなので、1つの楽しさと考えればよいですけどね。
総合評価
素晴らしいゲームだと思います。手軽さもあるので、何度も遊びたいゲームの1つですね。
おすすめです。
個人評価:★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ☆ ☆
8 – 非常に良いボードゲーム。これをプレイするのが好き。この作品を遊ぶことは断らない。
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「鷹の羽」ではなく「鷲の羽」だと思います。
ご指摘ありがとうございます。
Eagleなので鷲が正しそうですね。
修正しておきます。