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京都議定書 日本語版 ボードゲーム紹介とレビュー

今回はホビージャパンさんより2021年4月に発売が予定されているボードゲーム「京都議定書(Kyoto)」日本語版のゲーム内容を紹介していきます。

「京都議定書」とは何だか凄い名前のボードゲームだと思った皆さま。英語名は「Kyoto」なのでもっと思い切った名前です(笑)。

ということでボードゲーム「京都議定書(Kyoto)」日本語版のルールや所感について内容を紹介していきます。

京都議定書 基本情報

デザインSystem:
 Sabine Harrer,
 Johannes Krenner
Art:
 Christian Opperer
プレイ時間約30-45分
プレイ人数3-6人
対象年齢10歳以上
版元Deep Print Games
販売ホビージャパン
発売日2021年4月(日本語版)
2020年(英語版)
希望
小売価格
4,400円(税込)

京都議定書 ボードゲーム概要

気候変動会議の会場へと車を走らせながら、あなたはリムジンのバックミラーを見て自分の姿をチェックした――あなたのスーツと微笑みは一分の隙もなく、環境を気遣う完璧な印象を与えている。あなたの石油株は値を上げており、国庫は膨らんでいる。しかし、気候研究からの声も大きくなりつつある。地球温暖化、海水面の上昇、CO²の排出量、大気汚染、動物の絶滅――すべてが変わってしまうこともあり得る。
世界を救うことには大賛成だが、誰か他の者がやることはできないだろうか? 第一に考えるべきは自国の繁栄では? 他の国々を説得して、共通の環境目標を達成することもできるのでは? 結局のところ、地球は少々の気温の上昇には耐えられるのでは?
いずれにせよ、交渉の席についたときに大切なのは勝つことだけだ。しかし未来の話となると、勝利とは何を意味するのだろうか?

引用:ホビージャパン公式HP

ボードゲーム「京都議定書」は、世界の環境問題に対応する各国の代表として、意思決定して地球の環境問題を改善していこうとするボードゲームです。

プレイヤーは各国代表となって会議で交渉を行います。

ただし、最終目的は自国の富を増やすことです(笑)

そのためには、単純に地球を救うために行動するだけではなく・・・自国の富を優先するようにあえて環境問題を悪化させるように立ち回る必要があるかもしれません。

しかし、万が一、京都議定書の交渉が失敗に終わった場合・・・貪欲な国はその罪をかぶることになります。

京都議定書 ボードゲーム ルール概要

「京都議定書」では12ラウンドに渡って交渉をしていきます。ただし、特定の環境問題に関する議論が一定以上決裂すると即座に終了します

環境問題は3つの議題があります

  • 動物の絶滅
  • 地球温暖化
  • 大気汚染

各プレイヤーは「秘密目標」を2つ持った状態でスタート。これは、環境問題改善とは相反する目標となっており、例えば「原子力」を減らすようなカードが場に出てしまうと得点が減ったり、基本的に環境問題を改善しない方向に議題が進むほど高得点になるという、中々嫌らしい作りになっています(笑)

↓権利団体からの依頼。多種多様な秘密目標カード。

引用:こちら

また、各プレイヤーは大量の「裕福カード」を持った状態でスタート。これは、環境問題を解決するために使用可能なカードですが、未使用カードはそのまま得点になるという嫌らしい作りになっています(笑)

スタートプレイヤーが「発言者」となります。発言者は毎ラウンドで交代していきます。

1ラウンドは4つのフェイズから成ります。

フェイズ1:発言者手当フェイズ

現在の「発言者」は以下を実行します。

  • 基金から2百万ドルを得る
  • 手元の裏向きの「裕福カード」を手札に戻す

多少お金を獲得して、他のラウンドで使用済みの裕福カードが戻ってくるということです。

フェイズ2:研究フェイズ

現在の「発言者」は「研究デッキ」から2枚のカードを引いて、その内の1枚を公開します。これがこのラウンドで各国が議論するべき議題になります。

例えば、「原子力を減らそう」とか「お金を5百万ドル出そう」とか「CO2を200%削減しよう」とかそういう目標が描かれています。

引用:こちら

カードには、この議論が破綻した場合に起きる環境問題が描かれています。例えば、「動物の絶命」が2つ進むとか、「温暖化」が1つと「大気汚染」が1つ進むとか。

しかし、この研究カードは一部しか公開されず、未達成時に起きる環境問題の一部(カードの一番下のアイコン)は、現在の「発言者」以外は知ることが出来ません。

この「発言者」しか知らない情報があるというのがポイント。達成しないと思わぬ「環境問題」が進行して、意図しない方向に展開してしまう可能性があるということです。

フェイズ3:貢献フェイズ

90秒カウントダウンを開始します。各プレイヤーはカウントダウンが終わる前に、目標を達成するために以下のアクションを行うことができます。

  • 手札から「裕福カード」を2枚まで使用して貢献する
  • お金を幾らでもいいので出して貢献する
  • 他の国に賄賂を渡す

「裕福カード」による貢献

手札から「裕福カード」を出すことで今の議題に貢献できます。例えば、議題の目的がCO2の削減であれば、出したカードに描かれた分のCO2を削減できます。目的が「原子力の削減」であれば、原子力アイコンが描かれたカードを出すことで、原子力削減が可能です。

引用:こちら

これは、各国が自国の一部の豊かさを手放すことで、それに付随する環境問題に対応するという意思表示をしたことに該当します。自国の豊かさを手放してまで地球環境に貢献できるか?ということが問われているわけですね(笑)

ただし、一度出した裕福カードは自らは撤回できません。

「お金」による貢献

議題の解決にはお金が必要です。好きなだけお金を出して議題解決に貢献することが出来ます

ただし一度出したお金は撤回できません。他のプレイヤーが沢山出してくれそうだから、出したお金の一部を撤回する、というようなことが出来ないってことですね。

「賄賂」を渡す

他の国に賄賂でお金を渡して、出した「裕福カード」を撤回してもらうか、「裕福カード」を出してもらうように交渉が出来ます

出した撤回させることで、あえて議題を失敗させたり、自分の秘密目標を進めたり、狙いを混乱させたり、様々な効果があります。

フェイズ4:影響フェイズ

そのラウンドの議題の交渉が、成功したか、失敗したか判定します。

交渉成功

全ての国が十分な「裕福カードを」場に出して、十分なお金が提供されたなら成功

その議題を解消するために十分な資源や削減案を各国が提供してくれたということです。

出されたカードの内、「議題」の条件に合う分だけのカードを置き場に置いておく。選択されなかったカードは使用済みとして持ち主の手元に裏向きで置いておく。

出されたお金の内、「議題」の条件にあう分だけのお金を基金に納付する。選択されなかったお金は持ち主に戻る。

使用されたカードやお金の内、回収されないものもあるということです。

交渉失敗

「裕福カード」か「お金」が目標に到達しなかった場合は失敗です

その議題を解決するために必要なだけの、資源や削減案が各国から提示されなかったということです。

出した「裕福カード」は持ち主の手元に裏向きにし「お金」も持ち主に戻します。

ここでフェイズ2で選択された「研究カード」に従い、そこに描かれた環境問題について数値を上昇させます。

  • 動物を1種類絶滅させる
  • 世界の温度を上昇させる
  • 大気汚染度を進める

「研究カード」は、それを選択した現在の「発言者」以外には失敗時に起きる環境問題の一部情報が非公開になっているため、これによって思わぬ影響が出てしまうことがあります。

例えば、研究カード「原子力を削減して、かつCO2を20%削減して、5百万ドル必要」が失敗。「動物1種類絶滅」するだけだと思っていたら、非公開部分に従って「地球温暖化も2段階上昇」した、という風になります。

京都議定書は、あくまでも議論の場なので、今すぐにに動物が絶滅したり温暖化が進むということではなく、削減案が成立しなかったので、将来的に地球の環境は、動物が絶滅したり、温暖化が進む方向に、なってしまいますよ、っていうことですね。

ゲーム終了

以下のどちらかでゲームが終了します。

  • 12ラウンド経過して、研究カードが空になる
  • 3つの環境問題の内、1つのパラメータが5回上昇

京都議定書は成功

12ラウンド経過して、研究カードが空になった場合は、京都議定書は成功となります。

各国で地球で直面している環境問題を抑え込む議論が出来たということですね。

各国は得点を計算して最も高いプレイヤーが勝ちとなります。

京都議定書は失敗

3つの環境問題の1つに関して5回NGが出てしまった場合、京都議定書は失敗となります。

最も得点の高いプレイヤーは、将来に禍根を残す問題国として即座に敗北が確定し、それ以外のプレイヤーの内最も高得点のプレイヤーが勝ちとなります。

得点計算方法

  • 未使用の手札の裕福カード1枚に付き1点
  • 秘密目標カードに描かれた得点を得る
  • 最もお金を持っている国から4点>2点>1点を得る

つまり、最も環境問題に貢献しなかったプレイヤーの方が、高得点になるようにできています(笑)

京都議定書 ボードゲーム 所感

「京都議定書」は小学校で習うので名前は聞いたことはあると思いますが、1997年に日本の京都で開催された気候変動会議です。世界150カ国が集まり、CO2の排出目標を交渉して合意された会議になります。1997年みなさんは何をしてましたかね?

それをテーマにしたのがこのボードゲーム「京都議定書」です。

何やら既にWeb上では話題になっている本作。え?そんなに話題なの?と出遅れた感があって色々調べてみましたが、これは確かにかなり面白そうな内容のボードゲームですね。

チキンレースに交渉、駆け引き、ハンドマネジメント系のシステムに加えて、特にテーマがしっかりした作品。

これは個人的にはかなりプレイしてみたい作品の1つです。

義務教育で習う「京都議定書」ですがボードゲームのテーマとしてはどうなのかなと思いもしましたが、思った以上にテーマとルールがかなりしっかりマッチしており、かなり面白い印象です。

必要とされる立ち回りも、かなりリアルで皮肉めいた感じになっているのがまた面白いですね(笑)。

各国で環境問題を議論しているのに、最もお金を使わなかった、最も手持ちの豊かさを手放さなかった、貢献しなかったプレイヤーが勝ちですからね(笑)。

更に秘密目標カードがまた良く出来てます。環境問題を改善しようと表向きは言いつつも、実際には自国の権利団体の利益になるように、という前提条件付きなわけです。例えば、自国の原子力団体を守るためには、原子力削減系のカードはなるべく出さないようにするということです(笑)。まさに本音の建て前、表裏のある政治家みたいですね(笑)。

しかし、これだけだと何も貢献しないプレイヤーが勝ってしまいます。その点を上手くコントロールするのが、ペナルティシステムです。議定書決裂時には、最も豊かさを手放さなかったプレイヤーは、即座に敗北です

これが大きな抑止力になっています。一時期話題になった無限にお金を使って良いが最もお金を使ったプレイヤーが脱落するというボードゲーム「Q.E.」みたいなものですね。

ある種のチキンレースですが、これはゲームシステムとしてはかなり上手く出来ていると思います。議定書締結が失敗してしまうと高得点取っていても負けてしまうので、議定書を成功させるために、もしくは議定書が失敗してもTOPにならずに済むように、ある程度は自国の資源を吐き出さないといけないわけです。

ただ、これは現実世界だとどうなんだろうなという感じです。京都議定書が発足した当時に比べると今は世界全体が豊かになりすぎていて、環境問題に対する世間体を気にせず好き放題やる国もいるわけですね。中々考えさせられるボードゲームになっているようです。

ちなみに原題名は「KYOTO」ですが当然「京都議定書」を意識して命名されています。「KYOTO」だと流石に同名のボードゲームは幾つかあるようですね。

京都議定書 ボードゲーム 内容物

  • ボード1枚
  • カード100枚
  • 紙幣63枚
  • 国旗トークン6枚
  • 国旗ホルダー6個
  • 雲タイル6枚
  • 気温レベル6枚
  • 動物タイル5枚
  • 書見台1つ
  • ルールブック1冊

京都議定書 ボードゲーム のスリーブ

カードが登場するゲームなのでスリーブは必要。

サイズわかり次第追記します。

京都議定書 ボードゲーム 紹介のあとがき

以上、ボードゲーム「京都議定書」のゲーム紹介でした。

第一印象は堅い名前だと思いますが、これは間違いなく非常に面白いボードゲームですね。

テーマもしっかりマッチしていて、環境問題についても色々思うところが出来るはず。

プレイしたら追記したいと思います。気になる方はチェックしてみてください。

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