今回は、先日発売されたばかりの話題のボードゲームの1つ「ファイユーム」についての雑多な記事になります。
ぼどろぐでは珍しい久しぶりの考察記事になります。
先日の発売後に日本語版が家に届き、早速何度か遊んだのですが、その中で1度だけかなり微妙な盤面になったことがあったので、その内容をざっと書いてみたいと思います。
ボードゲーム「ファイユーム」とは?
今回の記事はファイユームを遊んだことのある前提で書いています。
そもそもファイユームがどんなゲームかわからないという方は、以前の記事に詳しい詳細を書いていますので、是非そちらをご参照ください。
ファイユーム 完全日本語版 ボードゲーム紹介とレビューファラオのために、エジプトのファイユーム地方を発展させることを目的とした、重量級のボードゲームで、個人的には2021年に遊んだボードゲーム(英語版ですが)の中では、かなり高評価な作品の1つでおすすめです。
デッキ構築して手札のカードを使って全プレイヤー共通の盤面がどんどん変わっていくのがプレイしていて面白いです。
「ファイユーム」盤面の停滞状態について
何度かファイユームを遊んだ中で、一度盤面がかなり停滞してしまった会があったので、今回はそれを取り上げて考察したいと思います。
プレイ人数は4人でした。
このファイユームのゲームシステムには、以下の特徴があります。
- 全プレイヤーが、共通の盤面のコマ・コンポーネントを使用する
- 消費資源以外の、コマ・コンポーネントは有限
ファイユームに様々なコマが登場しますがそれらのコマは共通であり上限があるわけです。簡単に言えば、全プレイヤーが同じような戦略を取ると、同じコマは不足しやすくなるということです。
例えば、「工房」は比較的強力なコマで、ボードに配置することで高得点と大量のリソースを得ることが出来ます。配置条件もありますがそこまで難しくはないです。しかし、工房を配置可能なカードは「麦」「石」「ブドウ」と複数枚あり、全プレイヤーが「工房」系カードを使いまくって配置しまくると、工房コマが尽きて、その内置けなくなります。
「工房」を盤面から取り除くカードは存在しないので、その時点で「工房」系のカードは無価値になります。
「工房」に関しては、一度発動すると、コンボみたいな形で高効率で資源を生み出し続けるので、配置可能なコマ数が決まっていて、その内歯止めがかかってコンボできなくなる、というのは理にかなっています。
「工房」の例を出しましたが、ファイユームは、消耗する資源以外の全コンポーネントに上限数があり、それを配置しきるとそれ以上盤面にそのコマを置くことが出来なくなります。
「橋」も「道」も何から何までコマの数が決まっています。基本的には同じカードでいつまでも無双できないようにするための仕組みだと思います。
さて、ここからが本題です。
先ほど説明した通り、ファイユームの根幹のコマに関するルールがあるのですが、先日私が遊んだときにこのルールの影響で中々な状態になりました。
さて、どのコマが不足したか?といいますと・・・
「労働者」コマ
になります。
労働者はかなり数の多いコマなのですが、他のコマと同様に、労働者コマも30個で上限があるんですね。労働者コマはファイユームで一番活発に使われるコマで、主に配置することで資源を確保するために使用されますし、他にも得点行動のために使用されることもあります。
さて、我々のプレイでは、終盤にこのコマを置ききってしまったわけですが、一体どうなったでしょうか?
何と・・・誰も資源を生み出せなくなった。
になりました(笑)。
このゲームは、基本的に「労働者」コマをボードに配置することで資源を確保することになります。もちろんそれ以外の方法で確保も可能なのですが、労働者コマを使用すると大体無料なので、労働者を使用するパターン(というかカード)が圧倒的に多いです。
もちろん、システム上は労働者コマをなるべく置ききらないように、「管理アクション」で捨て札から手札に戻す際に、盤面の労働者コマ0~2個を手元に戻すことが出来ます。そうすると+0~+2金が無料で得られるため、基本的にはコマを盤面から戻した方がお得なわけです。
なので、序盤は当たり前のようにみなどんどん労働者を戻していくのですが、中盤以降でデッキがそろってくると、資源を得るために労働者コマ配置系アクションで、全プレイヤーの手札が満たされることがあります。というか私たちはそうなりました。
その場合、かなりの勢いでストックの労働者コマが減っていきます。もちろん労働者コマを取り除いたり、労働者を使わずに資源を確保するカードもいくつかあるのですが、不幸なことにそのプレイ時には全て流れてしまい、誰からも使われませんでした。
その結果、終盤に差し掛かった際に労働者コマが尽き、全プレイヤーが他プレイヤーのコマ取り除き待ち、みたいな状態になりました。もちろん停滞を打破しようと、管理アクション時に労働者コマを取り除くことも何度かあったのですが、そうした場合、大体次のプレイヤーが、それを待ってましたとばかりに、その労働者コマを使ってしまい、結果一周して自分の手番になるころには労働者コマがなくなってしまいます。
それが何度か何周か続くと、みんな気が付くわけです。これ管理アクションで労働者コマ戻さない方が良いんじゃね?と。
それでどうなったかといえば、全プレイヤーが管理アクション実行時に、労働者コマを戻さなくなり、全員が資源を得られない状態となり、それが何周も続きました(笑)。これが停滞状態です。
手札を使っても何も生み出せないので、最後にいいカードを確保するために、手札捨て2金プレイで牛歩するようなプレイヤーも出始め、何とも微妙な空気が場に流れ始めました。
結局みな手元に残った資源を使えるだけ使って、コツコツ点数を稼ぐだけ稼いで、手持ちの資源はほぼ枯渇。特定のプレイヤーだけが管理アクションを連発してゲームエンドだけが近づいてくる。使用条件に労働者コマが必要な高効率得点カードが流れていくのを見ながら、場が停滞したままゲームエンドという感じで終わりました。
停滞後に、残ったわずかな資源を効率的に消費してコツコツ得点を伸ばしたプレイヤーが勝ち、それまでトップだったプレイヤーは資源枯渇で身動きが取れなくなり、そのまま抜かれて負け、という状態で終わりました。
これもまあ、一つのゲーム性なのだと思いますし、労働者コマを使わずに資源を得られる方法を確保するというのも、一つの戦略だったのだと思います。ただ、デザイナーさんや、他のファイユームプレイヤーが、この問題?状態?を一体どのように感じているのかを気になり、記事にしてみた次第です。
労働者配置せずに資源を確保できる手段を誰かが持っていたら、その分だけ労働者コマ配置が減り、今回のような状態にはならかなかったかもしれません。なので、大分レアな状態なのかもしれませんが、何度かプレイしてきたなかで、まさか思ってもいない状態になったので、何が正しかったのか理屈が欲しいと思った次第です。
と、思ってBGGのスレッドを眺めていたのですが、やはり同様の指摘がありました。
スレッドの趣旨を要約すると
- 中盤までは楽しかった
- 終盤に労働者コマがなくなって、いきなり膠着状態になった
- 誰も管理アクションでコマを戻すことをしなくなった
- カードを捨てて2金貰うだけの状態が続いた
- 最終的に、管理アクションでは必ず労働者コマ2体を引き取ろう、と全員で合意してゲームを終わらせた
スレッド立てた人と、それ以外の人で結構なディベートになっており、最終的な結論は出ていないようでした。
このシステムについて、ポジティブなコメントをしている人たちの発言をまとめると以下の通り
- システム上の欠陥ではなく、デザイナーが仕込んだ仕組みの1つ
- 終盤を見据えて、戦略を立ててカードを確保するのが良いプレイ
- 膠着するとトップがそのまま逃げ切ろうとするはずだが、その状況でも2位以下が労働者コマを取り除かないのは弱いプレイ
- そもそもレアなケースなので、もっと何度かプレイすることで、このシステムについて問題があるかはわかるはず(問題ないルールの範疇内だとわかるはず)
つまり、こうなること自体レアケースで、そもそも遭遇しないことが多いし、遭遇したとしても完全に止まることはなく、何らかの方法でゲームエンドに近づいていく。そしてそれは一種の「仕組み」というわけですね。
以上、ファイユームの膠着状態についての記事でした。
同じような状況になった人他にいるでしょうか?
カードの運次第ですが、我々は労働者を置いて資源を得るカードばかりでデッキを構築していたために、終盤で労働者が枯れるという珍しい事態になりました。
このゲームはかなり面白いのは間違いないのですが、この停滞状態は正直そこまで楽しいとは言えず・・・私の過去のプレイでもこの1回だけだったので、あまり気にしなくても良いかもしれませんが、他にも同じような状況に遭遇した人がいないかと気になり、参考情報として記事にしてみました。
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