今回はGotta2さんよりゲームマーケット2022秋で発売された新作ボードゲーム「Limitation」を紹介します。
我先にと船員を乗せてロケットを飛ばすのですが、状態次第では途中で爆発するヤバイロケットになることも。
ということで「Limitation」がどういうボードゲームなのか、所感とルール紹介を交えて説明していきます。
Limitationの基本情報
デザイン | オカベニアス |
---|---|
プレイ時間 | 30分 |
プレイ人数 | 2~5人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
版元 | Gotta2 |
発売日 | 2022年11月 |
希望小売価格 | 3,080円(税込み) |
Limitationのボードゲーム概要
自社のクルーを宇宙船に送りこみ惑星開拓へ送り出そう!たまに宇宙人が乗ってくる!?
心理戦とエリアマジョリティが楽しめるボードゲーム!ガチガチのエリアマジョリティではなく、カードの効果によって思わぬ効果により計算が狂ったり、狂わせたり部屋に異常事態が起きたらさあ大変!カードを使ってロケットに部屋を設置したり、クルーをロケットに配置!
ロケットの食料には制限が!欲張りすぎてクルーを送り込むと、脱落しちゃうかも・・・
制限をうまく利用して他プレイヤーを出し抜こう!
引用:Gotta2公式HP
Limitationは、宇宙船とクルーをテーマにした、心理戦かつエリアマジョリティのボードゲームです。
ロケット内のマジョリティ争いが基本ですが、プレイヤーの立ち回り次第では、ポンコツロケットになって大破したり、そもそも飛び立てなかったりと、えらいこっちゃになります。
Limitationのルール概要
Limitationのルールを紹介していきます。
ゲームの目的
ロケットを飛ばして惑星に到着させることです。
無事に惑星に到着したら、その船の船員のマジョリティに応じて、得点が入ります。
▼4台の各ロケットはそれぞれ2か所の惑星に出発可能。到着した惑星と船内のマジョリティに応じて得点が違う。
手番のアクション
手番のアクションは以下の3つです。
- クルーを1体配置して、カードを1枚引く
- カードを1枚使用して、クルーを1体引く
- ロケット発射
カードやクルーを大量にキープすることはできず、手持ちのカードやクルーは、いずれ使うときがやってきます。
アクション①:カードを1枚使用して、クルーを1体引く
手持ちのカード1枚を使用して、その後クルーの山から1体引きます。
カードには、即時効果の「イベント」と船のパーツとなる「機体」の2種類があります。
船のパーツを配置することでロケットは発射可能状態に近づいていきますし、イベントを発生させることで、クルーの配置換えするなど特殊な行動が出来ます。
▼カードを使用することで盤面の様相がどんどん変わっていきます。
クルーには0から3までの数字が割り振られており、どのクルーが手に入るかは完全にランダムです。
▼自分の全クルーを裏向きにしておき、獲得時にランダムに引いてクルーを獲得。引いたクルーの数字は確認してよい
マジョリティはこの数字の合計で判定するため、当然数字の大きいクルーの方が強いです。
ただし、後述する食糧問題などもあるため、強いものを置きすぎると失敗します。
アクション②:クルーを1体配置して、カードを1枚引く
手持ちのクルーを1体ロケットに配置して、カードを1枚引きます。
ロケットの各パーツには、一定数のクルーが配置可能です。
どのロケットのどの部分に配置するかは自由に選択できます。
▼クルーを配置して、各ロケットはドンドンにぎやかになっていきます。
アクション③:ロケット発射
一定数の機体が配置されて条件がみたさると、ロケットは発射可能になります。
誰かがロケット発射を宣言した場合、以降そのロケットに船員は配置できなくなりますし、イベントによって配置入れ替えなども出来なくなります。
▼発射されたロケットは船尾にカードを追加してロケットの形になります。
ロケットを発射させたプレイヤーは、2つの内どちらの惑星に向かうかを選択できます。
自分が有利なロケットだと思ったら高得点の惑星に、自分が不利な惑星だと思ったら低得点の惑星に向かうのが良いでしょう。
ロケット発射可能になる条件は2つ
- エンジンカードが配置されていること
- 規定数の機体カードが配置されていること
数枚入っている「エンジン」のカードが無ければそもそもロケットは飛ばせません。
また、各ロケットには必要な機体の長さが書かれており、その数以上のカードが配置されていないと、ロケットは飛ばせません。
▼このロケットは3枚以上のカードが配置されないと飛べない
ロケットの発射条件がいつそろうか?そろったときにどれだけのクルーを配置できているか?これを相手プレイヤーと競うゲームになっています。
ゲーム終了条件
ゲーム終了条件は複数あります。
- 4つのロケットが全て発射された
- カードの山が尽きた
- 誰かのプレイヤーのクルーの山が尽きた
いずれかの条件が満たされた場合、ゲームは即時終了し、得点計算に移ります。
得点計算
発射された全てのロケットの、クルーのマジョリティを計算して得点を獲得します。
ロケットに載っているクルーの、数字の合計が高い方が高順位になります。
マジョリティ順に、6点、4点、2点などカードに書かれた点数を獲得します。
基本的には、これを4つのロケット全てで計算して得点が高い人の勝ち。。。
ただし、ロケットが無事に惑星に到着できないパターンが2つあります。
- 「エマージェンシー」カード上のクルーのパワー合計が足りない
- 食料が足りない
「エマージェンシー」カードが配置された場合、そのカード上にパワー合計が3以上のクルーが配置されないと、ロケットは途中で大破します(笑)。
他プレイヤーの配置したクルーの数字は当然わからないので、本当にロケットは飛ぶのかは最後まで分からなかったりします。
また、ロケットにはそれぞれ「食料上限」があり、クルーのパワー合計がその上限以上だった場合、これまたロケットは途中で力尽きてしまいます。
▼食料上限は10。クルーのパワー合計がこれを超えるとロケットは惑星にたどり着けません。
全員が数字が大きいクルーばかり配置するのもダメってことですね。
惑星に到着しなかったロケットを除いて、得られた得点が最も多いプレイヤーの勝ちです。
お疲れさまでした。
Limitationのレビュー
ここからはLimitationのレビューになります。
「Limitation」は、飛ぶか飛ばないか最後までわからないロケット内でマジョリティを争っていく駆け引き・心理戦タイプのボードゲームです。
プレイ時間は30分程度の中量級作品です。
プレイ人数は2~4人で、2人時は若干ルールに調整が入るようになっています。
このゲームの面白さは、数字の見えないクルーを使った緩いマジョリティ争いにあります。
ゲームが始まると、船内には大量のクルーが配置されていきますが、全て裏向きなので誰がどのパワーのクルーを送り込んできているのかさっぱりわかりません。
ただ、自分が送り込んでいるクルーのパワーはわかるわけで、あの船のマジョリティは恐らく自分が一番だろう、とか、一番最下位だろうとか、なんとなくはわかるわけですね。
そんなぼんやりした緩いマジョリティ争いの状態をベースに、様々なカードによって盤面がわっちゃわっちゃしていくのが最高に面白いボードゲームです。
例えば「エマージェンシー」のカード。
これを配置されたロケットは、そのカード上にパワーの合計が3以上のクルーを配置されていないと、ロケットが出航後に途中で大破します。
しかし、1つのカード上にクルーは2体までしか配置できないため、簡単には条件を満たせません。3のクルーを配置して難を逃れたり、逆に0のクルーを配置して他プレイヤーを欺いたり。
基本的には、幾つの数字が置かれているかは置いた本人以外わかりませんが、数字を確認するカードを使って本当に3以上かを確認し、その後確認したプレイヤーの行動が明らかにおかしくなったり(笑)。
このエマージェンシーカードの存在で、ゲームがよりエキサイティングになっています。
ちなみに私の初プレイ時は、4隻全てにエマージェンシーカードが配置され、あわや1台も飛ばないなんて言う状態になりました(笑)。最終的には3隻は無事に惑星に到着しましたが1隻は出航後に大破しました。
また1隻にエマージェンシーカードが2枚配置されるなんていう破壊工作もできるので、プレイヤーのさじ加減次第で簡単にロケットは飛ばなくなっていきます(笑)。
このゲームは、カードの手札上限がたった2枚で、かつ手札上限だと必ずどちらかのカードを使用しなければならないルールになっている(手持ちクルーは0体で配置できないので手札使用のアクションを選択するしかない)ので、こういうお邪魔カードは、邪魔したいという意図は無くても、ガンガン場に出てくることになります。
他にも2つのロケットの最後尾に配置されたカードを入れ替えるとか、配置済のクルーを移動させたり、クルーの数字を秘密裏に見る、なんていうカードも存在します。
こういうマジョリティ争いに影響したり、船の航行可否に影響する様々なカードによって、4隻の船の状態はドンドン変化していき、その都度一喜一憂で、最後までワイワイ盛り上がるわけですね。
手札やクルートークンの保持数が上限が決まっているのが、選択肢を限定してバランスを取りつつ、ゲームを収束に向かわせている良い要素の1つになっています。
カードを大量にキープしてここぞというタイミングで使うとか、クルーを大量にキープして強いクルーをここぞというときに使うとか、そういうプレイがしづらくなっています。
カードもクルーも得たものを一期一会で使用せざるを得ないようになっていて、それがゲームをわかりやすくシンプルにしてくれている要因にもなっていますね。
多少ばらつきはありますが、大体が全員同じような枚数のカードと、同じような数のクルーを配置してゲームが終了することになっています。
勝敗はゲーム終了時にクルーを公開する最後の最後までどうなるかわからないので、特定のプレイヤーが自分はもう勝てないなんて言う状態にはなりづらく、全員が最後までしっかり集中して楽しむことのできるゲームになっています。
道中しっかり楽しめて最後まで盛り上がる良いボードゲームでした。
Limitationの内容物
- 基本カード:31枚
- ロケット先端カード:4枚
- ブースターカード:4枚
- プラネットカード:7枚
- 宇宙ステーションカード:1枚
- クルータイル:12枚×4色
- サマリーカード:4枚
- ルール説明書:1枚
Limitation紹介のあとがき
以上、ボードゲーム「Limitation」のゲーム紹介でした。
ガチガチではなく緩い心理戦ということで、心理戦系のボードゲームが苦手な人でも、遊びやすいようにできていると思います。
心理戦とマジョリティ争いのボードゲーム「Limitation」。気になる方は是非チェックしてみてください。
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