今回はアソビションさんより2021年8月に発売されたボードゲーム「バレット」のゲーム内容を紹介していきます。
これは非常におすすめで素晴らしいボードゲームです。
ということで「バレット」がどういうボードゲームなのか、レビューとルール紹介を交えて説明していきます。
『バレット』 基本情報
デザイン | System: Joshua Van Laningham |
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プレイ時間 | 15分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
版元 | LV99 Games |
販売 | アソビション |
発売日 | 2021年8月 |
希望 小売価格 | ¥4,200+[税] |
『バレット』ボードゲーム概要
Bullet♡は弾幕シューティング風パズルボードゲームです。
Lv99games の最新作で、東方プロジェクトや斑鳩、デススマイルズなどをモチーフにしています。
遠い未来の地球で、プレイヤーは強大な力を持つ美少女の1人となり、恐ろしいほどの力を使って、悪から地球を守りましょう!
でも、一番の脅威は別の美少女だったりして……。
Bulletはプレイ時間が短く。4人プレイも15分くらいで行うことが出来ます。
引用:アソビション公式HP
『バレット』は、弾幕シューティング系のTVゲームに影響を受けた作品です。大量の弾幕を掻い潜ってダメージを防ぎ、大量の弾幕を撃ち返して敵にダメージを与えていくボードゲームです。
ただ、大量の弾幕を消すのはパズルに近いので、ボードゲームとしてのジャンルはパズルゲームになると思います。
基本リアルタイムで対戦するため、プレイ時間は何と15分となっていますが、決して底の浅い軽量級ゲームではありません。内容としてはしっかり中量級なゲームで、濃厚なシューティングパズルを楽しむことが出来ます。
『バレット』ルール概要
ここからはバレットのルール概要の紹介です。
セットアップからプレイまで、概要が書かれた紙が1枚入っているので、そちらを参考にするとかなりスムーズに準備とプレイが出来るでしょう。
キャラクターの選択
バレットには8体の個性豊かなキャラクターが登場します。各プレイヤーはこの内1体を選択します。
キャラクターによって見た目は勿論のこと、体力・弾幕の消し方、特殊能力、が全然違い、使うキャラクター毎にかなり個性的なゲーム展開が楽しめます。
▼初心者向けキャラクターの1人「アーデルハイド・ベッケンバウアー」
いわゆるアニメチックな美少女系な絵柄で好き嫌いは分かれそうですが、見た目で毛嫌いするのは勿体ないほど面白いです。
ボードのセットアップ
キャラクターを選択したら次は自分のボードをセットアップします。
ボードは3つから成り、左は「キャラクターのHPとパッシブスキルと見た目」、真ん中は「弾幕を配置」、右は「キャラクター毎のアクティブスキル」となります。
▼キャラクターボードを組み合わせてセットアップ
例えば、この「アーデルハイド」は以下のようなスペックを持っています。
- HP:4(左下のハートマーク)
- AP:7(右のカミナリカミナリマーク)
- パッシブスキル:白い弾丸は全ての数字と色の扱いになる(ハートマークの上の説明)
- アクティブスキル①:弾丸を左右か下に1マス移動(AP消費1)
- アクティブスキル②:弾丸を斜めに1マス移動(AP消費1)
- アクティブスキル③:パターンカードを1枚引く(AP消費2)
- ☆チャージ能力①:APを1回復
- ☆チャージ能力②:弾丸1つを裏返して白い弾丸にする
弾丸を「白い弾丸」にしてオールマイティ扱いにできるのが大きな特徴です。
その他準備
自分のキャラクターの「パターンカード」を全て受け取ります。これは場の弾丸を消すために使用されるカードになります。これを自分だけのデッキとして持っておき、3枚引いて手札にします。
▼アーデルハイド用のパターンカード3枚。
自分の黒いバッグに弾丸タイルを10個入れます。サプライからランダムで引いて入れましょう。
これで準備OK
ゲームの流れ
- ラウンドスタート(3分タイマー開始)
- 弾幕の処理
- 後始末
ラウンドスタート
3分タイマーを使ってゲームを開始します。この3分タイマーが尽きたら1ラウンドが終了です。
つまり3分毎のリアルタイムゲームになります。
ただ、最初はルールや遊び方に慣れていないと思うので、3分の時間制限はなしで遊ぶのが良いと思います。
弾幕の処理
- 弾幕ドロー
- 特殊能力発動
- 弾丸排除
各プレイヤーはこれらを好きな順番で好きなだけ実施します。
弾幕のドロー
各プレイヤーは自由に自分のバッグから弾幕コマを1つ引いて、自分のボードに配置します。
配置ルールは、「その弾幕コマ色に合致する列」に対して「弾幕コマの数字分」だけ「上から空きスペースを数えて」そこに配置します。
「赤の3」の弾丸なら、赤列(一番左の列)の上から数えて空きマス3個目に配置するということです。
▼こんな形で自分の弾丸ボードが埋まっていきます。
空きスペースが無くて一番下まで到達した弾丸は、即座に自分のHPを削ってきます。
各色の列は6マスあるため、3マス埋まった状態で数字4の弾丸を引くと、マスに入りきらずに被弾します。
自分の黒バッグ内に入っている弾丸は、全て引き切ってボードに配置する必要があります。最初は10個の弾幕が入っているため、最低10マスはスペースが埋まることになります。
特殊能力の使用
各プレイヤーはAPを消費して、好きなタイミングでキャラクターのアクティブスキルを発動させることが出来ます。
消費量は使用する能力に応じて異なり、例えば、2AP消費して「弾幕1つを1マス上に移動させる」などが可能です。この能力により、必ずしも同じ色だけが1つの列に配置されるわけではありません。
ただ、ダメージを受けるとなった場合に、弾丸を移動して回避する、みたいなことはできません。
APが0になると能力は使えなくなりますが、☆マークの付いた弾丸を排除すると、AP1が回復します。
弾幕の排除
手持ちのパターンカードを使用することで、弾幕を排除できます。
パターンカードとは、各キャラクターに固有の弾幕排除用のカードで、専用の10枚のデッキから各ラウンド3枚引いた状態でスタートします。
▼発動条件、排除可能数、排除可能場所など全てがキャラクター固有
パターンカードには、発動するために必要な条件が描かれています。例えば、弾丸の色とか場所とか、弾丸の数字とか、その条件が満たされた際にパターンカードを消費して、そこに描かれた弾丸を排除することが出来ます。
なので、このゲームは基本的には、バッグから弾丸を引いて配置、アクティブスキルなどで弾丸を移動させて、パターンカードにマッチする配置にして、パターンカードを消費して、弾丸を消す、ということをやっていくゲームになります。
排除された弾丸は左隣のプレイヤーに渡されて、次のターン処理しなければならない弾丸として使用されます。消せば消すほどほかのプレイヤーに大量に邪魔な弾丸を送り込めるわけですね。
後処理
3分タイマーが終わったら1ラウンド終了です。もしまだ弾丸を処理しきっていないプレイヤーがいた場合は、弾丸を全てバッグから引き切って全て配置する必要があります。
タイムアウト時は敗北するなどではないのですが、特殊能力なども使えずただただ配置するだけなので、無慈悲に被弾する可能性が高いです。
次のラウンドに備えて、APゲージを全て全回復させ、パターンカードを手札に3枚になるようにデッキから新たに補充して、右隣りのプレイヤーから受け取った弾丸と所定の数の弾丸をサプライから受け取り、全て自分のバッグに入れます。
そして再度次のターンを開始して、3分タイマーで同じ弾丸配置を繰り返していきます。
ラウンドが進むにつれてバッグに入れられる弾丸量が増えていくため、ドンドンきつくなっていきます。
ゲーム終了
HPが尽きたプレイヤーは脱落します。脱落したプレイヤーは抜けていき、最後まで生き残ったプレイヤー1人が勝利となります。
負け抜けなので最初に脱落しまうと残り暇になるかと思いきや、各ラウンドの制限時間が3分という縛りもありますし、1人抜ける毎に供給される弾丸数が増える仕組みになっているため、それなりに決着は早いです。
『バレット』の各種モード
バレットには先ほど紹介した基本的なルールに加えて、様々な楽しめるモードが搭載されているのが特徴です。
- バトルロイヤル(2~4人):最後まで残ったプレイヤーの勝ち
- チーム戦(2ON2):相手を倒したチームの勝ち
- スコアアタック(1人):何ラウンド生き延びられるか
- ボス戦(1~4人):協力して強大な8体のボスに挑む
これらのモードはどれもかなり素晴らしく優秀です。
先ほど紹介したルールは左隣に弾幕を送り続けて、最後まで生き残ることを目指すバトルロイヤルのルールになります。
個人的にはボス戦の協力プレイが面白く、何と8体のプレイヤーキャラクターは、その裏面がそれぞれ個性的なボスの能力になっています。使用しないキャラクターをボスとして使用することになります。
かなり強力なボスなので、全員で一丸となって協力して退治しましょう。複数人で遊ぶ場合、キャラクターは個別でHPを持っており、HPが尽きたらそのキャラクターはリタイアなのですが、個人的にはプレイヤーのHPは共通で両方無くなるまで遊ぶのが良いように思いますね。
『バレット』ボードゲームレビュー
久しぶりの個人的メガヒット作品の登場です。
見た目と元ネタが東方などのシューティングゲームということで、一体どんなゲームなのかと気にはなっていたのですが、無理にTVゲームに近づけようとして、正直なところ完成度は無理があるゲームになっているんだろうなと思っていました。
思っていたのですがそんなことは全くありませんでした。プレイ後の評価一転ってやつですね。これは是非とも未プレイの方にはプレイしてみてもらいたい。絵柄が…というので敬遠するには勿体なすぎる位の優秀なゲームです。
リアルタイムな弾丸排除パズル
リアルタイムなゲームは数あれど、このゲームのようにリアルタイムでパズルを解いて、弾丸を相手に押し付けるというタイプのゲームは珍しい気がしますね。
それだけでかなり新鮮にプレイすることが出来ます。上手く相手に弾丸をガンガン送っている時の楽しさや、逆に相手から大量に弾丸が送り込まれてきたときの苦しさなど、かなり熱中して楽しむことが出来ます。
ゲーム難易度とお手軽さ
パッケージには難易度「簡単」って書いてありますが、パズルゲームで更にリアルタイムなのでそれなりに頭を使うことになります。
どういう能力を使ってどうやって弾丸を制御したら、どのパターンを使って消せるか、というのをひたすら考えます。キャラクターによってはただパターンを満たすだけではダメで、特殊な条件との組み合わせになるものもあり、更に考えることが増えます。
確かにそこまで難しいルールではないのですが、効率よく弾丸を消していくためには、かなり頭を使うと思います。ボードゲームなので運だけではなく実力もしっかり入っており、当然良いポイントです。
ただし、慣れたプレイヤーに取ってみると本当に15分程度で終わるお手軽なゲームで、プレイ時間だけ切り出せば軽量級レベルです。軽量級レベルでしっかり中量級の面白さが楽しめるって素晴らしいですよね。
リプレイ性
リプレイ性はかなり高いと思います。まず8人のキャラクターは全く能力が違い、それぞれでかなり別ゲー感があります。お気に入りのキャラクターを極めるもよし、色々なキャラクターを遊ぶも良し、基本プレイだけでも十分長く楽しめるでしょう。
私が初めてこのゲームをプレイした時、あまりに面白すぎてずっとこのゲームばかりやっていましたし、多分同じようにハマって何度も何度もプレイする人が出てくると思います。同じキャラクターを使い続けると徐々にうまくなっていく実感がありますし、弾丸の出方によってプレイ感も違ってくるので、何度プレイしてもまだまだ飽きません。
単純なバトルロイヤル模楽しいですが、それに加えて、ボスモードやソロモード、協力プレイなど、複数のモードがあるため、そちらもかなり何度も楽しめますね。
これら全てのモードを全てのキャラクターで遊びつくしたとしても、もう飽きたとはならないゲームですね。リアルタイム弾丸排除ゲームはそれを遊んでいるだけで普通に楽しいです。
ソロプレイ
このゲームはソロモードにも対応しており、ソロゲーム好きな方からは既にかなり高評価が出ている作品です。
どこまで生き残れるか「スコアアタック」とボスと戦う「ボスモード」がソロで楽しめます。
発売されたばかりということもあり、去年のBGGソロボードゲームランキングには登場しませんでしたが、今年は間違いなく100位内にランクインすると思いますね。
ソロプレイ好きな方にも文句なしにおすすめします。
気になる点
ゲームシステムとしては非常に高評価なのですが、それでも気になる点は幾つかあります。
- コンポーネントの質
- ルールの解釈
- ズルが出来る
コスト削減した結果か、ややボードやカードの紙質が弱いです。コンポーネントに関してはハイクオリティとは言いづらいというのは覚えておくのが良いでしょう。
特にカードに関してはハードスリーブに入れた方が絶対に良いですね。リアルタイムで作業した結果、カードを間違って折り曲げてしまう可能性もあります。ハードスリーブに入れたところ、カードの質は気にならなくなりました。
ゲームの内容に対してお値段はそれなりに安めなので、多少のコストカットは許容したいところですかね。
また、ルールに関してかなり解釈に迷うものがあります。ターゲットにするのはプレイヤー1人なのか、プレイヤー全員なのか、など特にボスモードで何度か解釈に迷って都度判断したということがありました。
この辺は自分のためにも何れFAQ集でもまとめていこうかと思ってます。
また、このゲームはやろうと思えば簡単にズルが出来てしまいます。全く条件を満たしていないのに条件を満たしたと嘘をついて弾幕を消してしまうなど。リアルタイムで自分の手元しか見ていないので、ほかのプレイヤーが一体どんなことをしているのか全くわからないわけです。
これは流石に信頼できる人と遊ぶとか、後はプレイ前にズルできちゃうけど駄目ですよって念を押すなどした方がよいと思います。ズルだけではなく、慣れて無く間違ってプレイしてしまっても、それに気づけないというのもあります。
総合評価
ということで個人評価は特大です。今年2021年のおすすめボードゲームのソロ部門でも総合部門でもランキングにランクインしますね。
一緒に遊んでいた仲間も何度も何度もプレイしたがっていたので、かなり中毒性があるレベルで楽しめると思います。軽量級のようなサクッと短時間でのプレイしやすさと、中量級以上のしっかりしたボードゲームのプレイ感が合わさったかなり優秀な作品です。
まだまだ飽きが来ず、何度も何度もプレイしたい作品の1つになりました。
個人評価:★★★★★★★★★☆
(9 – 素晴らしい。いつでもプレイしたい。)
『バレット』内容物
- ボード:20枚
- カード:120枚
- ヒートアップトラック:1枚
- マーカー:13枚
- アクションタイル:39枚
- 黒バッグ:4個
- 白バッグ:1個
- 弾丸:140個
『バレット』のスリーブ
バレットはパターンカードやサマリーなどがスリーブになっています。
結構柔らかい紙質のカードのため、リアルタイムで使用していると間違って曲げてしまいかねないです。なので間違いなくハードスリーブにいれた方が良いですね。かなりしっくりくるようになります。
63.5mm × 89mmのスリーブが130枚入っています。トレーディングカードサイズですね。
『バレット』紹介のあとがき
以上、ボードゲーム『バレット』のゲーム紹介でした。
発売当時から気にはなっていたものの購入しようというイメージなかったのですが、一度遊ぶ機会があったところドハマリ、面白すぎて即日に即購入してしまいました。
非常に優秀な弾丸パズルゲーム『バレット』。個人的には2021年かなりのヒット作の1つで非常にお勧めです。気になる方は是非チェックしてみてください。
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