本日のぼどろぐボドゲニュースです。
遂にこの季節がやってきましたね。つい先日ドイツ年間ゲーム大賞2021(Spiel Des Jahres)のノミネート作品の発表がありました。
今回はドイツ年間ボードゲーム大賞2021のノミネート作品の内容を紹介します。
SDJの公式サイトはこちら
▼SDJの2021年ノミネート作品も発表されました
【ボドゲニュース】ドイツ年間ボードゲーム大賞 概要
そもそもドイツ年間ボードゲーム大賞とは何ぞやですが、1年に1度この時期に発表されるドイツのボードゲームの賞で、30年以上の歴史を持つ世界で最も知名度の高いボードゲームの賞です。
- Spiel = Game
- Des = of
- Jahres = Years
なので、直訳するとGame of Years=年間のゲーム、それでドイツ年間ゲーム賞なんていう名前になっています。個人的にはドイツ年間ゲーム賞という言い方があまり好きじゃないので、ドイツ年間ボードゲーム大賞という書き方をしています。
- 一般向け
- 子供向け
- エキスパート向け
の3つの部門が存在します。
毎年この時期にノミネート作品の発表が各部門で3つずつあり、最終的にそれぞれの部門で大賞が決まります。
基本的にはボードゲーム初心者にとっても外れが無い、ボードゲームのラインナップになっているという印象です。
ドイツ年間ボードゲーム大賞 一般向けノミネート作品
30年以上の歴史を持つ賞。幅広い年齢層が楽しめるボードゲームが受賞する部門。
取り合えず歴代の大賞作品を遊んでおけば間違いないという印象の名作が多いですね。
The Adventure of RobinHood
ロビンフッドの冒険です。
絵がもの凄いアンドールの伝説に似ていると思ったのですが、それもそのはず。デザイナーはアンドールの伝説のミヒャエルメンツェルさん。
アンドールの伝説はシナリオ毎にストーリーカードが用意されており、プレイヤーは個別にアクションを行いつつもそのシナリオカードに従って物語が展開する仕組みになっていましたが、このロビンフッドは、なんとプレイヤーアクションなどは存在せず、ゲームブックに従って盤面上のコマが展開していくストーリー重視のボードゲームのようです。
分厚いストーリーブックを読んでいくと物語が広大なボード上で展開していくといった、なかなか画期的なシステムが取り入れられているようです。このデザイナーさんのストーリー仕立てのボードゲームが非常に面白いのは、アンドールの伝説をプレイしたことのある方ならよくわかると思います。
今回登場する9作品の中で、何と唯一日本語版の発売予定が未定の作品。
発売されるとしたらアンドールの伝説を発売していてKOSMOS社と繋がりのあるアークライトさんですね。版権モノでも無いですし、SDJノミネートの作品なので恐らく日本語版も発売されるでしょう。
ミクロマクロ:クライムシティ
2020年の注目作品の1つ。
簡単に表現すると「ウォーリーを探せ」に「事件解決」の要素を加えたボードゲーム。プレイヤー達は協力しながら1枚の巨大なマップの中で起きている犯罪と、その原因や結末を探し当てる協力型ボードゲーム。
全16個のシナリオが入っており、それぞれ何故どうしてその事件が起きたのかを、巨大なマップ内を探しながら当てていく。この巨大マップは複数の時間のスナップショットになっており、同じキャラクターも時間違いで何度もマップ内に登場するというのが大きな特徴です。
これは誰でも楽しめて間違いなく面白いおすすめボードゲームですね。
ホビージャパンさんから日本語版が発売済ですが、かなりの人気作で一時期品薄気味になっていました。
▼概要はこちらを参照下さい。
『ミクロマクロ:クライムシティ』ボードゲーム紹介とレビューゾンビティーンズ:進化の鼓動
ゾンビキッズシリーズの流れをくむ作品。
街に襲ってくるゾンビたちをヒーローであるプレイヤーキャラクター達で協力しつつ撃退しましょう、というボードゲーム。如何にもなアメコミ風のキャラクターが特徴的。
ミッションがあってそれらを協力しながら達成していくというのが特徴。それ以外の要素のどの辺に新しい面白さがあるのかは未知ですね。
すごろくやさんで日本語版発売予定。
SDJ一般向けの大賞予想
今年のSDJノミネート作品は、何と3作品とも協力型で、ミッションがあるタイプの作品となりました。
ぼどろぐ的な大賞予想は・・・
「ロビンフッド」
ですかね。
「ロビンフッド」は、非常に面白そうですが、去年の「キングスジレンマ」に感じたような雰囲気を感じます。ストーリー重視のボードゲームで一部の人はハマるけど、万人受けしない。。。と見せかけて、あのミヒャエルメンツェルさんの作品なので、アンドールの伝説がそうだったように、そのストーリーにワクワクが止まらない作品になっていると思っています。
アンドールの伝説のシナリオカード4枚程度でもあれだけワクワクして楽しめるのだから、ストーリー側に大きく寄せたらどれだけ楽しいんだということですね。
「ミクロマクロ」は、この中で唯一やったことのあるボードゲームですが、確かに非常に面白いですし万人受けするタイプです。類似なボードゲームが無いという点も高評価。
シナリオを全て解決したら、その先が無い点がやや不満。一応公式で追加のシナリオが少しだけ公開されています。気になる方は要チェック。
「ゾンビティーンズ」は、システム的な目新しさもわからないですが、ゾンビネタという点があまり大衆向きではないという印象です。アメコミ風なイラストも万人受けしづらい気がします。
ドイツ年間ボードゲーム大賞 エキスパート向けノミネート作品
ボードゲームになれており、何時間でもプレイするような人が好む、ややテクニカルなボードゲームが受賞する賞です。勿論ボードゲーム初心者でも楽しめる人は多い名作だらけです。
アルナックの失われし遺跡
ホビージャパンさんから発売された話題作アルナックの失われし遺跡がノミネート。
デッキ構築+ワーカープレイスメントの新しいシステムが特徴的な作品。デッキ構築しながらワーカープレイスメントしながら徐々にアルナックの遺跡の謎を解き明かして得点を稼いでいく。。
テーマ良し、システム良し、デザイン良し、完成度良し、と大きな欠点のない良作です。リソース用コンポーネントも石板や矢じりなど他に見ないタイプの気合の入りよう。
品薄状態です。
ファンタジーレルムズ
50枚以上のユニークなカードから一定枚数を組み合わせて、それらの手札のカードでコンボして高得点を狙うボードゲーム。
「ドラゴン系のカード1枚に付き10点」とか「このカードは1枚で50点だが、XXのカードを持っていたらマイナス10点」とか、そういう特殊な条件を満たすと得点が入るカードが大量に入っています。
見た目は非常にシンプルでカードの絵柄も凄い面白そうなのですが、実際にプレイしてみると得点の組み合わせが非常に難しく難解なゲーム(笑)。この点がエキスパート部門にノミネートしたポイントでしょうか。
アークライトさんから日本語版が出ています。
現在品薄状態のようですね。
パレオ
石器時代の生き残りをかけた協力型ボードゲーム。
食料集めて道具を作ってマンモスを狩って。。。ただし勝利条件は謎のマンモスの石板を集めて完成させることという謎の目的になっています(笑)。コンポーネントは石器時代を模したかなり特徴的な作りになっています。
カードの裏面で探索出来る場所はわかるが、そこを探索することで得られる表面の内容まではわからない、どこを探索しますか?という探索システムも特徴。
コンポーネントはしっかりしていますが、アートワークが若干地味な印象。ただ、KDJノミネートということで一気に注目度が高まるかもしれませんね。
10パターンのゲームモジュールの作りが用意されていてリプレイ性も担保されています。こういうセットアップの組み合わせが多く用意されている協力型のボードゲームが今年は多くノミネートしてますね。
日本語版はアークライトさんから発売されています。
KDJエキスパート向けの大賞予想
さて、、、今年の大賞受賞作品の予想ですが。。。
まあ順当に
「アルナックの失われし遺跡」
かと思います。
「アルナックの失われし遺跡」は、デッキ構築+ワーカープレイスメントという新システムでかつ面白い。テーマもしっかりしており隙のない完成度の作品という印象です。デッキ構築がやや弱いという点が個人的には気になるポイントですが、それでも周りでハマっている人も多いボードゲームです。
「ファンタジーレルムズ」はユニークなカードの出方に大分依存しており、戦略性という観点でも難があるように思うのと、淡々とカードを出していくというシステム的に若干インパクトが弱い印象です。
「パレオ」はそこまでチェックしてなかった作品ですが改めて見ると面白そうですね。特徴的なコンポーネントも良さそうですし、ゲームシステムとしても面白そう。こちらも大賞受賞しても良さそうですが、アルナックと比べるとインパクトが弱い感じがします。
ドイツ年間ボードゲーム大賞 子供向けノミネート作品
名前の通り子供が好むようなボードゲームが受賞する部門。
ただし、大人がプレイしても普通に面白いものが多いです。
ドラゴミノ
ドミノ+ドラゴンでドラゴミノ。2018年ドイツ年間ボードゲーム大賞受賞のキングドミノの作者の作品でそのテイストが含まれている。
長方形のドミノタイルを繋げていって、同じ色のタイルが繋がるとドラゴンの卵を貰える。ドラゴンの卵には当たりとハズレが一定確率で混ざっている。ドラゴンの卵を沢山集めていって得点を得ていきましょうという作品。
子供向けとは言いつつも普通に大人でも楽しめそうな雰囲気の作品。
日本語版は未発売だが、テンデイズゲームズさんより発売予定です。
ストーリーテイラー
大きな書物を模した箱が非常に特徴的なボードゲーム。
子供向けな童話な本を実際に読んでストーリーを進めつつ、各プレイヤーの投票で決めたプレイヤーが、登場するキャラクターの役をなり切って演じるという作品。まさにストーリーのテイラーを行う作品。
ストーリー形式な作品が今年は本当に多いですね。コロナ禍で集まりづらいというのも、こういうストーリーを楽しむタイプのボードゲームが多くノミネートしている一つの背景としてあるのでしょうか。
すごろくやさんより日本語版発売予定。
名探偵ミア・ロンドン
帽子・眼鏡・ひげ・ネクタイ、の4か所の組み合わせでモンタージュ写真を作成して、犯人を当てるボードゲーム。
大量のカードから犯人の手がかりを示すカードが1枚ずつ抜かれており、その抜かれたカードが何かを当てるゲーム。「クルード」のように推測していくタイプではなく、帽子・眼鏡・ひげ・ネクタイでデッキから除かれたカードがそれぞれ何なのかを目視で当てていく。それら抜かれた4つのパーツを組み合わせたのが犯人像。
すごろくやさんより日本語版発売済です。
子供向けの大賞予想
これは中々難しい予想になりますね。個人的な好みは置いておいて、どれも子供向けとしては出来の良いボードゲームに見えます。
個人的には大賞は
「ドラゴミノ」
ですかね。
「ドラゴミノ」はキングドミノが過去に大賞を受賞しているわけで、似たようなゲームが受賞するのは若干考えづらいかもしれませんが、まさにボードゲームという感じのボードゲームなので、順当にいけば受賞しそうな気がします。
「ストーリーテイラー」も中々面白そうな作りになっていますが、子供向けメインな感じがするボードゲームで、大人が果たしてどれだけ楽しめるのかという感じ。なんだかんだで大人も楽しめるボードゲームがキッズ大賞を取っている気がします。
「名探偵ミア・ロンドン」は純粋にキャラクターものは受賞しづらいように思います。
ドイツ年間ボードゲーム大賞2021ノミネート作品紹介 あとがき
今年のドイツ年間ボードゲーム大賞2021のノミネート作品の紹介でした。
一年あっという間でしたね。去年の「ザ・クルー」とか「マイシティ」とかその辺が発表されていた頃が懐かしいですね。なんだかんだでこの一年間色々なボードゲームで遊べていることに感謝です。
振り返ってみると去年のドイツ年間ボードゲーム大賞ノミネート作品は、軒並み日本語化されており多くの人に楽しまれているボードゲームが多いように思います。
今年もどのボードゲームが受賞するか楽しみですね。ロビンフッド以外全て日本語化されているのはボードゲームファンとしては大変ありがたい限りです。ロビンフッドも日本語化されるでしょうし楽しみですね。
大賞を受賞するのは一体どの作品なのでしょうか。
次回は大賞発表時に記事にします。
▼SDJの2021年ノミネート作品も発表されました
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パレオには手札が存在せず、誰も内容はわからないですよ!
>匿名さん
コメントありがとうございます
ご指摘いただいた内容修正しました