今回の記事は「トリックと怪人」についてです。
先日初めてこの「トリックと怪人」をプレイする機会があったのですが、あまりの面白さに即購入してしまいました。
そこで今回は「トリックと怪人」の魅力を紹介していきたいと思います。
「トリックと怪人」シンプルながら奥が深いおすすめ推理ボードゲームルール紹介
まずは、トリックと怪人の簡単な概要とルール紹介から。
トリック怪人の概要
マクガフィンをめぐる怪事件。捜査官らはついに有力な容疑者を報告するに至った。犯人逮捕は目前に迫っている。 しかし、この事件は裏であの【怪人】が手を引いているようなのだ。怪人の姿を見たもので帰ってきたものはわずか。巧妙な変装で姿をかくす怪人は、どこに潜んでいるのか。用心せねば・・・ 思惑を読み、怪人に気をつけながら犯人を見つけ出すことを目指します。短時間で手ごたえある推理が楽しめる、ミステリー・カードゲーム。頭脳戦を、どうぞ。
- 商品名:トリックと怪人 / Tricks and the phantom
- 作者: 齋藤隆
- プレイ人数:3〜4人
- プレイ時間 :15分
- 対象年齢:9歳以上
トリックと怪人は、2017年秋のゲームマーケットで発売され、当時かなり話題になったボードゲームのようです。(私は残念ながら2017年秋のゲームマーケットは不参加でした)
インディーズゲームということでシンプルなコンポーネントで500円で発売されていましたが、それをリメイク版としてコンポーネントを作り直したのが、今回紹介するオインクゲームスから出ているバージョンの「トリックと怪人」です。
今から入手するのであれば、このオインクゲームスバージョン一択でしょう。値段は大分上がっていますが、コンポーネントの質は当然こちらの方が上です。いつものオインクサイズの箱に入っているため持ち運びも容易。
ゲームの概要としては、各人が手札を場に裏向きに出して、その場のカードの情報から犯人が誰かを推理するゲーム、となります。
とは言っても、苦手な人も多い人狼のように嘘をついて犯人であることを隠すというような正体隠匿型ではなく、単純に出したカードの数字が大きいプレイヤーが犯人になるというシンプルなルールです。
しかし、各カードには特殊能力が色々あり、例えば数字の大きいプレイヤーを排除するようなカードも入っていたりします。
そのため、単純に数字が大きいプレイヤーが勝つとは限らないようになっています。
後で説明しますが、場に出したカードや過去場に出されたカードから、ある程度誰が犯人になりそうか、自分は犯人になれるかを推測できるようになっています。
推理ゲームというだけあって、ある程度ロジカルに考えないと勝てないようになっています。しかし、怪人カードの存在がロジカルに考えているプレイヤーのロジックを破綻させてきます。
これらの各種特徴的なカードの存在や、各プレイヤーの思惑の絡み合いが非常に面白いおすすめボードゲームです。プレイ時間もサクッと短いのですが、気軽に奥深い戦いを楽しむことが出来ます。
私の知っているもので似たゲームは、あまり他に無いように思います。
トリックと怪人のルール詳細
ここからはトリックと怪人のルール詳細をサクッと紹介していきます。
カードの種類紹介
まずはカードの種類の紹介から。
色は、赤・青・黄・無色、の4種類。数字は10~1で数字が大きいプレイヤーが犯人になります。
これら特徴的なカードの絡み合いが最大の特徴で非常に面白い点です。
10:政治家(青)一番数字が大きいカードで、犯人になりやすいです。ただし、赤5の鑑識屋が場に出ると無効化されます。また、黄2のバー店主が場に出ると、負けてしまいます。
9:やくざ(青)2番目に数字が大きいカードで、犯人になりやすいです。ただし、赤4の道具やが場に出ると無効化されます。
8:マダム(赤)3番目に数字が大きいカードで、犯人になりやすいです。特徴はないですが、これより上の青2つは除外されることが多いため、それなりに勝てます。
7:実業家(青)効果は特にないですが、対マダムには負けてしまいます。他プレイヤーに取ってみると青10や青9に見えることも・・・
6:刑事(黄)黄色の最大数値カードです。青がいるだけで数字では勝てないので犯人にはなりづらいですが、なれれば獲得勝利点が倍になります。
5:鑑識屋(赤)青10の政治家を除外できます。このカードが犯人になることは稀ですが、赤が1枚でも場に出ると10は怪しくなります。
4:道具屋(赤)青9のやくざを除外できます。これも鑑識屋同様です。赤が2枚でたら青はかなり怪しいです。
3:運び屋(黄)自分以外のカードが全て5以上ならこのカードが犯人になります。数字で勝てることは稀ですが、他が全て5以上という状態はそれなりに起きて、犯人になることも多い印象です。
2:バー店主(黄)数字ではどう頑張っても勝てませんが、青10の政治家が場に出れば犯人になります。赤5鑑識屋と一緒に出た場合は・・・除外優先だった気がします。
1:怪人(無色)。タイトルに入っている怪人ですが、残念ながら犯人にはなれません(笑)。しかし、無色なので色を好きに置くことが出来ます。万が一犯人だと間違えさせたなら、そのプレイヤーから1点奪うことが出来ます。このカードだけ2枚入っており、このカードの存在が場をカオスにします。
青:数字が大きい
赤:数字は中くらい
黄:数字は小さい
という特徴があることがわかります。
セットアップ
各プレイヤーに虫眼鏡トークンを配ります。これは、誰が犯人だと思うか?、の投票に使用します。
各プレイヤーに赤・黄・青の色宣言トークンを配ります。これは、自分のカードが何色か?、の宣言に使用します。
各プレイヤーに全部で11枚あるカードから各2枚ずつ配ります。
セットアップは以上です。簡単ですね。
カードのプレイ
各プレイヤーは親から時計回りに、手札から1枚のカードを裏向きに場に出します。
カードは全部で11枚ありますが、カードにはそれぞれ色がついています。各プレイヤーは嘘をつかずに、自分の出したカードが何色かがわかるように、手持ちの色宣言トークンをその上に置きます。
例えば、黄色のカードを場に出したなら、出したカードの上に黄色の宣言トークンを置きます。これはつまり、他のプレイヤーからはこのプレイヤーは黄色の何らかのカードを場に出した、ということがわかります。
黄色は数字が小さいため、このプレイヤー犯人にはなりづらいカードだということがわかります。
注意点としては嘘をついてはいけません。必ず正しい色宣言トークンを出さないといけません。
ただし、無色1の怪人にはそもそも色が書いていないので、好きな色を場に出すことが出来ます。
赤でも青でも好きな宣言トークンを出しましょう。
このカードの存在がこのゲームの情報を混乱させます。自分が青だと偽って、犯人だと惑わしても良し、赤だと偽って、青プレイヤーを排除しても良し。
このカードがあることで、完全な推理はほぼ成り立たないようになっています。必ず何か必要な情報が足りない中で選択を迫られることになります。
犯人の推理(推理トークンの配置)
今度は親の左のプレイヤーから逆順に、どのカードが犯人か?を推測します。順に推理トークンを置いていきます。
基本的に数字が大きいプレイヤーのカードが犯人です。自分を犯人だと指定しても良いです。
例えば、自分が青10政治家を場に出しているのなら数字の上では必勝ですが、特殊効果が沢山あるのでどうなるかは完全には読めません。
実はここもかなり重要なフェイズになります。何故ならほかのプレイヤーが何故犯人がそのプレイヤーだと思うか、という点も推理ポイントだからです。
青を場に出しているのに自分を指定しなかったというのは、無色1の怪人だから?それとも青7の実業家で他の青に勝てないから?、みたいな推理が始まります。
赤を場に出しているのに青を出したプレイヤーを指定しているのは、あれは青を除外するカードではないということ?、みたいな推理も。
他のプレイヤーの推理を基に誰が犯人なのかを考える、これがまた頭を使って悩ましくなっています。また、怪人だと偽っているプレイヤーを当ててしまうと点数がとられてしまうので注意が必要です。
カードの公開と得点
犯人のプレイヤー:1点
犯人を当てたプレイヤー:(プレイ人数-当てたプレイヤー)点
怪人を指定したプレイヤー:怪人を出したプレイヤーに1点取られる
得点は上記3種類です。
基本的には犯人当てることが出来れば高得点。3~0点もらえます。
怪人だと偽るプレイも上手くいけばかなり高得点を得ることが出来ます。
次のプレイ
手札は2枚から始まっているため、次のプレイは1枚で同様にプレイします。
つまり、既に何枚か場に出ているカードがあるため、次のプレイではかなり推理が捗ります。1回目で青が2つ出ていたなら次の青は残る1種類ということです。当然怪人が荒らしてくる可能性もありますが(笑)
この2枚目プレイ時は、1枚目より更にしっかり推理出来て面白いわけです。
これが2枚目も終わったら、再度11枚をシャッフルして2枚ずつ配ってプレイします。
これを終了条件を満たすまで続けます。
終了条件
いずれかのプレイヤーが10勝利点を獲得すること
「トリックと怪人」シンプルながら奥が深いおすすめ推理ボードゲームレビュー
このゲームを絶賛している方がいらっしゃって、あまりの絶賛ぶりに折角だからと一緒にプレイしてみた作品。
おすすめ度は文句なしに5点満点で5点ですねこれは。
このボードゲーム本当に面白いです。最近発売されたUMAを探すクリプテッドとか、ああいう限られた情報から頭を使って推理することが好きな方には、ドストライクだと思います。謎解きや脱出ゲームとかが好きな人もマストバイでしょう。
場に出されたカードやほかのプレイヤーの推理状況など、限られた情報から推理する楽しさ、更に、怪人カードの存在による不確定要素の多さや怪人だと悟られないように怪人プレイする楽しさ、推理好きには溜まりません。
また、嘘をつく必要は全くないため人狼のような気の重さはないのも、個人的にはお勧めポイントです。唯一相手を惑わす怪人カードも、場に出して適当な色トークンを置けばそれでいいだけです。
怪人カードは相手をだます目的ではあるけど、そこに嘘をついてドキドキするなんてことはありません。なんせ怪人カードにはそもそも色がついていませんし、仮に怪人だとばれたところで、大したデメリットはありません。
完璧な推理というものがほぼ存在しないため、ある程度適当にプレイしてもゲームとしては成り立つのも良い点でしょう。ただ、何回もプレイを続けると、本当に何も考えない適当プレイでは徐々に負けていくとは思いますが。
名前から受ける雰囲気ほどルールは難しくはなく、むしろ簡単な方ですね。非常にシンプルに出来ておりこの軽さも素晴らしい。
10点獲得まで遊ぶと長いですが、例えば5点先取にして、気楽にちゃちゃっと15分位遊ぼうという使い方も出来ます。
勿論10点獲得するまで長々とやるのも良いでしょう。
一度始めると何度も遊びたくなる面白さがあります。終わった後は何故そのプレイヤーを犯人だと指定したのかなど、プレイ毎に感想戦みたいなのが始まるのも面白い(笑)
私の今年の軽量級ランキングでは、間違いなく上位に食い込む作品ですね。
4人ベストだと思いますが、3人でも十分面白くなるようにルール調整されており、3人プレイも面白いです。
こういうと怒られるかもしれませんが、オインクさんのボードゲームはほどほどの面白さという印象だったのですが、これは確実に頭一つ抜きんでてます。
オインクさんの2020年8月時点で発売されている作品の中では一番好きなボードゲームです。
以上、オインクゲームスさんから発売されているトリックと怪人の紹介でした。お手軽だし値段もお手頃、それでいてずっと遊んでいられる面白さ。
今年プレイした掘り出し物ボードゲームの1つですね。未プレイの方は是非プレイしてみてください。かなりおすすめです。
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