今回はホビージャパンさんより発売予定のボードゲーム「世界の七不思議:建築家たち」のゲーム内容を紹介していきます。
かのドラフトの名作「世界の七不思議」の名前を関していますがなんと拡張などではなく、独立したタイトルになっています。
ということで「世界の七不思議:建築家たち」がどういうボードゲームなのか、所感とルール紹介を交えて説明していきます。
基本情報
デザイン | System: Antoine Bauza Art: Etienne Hebinger |
---|---|
プレイ時間 | 約25分 |
プレイ人数 | 2-7人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
版元 | Repos Production |
販売 | ホビージャパン |
発売日 | 2021年10月 |
希望 小売価格 | 6,160円(税込) |
ボードゲーム概要
壮大な七不思議の建造物を建築し、世界の歴史に名を刻め!
あなたの目的はただ一つ――歴史に名を刻む壮大な七不思議の建造物を建設することです。
遺産が残るかどうかはあなた次第です!
引用:ホビージャパン公式HP
世界の七不思議は言わずと知れた名作のドラフトボードゲームですが、この「世界の七不思議:建築家たち」は世界の七不思議のテイストはそのままに、一部のシステムをうまく調整した独立バージョンになっています。
ルール概要
ざっくりルールを紹介していきます。元の世界の七不思議に比べても非常にシンプルになっています。
七不思議の選択
今作はプレイヤー毎に異なる七不思議を1つ担当することになり、その建築を目指します。
▼ユニークな形状と能力を持った七不思議のいずれか1つを選択してゲーム開始
オリジナルバージョンだと、七不思議は別に建築完了を目指さなくてもよかったですし、建築するメリットがないこともありましたが、今作は否が応でも建築していくことになりました。
手番でやること
毎ターン全プレイヤーは以下のいずれかのアクションを選択します。
- 左隣のプレイヤーと自分の間の、表向き山札から1枚取ってプレイ
- 右隣のプレイヤーと自分の間の、表向き山札から1枚取ってプレイ
- 全プレイヤー共通の、裏向きの山札から1枚取ってプレイ
つまり、いずれか3つの山札から1枚取得して、場に出すだけです。非常に簡単ですね。
カードの要素
オリジナルにも登場したカード要素は大体登場します。
- 軍事(赤色):隣国との戦闘時に参照
- 資源(灰色):七不思議建築の資源をもたらす
- 科学(緑色):特殊能力をもたらす進歩トークンの獲得に使用
- 商人(黄色):ワイルド資源であるお金をもたらす
- 建築(青色):即座に勝利点をもたらす
終盤の特殊勝利点である紫のギルドカードだけがなくなった模様。また、木材などの通常資源とガラスのようなレア資源に差はなくなったようです。
オリジナルの世界の七不思議では、個々のカードに使用制限(主に資源が必要)があったのですが、今作ではカードに使用制限がありません。
そのため、カードを配置したことで使用可能になるアクションは、すべて強制的に発動することになります。使わずにとっておくことはできません。
七不思議の建築
各プレイヤーが持っている七不思議は5つのパーツからなり、下段のパーツから作成して、最上段のパーツが完成させれば、七不思議の完成です。
各パーツは完成させる毎に勝利点が入るようになっており、下段は勝利点が低く、上段は勝利点が高くなるようにできています。
また、パーツによっては完成させると、その七不思議の特殊能力を発動させられるものもあります。
建築方法は、同じか異なる「素材」を一定数集めたら即完成です。下段は「同じ素材2」とか「異なる素材2」を集めれば完成させられるようになっており、最上段は「異なる素材4」とかで完成させられるようになっています。
素材カードを引いて手元に必要な資源がそろったら、強制的に資源を消費して、建築が進みます。
ゲーム終了条件
何れかのプレイヤーの「七不思議」が完全に建造されたらゲーム終了です。
得点計算と勝利条件
得点は以下の通り。
- 七不思議の建築による得点
- 建築物(青カード)による得点
- 軍事勝利による得点
- 科学トークンによる特殊得点
- 猫トークンによる得点
これらを合計して最も得点の多いプレイヤーの勝ち。
ちなみに猫トークンは青のカードで獲得できるスタートプレイヤーマーカーのようなイメージのトークンです。
オリジナルの世界の七不思議との違い
ざっとまとめてみます。
- ゲーム終了条件:3ラウンドではなく、七不思議の建築完了になった
- ドラフト:ドラフトは廃止され、3山から1枚選択になった
- 特殊能力:世界の七不思議によるプレイヤー毎の特殊能力が増して特徴がついた
- 資源:世界の七不思議建築専用になった
- 資源:通常資源とレア資源の区別がなくなった
- 軍事:戦争の発動条件が増え、軍事勝利点が獲得しやすくなった
- 科学:勝利点ではなく特殊トークン獲得用になった(七不思議Duelと同じ)
- お金:オールマイティ資源になった
- その他:ギルドカードがなくなった。
「世界の七不思議:建築家たち」レビュー
「世界の七不思議:建築家たち」 のレビューになります。
プレイ前の所感
あの名作「世界の七不思議」の最新バージョンが登場です。
本作を最初見たときは拡張セットなのかと思ったのですが、完全な独立拡張セットになっています。
もともとのゲームだと「世界の七不思議」の建築はそこまで重要ではなく、余力があったらとかほかにやることがなければやる、位のものだったのですが、本作は「世界の七不思議」の建築自体が目的になりました。
このゲームの代名詞だった「ドラフト」ですが撤廃になり、代わりに山札から3択で選択する方式に変わりました。プレイ時間は非常に短縮になりますが、プレイヤー間のインタラクションや選択の自由度という意味ではやや減ったように思います。
「科学」の仕組みは、Duelと同様に特殊能力をもたらすトークンを獲得するに変更になりました。これにより複数プレイヤーが「科学」ばかり集めて共倒れする、というケースが減ったように思います。Duelに入っているこの仕組みは非常に面白いと思うので、個人的には単なる勝利点よりこちらのほうが面白いと思いますね。
「軍事」も元々の「世界の七不思議」だと、全3回しか発動せず、投資の割には非常にリターンが少ない勝利点獲得手段でイマイチだったのですが、本作では獲得するカード次第では何度も戦争が発動するようになっており、軍事得点もかなり期待できるようになっています。
もともと遊びやすいように作られていた「世界の七不思議」ですが、更に遊びやすくシンプルになっており、それでいて面白さは相変わらず面白い作りになってそうです。プレイ時間も30分切っているようで中量級の中でも軽いほうになってますね。早く遊んでみたいですね。
このゲームの元ネタの「世界の七不思議」は、カードの種類が大量にあって、一見すると複雑そうな重量級ゲームに見えるのですが、実際にはプレイ感は軽く、ドラフトによる全プレイヤー同時進行のプレイでプレイ時間も非常に短く終わります。
非常におすすめなのでオリジナルバージョンも未プレイの方には超おすすめです。
また、2人専用になった「世界の七不思議Duel」は更に改良がくわえられており、2人専用ボードゲームとして非常に高い評価を受けています。こちらも非常におすすめできるゲームです。
プレイ後のレビュー
思ったより世界の七不思議の要素を残しつつ、それなりに違うプレイ感の作品になっています。
シンプルなプレイ感が良い
ドラフトはなくなり、3つの場から1枚を引いてそれを強制発動させる、という非常なシンプルなルールになりました。
引いたカードの効果は強制発動な点が良く、軍事強化したくなかったり、終わらせたくない場合でも間延びせずに強制的に発動させられます。
軍事強化が良い
オリジナルバージョンだと軍事は大した得点にならず非常に弱かったのですが、今作では比較的軍事は強化されています。それなりにポンポン得点が入ってくれるので、軍事狙いも普通に面白い作戦になっています。
科学トークンが良い
オリジナルバージョンだと科学は得点源でしかなかったわけですが、本作では科学トークンで特殊能力を獲得できるようになりました。七不思議Duelと同じシステムです。
これが中々気持ちよくできています。
特定の行動したら+1行動のようなトークンもあり、連続行動して高得点を稼げるようになります。
また、特定の行動が得点になるようになり行動の指針にもなります。
コンポーネントが良い
7不思議の7つのコンポーネントが中々しっかりよくできており、建築している感が出ているのが良いですね。箱はそれなりに大きいですが7種類のコンポーネントを入れられるようになっており、大きいだけの理由があります。
七不思議ごとの特徴がある
それぞれの七不思議には特殊能力があり、強みがあります。これがそれぞれ違うのでプレイ毎のプレイ感の違いにも影響してきます。建築するコンポーネントの見た目も違うのも良いですね。
気になる点
- 共通デッキから引きがち
- 建築物(青)のイマイチ感
毎手番3つの選択肢から引くわけですが、資源カードは特に獲得しづらいので、皆こぞって優先的に獲得しようとします。その結果、軍事や建築物などが残ってしまい、結局ランダムで中央から引くことが多くなってしまいます。
最初は良いのですが、途中から皆ガンガン中央からランダムに引く選択をすることが多くなりがちですね。
それに拍車をかけているのが、青カードの存在です。ただの勝利点用のカードで、正直面白みがないのであまり獲得されない傾向にあります。獲得されないので、左右のカードは青カードがたまりガチになり、先ほど書いたように中央からランダムで引く、ということが増えるわけですね。
1手番3点と考えると実はそれなりに効率良いのかもしれませんが、イマイチ面白みはないですね。
ホビージャパンさん公式プレイ動画でもそんな感じになっていたので、やはりこの傾向はあるでしょう。
総合評価
中々面白く普通に何度も遊びたい作品です。
個人評価:★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ☆ ☆ ☆
(7 – 良いボードゲーム。大抵は喜んでプレイする)
内容物
- カード 235枚(54×81mm)
- 七不思議 7つ
- カードホルダー 7つ
- トレイ 8つ
- トークン 50枚
- ルールブック 1部
「世界の七不思議:建築家たち」のスリーブ
「世界の七不思議:建築家たち」は54x81mmのカードが235枚入っています。
プレイ毎にフルシャッフルして山札を作るため、スリーブはあったほうが良いですが、スリーブを入れると箱やトレイに収まらなくなるというトラップがあります。スリーブを入れる際はご注意ください。
あとがき
以上、ボードゲーム「世界の七不思議:建築家たち」のゲーム紹介でした。
「世界の七不思議」を改良した非常に良いゲームですね。ゲーム性もそうなのですが、あのデザインも個人的には非常に好みです。
プレイ感も軽く幅広い層にお勧めできる作品です。
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