ドミニオンの15個目の拡張「略奪(Plunder)」のカードレビュー続きます。
今回は、過去のドミニオン拡張で登場し、もはやお馴染みになったルール「イベント」のカードレビューになります。
ドミニオン「略奪(Plunder)」:イベントカードレビュー
「イベント」はドミニオン「冒険」で初登場したルールで「一度きりの効果を買う」イベントカードが全員共通のサプライに用意されるルールです。
イベントは王国カードの獲得と違い、購入後即発動する一度きりの効果になってしまうため、中々調整が難しいルールのようです。イベントのルールが初めて登場した「冒険」のイベントルールは、正直コストに見合わないへんてこりんなものが多く、正直使っていてあまり面白くありませんでした。
しかし、その後拡張が進むにつれてかなりコストと効果のバランスが取れてきており、最近のドミニオン拡張に入っているイベントは使っていて、かなり面白くわかりやすいものになっていました。
そんなイベントルールが本拡張でも再登場することになりました。
一体どんな調整がされているのか非常に楽しみですね。全てレビューしていきます。
Bury(埋葬)
コスト | 1 |
タイプ | イベント |
効果 | ・+1購入 ・あなたの捨て札からカードを1枚デッキの一番下に置く |
イベントカードトップバッターは1コストのイベント「埋葬」。
捨て札の1枚を比較的早く使用可能になるデッキの一番下に置く効果。
この効果を狙って使うものではなく、丁度1コスト余ったおまけに使う効果って感じでしょうか。
しかし、無理やり使わせるのではなく、おまけで使えるという設計はGood。効果自体は協力というほどでもないですが、使えば確実にちょっとしたアドバンテージになりますし、1コスト余ったら上手くイベントを使いこなそうってなります。
ちなみにイベントの使用には購入権を消費するため、プチ効果なイベントには大抵+1購入がついています。この+購入を付けずに死ぬほど使いづらくなっていたのが初代「冒険」のイベントたちです。イベントを使った結果、デッキ強化のためのカードの購入が出来なくなるとか本末転倒ですわな。
プレイ前評価:★★★☆☆
Avoid(回避)
コスト | 2 |
タイプ | イベント |
効果 | ・+1購入 ・このターン次にデッキシャッフルする際、3枚までのカードを選択して捨て札に置く |
デッキシャッフル時に不要なカード3枚を除外して、次のデッキの質を一時的に上げるイベント。
2コストの価値があるか?ですが、結構絶妙なコスト設定だと思います。
次の山の中に屋敷3枚が無いだけで、かなりフィーバーできるであろうことは想像に容易いですよね。引いた手札が銅貨x5だったとしても5コストの強力なカードが買えますし悪いこと無いです。
リシャッフル直前の+金次第ですかね。2金しかないなら是非このイベントを買うべきでしょうし、6金あるならやはり金貨などを買った方が良い気がします。3コスト位までならこのイベント買ってしまっても十分元が取れる気がしますね。
買う機会とコストだけの価値があるというだけで、良いイベント設計といって良いでしょう。
プレイ前評価:★★★★☆
Deliver(配達)
コスト | 2 |
タイプ | イベント |
効果 | ・+1購入 ・このターン、カードを獲得する度に端に置いておく。ターン終了時にそれらを手札に入れる。 |
獲得したカードを全て次のターンの手札に入れるという凄い効果。
ただ、1枚で使用するにはちょっと微妙で、手札に6金あったのを、4コストのカード1枚獲得と、このイベントに使用する、だと大分イマイチ。
真価は獲得系カードと合わせて使うことですが、イベントを購入するのは購入フェイズのため、獲得できる条件は限られています。
しかしこの拡張にはカードを獲得できる財宝カードが沢山入っているので、それらと組み合わせて使うと、次のターンに2,3枚送り込めるでしょう。上手く2,3枚送りこめればこのイベントを使った価値ありですね。
プレイ前評価:★★★☆☆
Peril(危機)
コスト | 2 |
タイプ | イベント |
効果 | ・あなたはアクションカードを1枚手札から破棄し、戦利品1を獲得しても良い |
前回紹介した戦利品カードを獲得するためのアクション。
戦利品は7コスト相当のカードパワーを持っているため、低コストアクションを破棄する価値は十分にあります。
破棄時効果を持つアクションがあるなら一石二鳥で技ありコンボですね。
効果として強いためか、このイベントには+購入がついていません。そのため+購入を付けないとこのイベント以外のカード購入が出来なくなってしまいます。
ただ、それを差し置いても、強力なイベントであることは間違いないでしょう。戦利品がかなり強いため、そのターンの他のカード購入を放棄しても買うべきイベントだと思います。
プレイ前評価:★★★★★
Rush(ラッシュ)
コスト | 2 |
タイプ | イベント |
効果 | ・+1購入 ・このターン次にあなたがアクションカードを獲得する際、それをプレイする。 |
獲得したアクションカードを即発動させる効果。まさにラッシュ。
こういうカードがあるから購入フェイズにいきなりアクションが発動したりするんですよね。前回の記事でも書きましたが、もはやアクションフェイズと購入フェイズの境目がぼんやりしてきてます。
便利な効果だと一瞬思ったけど、これ使いたいケースっていったいどんな状況なのかしら。+アクションが足りないと思って村を買っても、購入フェイズなので続くドローの鍛冶屋などは使えないわけですし。
6金ある状態で、これと民兵買って即民兵アタックするとか。。。
6金ある状態で、これと鍛冶屋買って+3ドローにかけるとか。カウンティングして山札の構成が把握できてたら有効かも?
いやー・・・珍しく微妙な感じのするイベントですね。この組み合わせなら!というカードが見つかれば評価が変わるかもしれませんが、今のところこれというカードは無く。低評価です。
プレイ前評価:★☆☆☆☆
Foray(襲撃)
コスト | 3 |
タイプ | イベント |
効果 | ・3枚捨て札にしそれらを公開する。それら3つが異なる名前場合、戦利品1を獲得する。 |
名前はアタックっぽいけど効果は単純に戦利品を得るための効果。
手札3枚捨てて別名なら戦利品1。銀貨・銅貨で3金捻出してこれを買い、屋敷・銅貨・他何かで達成。上手くデッキを作り、運が良ければ序盤の序盤、3ターン目から発動させることも出来ますね。
戦利品は金貨よりも価値が高いカードなので序盤で獲得できれば非常に大きなアドバンテージを得ることになる。このイベントを狙ったデッキ構成にするのも悪くないと思う位強いイベントカードだと思いますね。
プレイ前評価:★★★★★
Launch(進水)
コスト | 3 |
タイプ | イベント |
効果 | ・1ターンに1度だけ、あなたのアクションフェイズに戻る。 ・+1ドロー、+1アクション、+1購入 |
もう1ターン、、とまでは行かないがちょっとした+ターンもどきが得られるイベント。中々面白い設計。
購入するとアクションフェイズまで戻ってしまうため、使いこなすには+購入アクションを使って他のカードを獲得して余剰資金でこのイベントを買う必要がある。
しかし戻ったところで+1ドロー、+1アクションではそこまで期待できないか?
ここまで書いて思ったのは、これは追加のアクションフェイズとかそういうわかりづらい効果ではなく、+1ドロー+1アクションを3コストで購入するというイベント相当ですね。
手札に鍛冶屋しかない、という状態でもいきなりこのイベントを買えば、3金は使うものの、合計+2アクションになるので遠慮なく村鍛冶屋コンボを発動させることが出来ます。
ただ・・・面白いけど使いこなすには結構状況が限定的で難しそうな印象です。
プレイ前評価:★☆☆☆☆
Mirror(鏡写し)
コスト | 3 |
タイプ | イベント |
効果 | ・+1購入 ・このターンアクションカードを獲得する際、そのコピーを得る |
3コストを払うことでコピーできる効果。しかし3コスト払ってしまうと大分厳しいのでは?
8金ある状態で、属州を買わずに、5コストのカードを2枚確保する、とかそんな使い方でしょうか。
7金ある状態で、4コストのカードを2枚獲得、は流石にイマイチな気がします。
大分状況が限定されてますが、序盤の属州より5コストカード2枚の方が確実にデッキを回してくれるので、属州を買う代わりの序盤のデッキ強化には使えそうですね。
プレイ前評価:★★☆☆☆
Prepare(支度)
コスト | 3 |
タイプ | イベント |
効果 | ・あなたの手札を表向きに横に置いておく ・次のターンの開始時、それらのアクションと財宝を好きな順でプレイし、残りを捨て札にする。 |
今ではなく次のターンにかける効果のカードは沢山あり、これも性質上今のターンは捨てる覚悟が必要です。
下手に今のターンで何かするより、全て次のターンに回して、次のターンでフィーバーするのは良い戦法だと思います。
中盤以降は2ターンに1枚属州を買えれば及第点なので、これを使って2ターンに1枚属州を買える状況にするのが良さそうです。
+アクションが無いアクションも勝手に次のターンに発動させてくれるので、これは楽しくなれそうです。かなり使える機会が多いと思うので高評価。
プレイ前評価:★★★★☆
Scrounge(かき集める)
コスト | 3 |
タイプ | イベント |
効果 | ・次から1つ選択。手札からカード1枚破棄。もしくは、破棄置き場から屋敷1を獲得し、5コストまでのカードを獲得。 |
3コストで手札のカードを1枚破棄は、流石にやや弱いですが、3金で5コストカード確保可能なのは魅力的。
このカードの効果で屋敷を破棄しても、他のプレイヤーに利用されてしまうだけなので、何らかのアクションなどの効果でたまたま屋敷を破棄して、たまたま手持ちが3金だった場合に買うなどすれば良さそう。
狙って使うイベントではないと思いますね。
プレイ前評価:★★☆☆☆
Journey(旅)
コスト | 4 |
タイプ | イベント |
効果 | ・1ターンに1度だけ、前のターンがあなたのターンではなかった場合、クリーンアップフェイズでカードをプレイから捨て札にせず、追加の1ターンを得る。 |
追加のターンを得るイベントは過去にも存在していて、基本的に4コストの設計です。
「クリーンアップフェイズでカードを捨て札にしない」という過去の追加ターンカードには無い制約がついています。
これは村鍛冶屋などのエンジン系デッキで大量ドローして購入しまくってからの追加ターンで、再度エンジンで大量ドローみたいな事態を防ぐための効果ですね。
当然+1ターンは強い効果で4コストの価値ありです。属州1枚買って+1ターンみたいなことは普通に有りそうですし、このイベントのためにも+購入を意識して買う価値も出てきそうです。
また、属州買いたいのに4コストしかない、みたいな状態でも、このイベント使って追加で1ターン貰えればかなり有効活用できているでしょう。
使えるイベントの1つと予想します。
プレイ前評価:★★★★☆
Maelsrom(大渦)
コスト | 4 |
タイプ | イベント |
効果 | ・手札から3枚捨て札にする。手札が5枚以上の他のプレイヤーは、その中から1枚を破棄する。 |
ミールシュトローム。ゲームの技名とかで出てくる奴ですね。
何と相手の手札を破壊するためだけのイベントです(笑)。自分にも大きくデメリットがあるので、今の自分のターンを捨ててでも相手のデッキを破壊したい人向けです(笑)。何という効果だ・・・
やみくもに使っても相手は屋敷や銅貨を破棄してごちそうさまってなるだけなので、真に有効活用するには相手の手札を見るための何らかの方法が必要でしょうね。
流石に使いづら過ぎるんじゃないでしょうか。
プレイ前評価:★☆☆☆☆
Looting(略奪)
コスト | 6 |
タイプ | イベント |
効果 | ・戦利品1を得る |
6コストで戦利品1を得るイベント。
戦利品は6コストの金貨よりも明確に強い設計になっているので、これは超わかりやすく強設計のイベントです。
金貨を買うなら大体のケースでこのイベントを買いましょう。逆に買わなければ大きなディスアドバンテージになりますね。
プレイ前評価:★★★★★
Invasion(侵略)
コスト | 10 |
タイプ | イベント |
効果 | ・あなたは手札からアタック1をプレイしても良い。 ・公領を獲得する ・アクション1を獲得し、デッキトップに置く。 ・戦利品1を得て、それをプレイする。 |
大きくコストを上げて10コストのイベントが登場。イベントは買い切り効果なのでこういうはっちゃけたコストと効果のカードを用意できるのが魅力の1つですよね。とデザイナー側も気づいたようです。
効果は本拡張を象徴したものになっていて、何と侵略ハッピーセットです(笑)。
相手をアタックし、領土を奪い、戦利品やアクションなど、得たものは即座に使用できるようにする。10コストで、公領(5コスト)、アクション1(5コスト)、戦利品1(7コスト)、アタックプレイ(1コスト?)で18コスト位の働きをします。
10コスト払って18コスト分ものが入っていてお得。福袋みたいですね(笑)。
お得感は半端ないですが、ドミニオンにおいて重要な肝心な属州を確保できないようになっているため、必ずこのイベントを買うというわけにはいかず、属州を買わなくて良いのかジレンマになっています。
プレイ前評価:★★★★★
Prosper(繁栄)
コスト | 10 |
タイプ | イベント |
効果 | ・戦利品1を得て、好きな数の異なる名前の財宝カードを獲得する。 |
こちらも10コストで大分はっちゃけた効果のイベントです(笑)。
金貨・銀貨はもちろんのこと、この拡張で登場するあらゆる財宝カードを獲得できます。
金貨と戦利品を獲るだけで10コスト以上の価値はあるので、状況に応じて大量に財宝カードを獲得するのが良いでしょう。
こちらも勝利点には一切絡まないので、このイベントばかり買っていても勝てない良い設計になっています。
プレイ前評価:★★★★★
以上、ドミニオン最新拡張「Plunder(略奪)」のイベントカードの紹介でした。
面白いイベントが多く大分良い設計だと思いますが、一部どうやって使うんじゃいっていうイマイチなイベントもあったので、その辺の設計が本当にイマイチなのかは実際にプレイしてみて確認したいところですね。
次回は本作の新要素「特性」カードを紹介していきます。
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