今回は、フリードマンフリーゼさんの準新作「ファストスロース」のルールとレビュー記事になります。
なまけものをいち早く目的地まで運ぶレースゲームになっています。
日本語版は2021年の末にサニーバードさんから発売されています。
ファストスロースはどういうゲームか?
ゲーム概要
ファストスロースは、レースゲーム系ボードゲームの1種です。
各プレイヤーはスタート地点から「なまけもの」コマを移動させます。盤面に9か所ある葉っぱの木から、8か所を先に回り切れば勝ちになります。
特徴としては「なまけもの」なので自分からは動かない点があります。じゃあどうやって移動するのか?って話です。なんと盤面に配置された6種類の動物を利用します。具体的にはその背中に乗せてもらって移動するという仕組みになっています。
時には「人間」の背中に乗せてもらいます。また、「ヤギ」の背中に乗せてもらうこともあります。「イルカ」に載る必要があることもあるでしょう。
空を飛び、山を越え、平地を駆け抜け。マップ上の葉っぱをどんどん回収していくことになります。
各動物は、移動力、移動して侵入できるマス、移動方法など特徴があります。そのため、同じ動物だけを使い続けることは不可能になっています。
そのため、最初は「アリ」に移動させてもらい、川は「ワニ」を使って渡って。その先の平地は「ウサギ」の高機動力で一気に移動して。といったどんどん移動手段が変わっていくことになります。
デザイン | フリードマンフリーゼ |
---|---|
プレイ時間 | 60分 |
プレイ人数 | 2~5人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
版元 | 2F-Spiele |
日本語版販売 | サニーバード |
日本語版発売日 | 2021年11月 |
希望小売価格 | ¥5,830(税込み) |
ルール説明
セットアップはルール説明書参照。
両面マップのボードと、12種類の動物から6種類を選択して遊ぶことになります。
この遊びの組み合わせが沢山ある点がこのゲームの特徴でもあります。
毎ターンやること
- 動物カードを一定枚数引く
- 動物カードを使用する
- 手札上限までカードを捨てる
①動物カードを一定枚数引く
最初は3枚動物カードを引くことが出来ます。
「人間」「ヤギ」「アリ」のように異なる3種類から1枚ずつ獲得可能です。
葉っぱを集めるにつれてドロー枚数が徐々に弱体化。
「3枚引いて1枚捨て」とか「2枚引き」とか弱くなっていきます。
②動物カードを使用する
手札に溜まった動物カードを使用して、動物を移動させてナマケモノを運ぶことが出来ます。
1枚だけでも良いですし溜まったカードを一気に3,4枚使っても全然問題ありません。
カードには移動力が書いてあります。例えば移動力3,4、4のカードを使えば、合計11。11の移動力で動物1匹を移動することが可能です。
移動周りには色々と細かいルールがあります。動物移動中に隣接マスにいるナマケモノを拾うことが出来ます。ナマケモノは最終的には、移動終了後のマスの周辺に下ろしてもらうことになります。
③手札を一定枚数まで捨てる
今回使わなかったカードは次回以降のために取っておくことが可能。手札上限が終盤になるにつれ厳しくなっていきます。
まあ基本じゃんじゃんカードを使うゲームなのでそこまで厳しい制約では無いですね。
ゲーム終了条件
- 何れかのプレイヤーが、8枚目の葉っぱを獲得すること
同じターンで複数のプレイヤーがゴールを達成することがあります。、手持ちのカードの移動力合計で勝敗が決まります。
ファストスロースのレビュー
ファストスロースのプレイレビューになります。
様々な動物の能力を駆使した乗り捨てドライブが面白い
このゲームの魅力はこれかなと思います。
ユニークな能力を持った動物の能力を駆使する点。そして、如何に効率的にマップを駆け巡るかのレースゲーム。
動物毎に様々に特徴があります。今の目的地と次の移動を踏まえて、手札を補充して移動していくのが面白い。
同じ動物をある程度使い続けることも可能です。ただし、基本的にはどこかで乗り捨てて新しい足を確保する必要があります。
要所要所でそこに配置されている動物を上手く使いこなすプレイが面白いですね。
上手くハマって1手で大量に移動して次の目的地に移動できると爽快です。
半協力型なインタラクション
このゲームのインタラクション要素は2つです。
1つは動物カードのドロー。
各動物カードの数字は昇順に並んでいます。先にカードを確保した方が基本的には移動力が低いカードになってしまいます。最初は移動力4とかだが最後は7とかになるわけですね。
他プレイヤーが上手く確保した後にカードを確保すると良い感じ。高機動力の動物を確保できるようになっています。
もう1つが、動物コマの移動です。
誰かが使った動物コマをそのまま自分も使うのが良いです。上手く効率的に移動できるようになります。逆に使おうと思っていたコマが使われてしまい困ってしまうこともあります。
この辺の程よいインタラクションがこのゲームの特徴でしょうか。動物があっちこっち移動するのでなるべく大人数で遊んだほうがダイナミックな盤面を楽しめると思います。
やはり5人プレイが今のところ一番楽しかったですね。
リプレイ性
4タイプのマップと12種類から6種類を使うゲーム。つまり、組み合わせとしては512通りの組み合わせが遊べます。
これだけの組み合わせがあれば、ガチ勢じゃない限りは、同じ組み合わせで遊ぶことはめったにないといっていいと思います。
拡張マップを入れることで組み合わせは更に4倍。更にリプレイ性はマシマシになります。
ただ、使用する動物が少し違うだけで、ゲーム性がそこまで変わるかというと若干微妙なところ。ゲームのプレイ感はそこまで大きな違いは感じないように思います。ちょっとしたアクセントの違いという感じですね。
気になる点
動物によってやや強弱がある気がしますね。
私はボードゲームなどのゲームにおいて、勝つための鉄板行動みたいなアクションはあまり好きではなく、敢えて鉄板行動以外の色々な選択肢を工夫して使ってみるプレイが好きです。ドミニオンで礼拝堂圧縮が強いとわかりつつもそれをしないとか、アグリコラで敢えてあまり誰も使わないような職業カードをを使ってみるとか。
ただ、それがあまりにも弱い行動だと、全然勝てなくて、それはつまらないとなってしまうわけですね。
なので、選択肢のバランスって重要だと思っています。Aが鉄板で強いとわかりつつも、BやCの選択肢を使った人でもそれなりに戦えるバランスになっていてほしいわけです。
このゲームは、どの動物も使いこなせば便利なのですが、「タカ」などは非常にオールマイティでどんな状況でも強力ですし、逆に「人間」はガッツリ移動制限がある割にはそこまで強い移動が出来ません。
「アリ」が使いづらかったり「ヤギ」が凄い使いやすかったり、その辺の強弱はプレイしているとどうしても感じてしまいます。
まあ戦えないレベルで強弱に差があるとまでは思いませんが、1ターンに確保できるカード枚数がかなり少ないので、必然的に使いづらい動物は待機状態になることが多くなってしまいます。
そういう使いづらい動物を積極的に使おうとしてみるのですが、あまり上手くいったためしがありません(笑)。そういった動物毎の違いはあるかなと思います。
総合評価
これは家族で楽しくまったり遊べるファミリーゲームと言う感じのボードゲームですね。
頭を使ったガッツリボードゲームが好きなボードゲーマーが、のめりこむタイプの作品ではない気がします。
プレイに派手さが無いので、イーオンズエンドとかグルームヘイヴンのような刺激、喜怒哀楽の波が欲しい人にはそこまでヒットしないかなと思います。
逆にあまり頭を使わずに、まったり中量級のレースゲームを楽しみたい方には、合っているように思います。
普通に淡々と楽しい良作という感じで私は好きですね。
評価:★★★★★★★☆☆☆
公式シナリオ
このゲームにはフリードマンフリーゼさん公式でおすすめのシナリオマップが公開されています。
動物コマは適当に配置しても良いのですが、そうしてしまうとほぼ確実にアンバランスな配置になってしまうので、気持ちよくレースを楽しみたい場合は、公式シナリオを使うことをお勧めします。
説明書に載っているシナリオ含めて8つのシナリオが公開されています(うちいくつかは拡張マップが必要)。
これ8個といわず、もっともっと公式からマップが公開されると良いんですけどね。折角拡張含めて沢山の組み合わせがあるのに8個しかないのはややもったいない気がしています。非公式おすすめマップなんか出てこないかしら。
拡張マップと拡張コマ
拡張1として拡張マップが発売されています。
基本セットだと、ボード2枚の表裏で、4通りしかマップはありません。この拡張1を入れると4×4で16通りのマップが出来上がります。
シンプルな拡張ですが、リプレイ性がぐっと上がります。気に入ったら入手するのが良いでしょう。私は日本語版を買いましたが、言語依存はゼロ(表紙の紙ぺら1枚だけ)。なので英語版でも良いと思います。
また、日本限定品として動物コマセットが発売されています。
これは、通常セットだと丸いコマにシールを貼って、それぞれ12種類の動物を表現するものなのですが、実際の動物の形をした可愛い駒が数分だけ入ったセットになります。
ゲームムードが全然違うのでこのコマもかなり良い拡張セットですね。
限定品とのことで追加量産はしてなさそうです。
あとがき
フリードマンフリーゼさんの準新作ファストスロースの紹介でした。
シンプルですが、まったり楽しむには最適なしっかり面白い良作だと思います。
気になる方は是非チェックしてみてください。
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