ルートの紹介続きます。
今回は、拡張1で追加された新勢力「蜥蜴教団」の能力の特徴や戦略を紹介したいと思います。
ボードゲーム「ルート」の新勢力「蜥蜴教団」の特徴紹介と戦略
最初に言っておきますが、そこまでやりこんでいるわけではないので、内容は完全に私の自己満であり完全に的外れな内容の可能性があります。
蜥蜴教団の基本情報
ボード裏面に書いてある情報です。
複雑さ:高
手札の豊富さ:高
攻撃性:中
クラフト能力:高
複雑さ
特有のルールは基本セットの4種に比べるとかなりわかりづらく、特殊な動きをする勢力です。基本セットに慣れたプレイヤーでも初めて使った人はその複雑さに頭をかしげることでしょう。
正直勝ち方もわかりづらくイメージが付きづらいです。
手札の豊富さ
(強化後は)カードドロー枚数を増やしやすく、更に手札を消費することも少ないので、手札は増えていきやすいです。手札の消耗はクラフトと得点化だけです。
攻撃性
兵士数は多く、それなりに兵士を増やす手段はありますが、気軽に戦闘が出来ないため、戦闘能力は低くは無いですが思ったより高くないです。
クラフト能力
クラフト起動用の建築物は比較的立てやすく、手札も豊富なので、クラフトはしやすい勢力だと思います。
蜥蜴教団のここが強い
・秘儀が強力(寝返り、建築置換)
・敵支配地にも募兵が可能
・建築が容易
・兵士コマ数が多い
・支配力が強い
秘儀が強力(寝返り、建築置換)
蜥蜴教団の強力な能力であり、かつ生命線です。
敵兵士を自分の兵士に、敵建造物を自分の建造物と置き換えることが可能です。
これが兎に角強力。
自身の強化と敵の弱体化をいっぺんに行います。
更に「追放民」が「嫌悪」状態になると、通常2コストなのが、1コストで敵兵士1を自兵士1に変換可能。
大量に神官がいる状態だと、一気に3,4体もの兵士を寝返らせることが可能です。
また、動物種が合っていれば射程無制限なので、自陣だからと安心している状態に、いきなり数体敵兵士に寝返られて、支配されるなんてことも起こります。
敵の支配地を兵士と建物丸ごと寝返らせることが出来て、これはかなり強力です。
どの種族にとっても建築物はかなり重要で、それを置き換えられるのは相当痛手です。
ただし、逆に言うと、この能力を駆使できなければかなり苦しい種族でもあります。
敵支配地に募兵可能
他の種族は通常支配してたり建築物のある場所にしか募兵できませんが、この種族はその広場を支配している必要も建物も置く必要はなく、手札のカードの動物種に合っている広場に募兵可能です。
ネズミカード3枚持っていれば、好きなネズミ広場に3体兵士を出現させることが出来ます。
どの広場でも募兵できるのは、やられる方からしてみると溜まったもんじゃありません。自陣の内陸にいきなり敵が登場することになります。
建築が容易
支配している必要はありますが、手札の動物種が合っているだけで、その広場に建築が可能です。
例えば、「改宗」で敵陣地を自陣に置き換えて支配して、そこにいきなりガンガン建築することが可能。
他の種族は建築は色々な条件があるため、そう簡単に建築できません。
兵士コマが多い
猫野侯国と同数の25の兵士コマがいます。
兵士上限数が多いのは純粋に強みです。
募兵のしやすさと相まって兵士は比較的場に出せる種族だと思います。
また、河民商団への支払いに充てる軍資金が多いということになります。
王族や連合は兵士数上限がネックになることが多いですが、猫同様に、兵士数上限が気になることは実質無い種族でしょう。
支配力が強い
この種族の建物である「庭園」が置かれている領地は、この種族の支配地になります。
兵士がいなくても、大量の敵兵士がいても、「庭園」さえ置かれていれば蜥蜴の支配地ということです。
ただ、この種族で支配力を参照するのは建築条件位です。
つまり、建物を建てた広場に、もう1つ建物を建てる位しか意味がありません。
秘儀「聖域化」で敵の建築物を自分の「庭園」にして、そこに更に「庭園」を乱立させて、得点を得る、などはやりやすいでしょう。
蜥蜴教団のここが弱い
・非常に移動が困難
・非常に戦闘が困難
・得点能力が低い
蜥蜴教団のメリットは非常に優秀なものばかりなのですが、反面デメリットも致命的なものだらけで、結果、凄い尖った種族になっています。なので初心者は勿論慣れている人でもかなり扱いが難しい種族になっています。
非常に移動が困難
なんとこの種族。移動するためには「秘儀」の「聖戦」を使わなければなりません。
他種族みたいに1アクションで1移動、みたいなイメージとは全然違います。
「聖戦」のコストは2神官なので、兵士が2体やられてその神官2を消費して、ようやく移動1が出来るわけです。
しかも、秘儀の対象となる広場は「追放民」で決まります。
各ターン、ウサギ・ネズミ・キツネ、のいずれかの広場からしか移動が出来ません。
つまり、追放民を上手くコントロールしないと、狙った場所への移動も出来ないというわけです。
これでは満足に移動も出来ません。
この種族の扱いが難しい点の1つでしょう。
非常に戦闘が困難
なんとこの種族。戦闘するためには「秘儀」の「聖戦」を使わなければなりません。
聖戦の能力は、「移動」or「戦闘」or「移動して戦闘」です。
この種族の移動と戦闘は全て聖戦が必要なのです。
移動と同じで、戦闘する場所や戦闘回数も、神官の数や追放民の種族に縛られてしまいます。
あそこを攻撃したいのに、追放民が違うから戦闘出来ない、神官がいないから戦闘が出来ない、ということがしょっちゅう起こります。
折角兵力が大量にいたとしても、狙って移動や戦闘が出来ないとすると、盤面を有利に持っていくのはかなり難しいでしょう。
この種族の扱いが難しい点の1つですね。
この「移動」と「戦闘」を満足にできない制約が、この種族を非常に扱いの難しいものにしています。
得点能力が低い
この種族の得点源は「庭園」の建築数に応じた「得点化」アクションによるものです。
同じ動物種の広場に建築されている「庭園」数に応じて「得点化」アクションによる得点が変わってきます。
2・3件目で2点
4軒目で3点
5軒目で4点
兵士のコントロールが難しいこの種族で、同じ動物種の広場で4,5軒立てるのは中々難しく、大半が2得点になるでしょう。
各動物種からは1ターンに1回しか得点が得られませんが、複数の動物種から得られるため、キツネ庭園から2点、ネズミ庭園から2点・・・という感じで1ターンで4,5点稼げれば良い方です。
1ターンに得られる得点の最大値は4点×3種族=12点ですが、まあこんなものは無理でしょう。
プレイするとこれは尻上がり種族かなと思うかもしれませんが、そもそも得点能力が低いため、そのまま低空飛行でゲームが終わってしまうことも多いわけです。。。
蜥蜴教団の戦略レビュー
ここからは蜥蜴教団に関しての所感や戦略をざっと書いていきたいと思います。
蜥蜴教団は強いか?弱いか?
まずこの「蜥蜴教団」が強いか?弱いか?からいくと・・・
ぶっちゃけあまり強くないと思います。
そのことは蜥蜴教団のボードが公式で強化されたことからもわかるでしょう。
猫野侯国もそうですが、公式で強化された種族は、基本強くないと考えたほうが良いです。
強くない理由は大分はっきりしており、蜥蜴教団に関して言えば、先ほど書いたメリットは十分強力なのですが、デメリットが大きすぎる気がします。
Twitter等でのコメントを見ていても、蜥蜴教団がかなり強いとかそういうコメントは見当たらず、逆に弱いというコメントはちらほら見かけます。
私個人としては、そもそも複雑で使いこなすのが難しいため弱く感じるというのと、使いこなして慣れてきた上でも、やはりあまり強くない種族だと思っています。
追放民をコントロールする
なぜそこまで強くないのか?
最も大きな要因が「追放民」のランダム性でしょう。
狙った場所で移動・戦闘が出来ないため、折角の兵士の増やしやすさが上手く機能しないことが多いわけです。
蜥蜴教団は兵士を増やしても全く起動させられないことが多く、その間他のプレイヤーは自由にマップ上の広場を蹂躙することが出来てしまいます。
「追放民」を決めるための捨て札ですが、他のプレイヤーは何も考えずに毎ターン手札を使うわけで、全員がランダムに手札を使ったと考えると、各動物種になる確率は毎ターン33%ということになります。
次のターンに狙った場所で戦闘が出来る可能性がたったの33%。
これは1ターン毎がかなり重要なこのゲームにおいて、大分致命的な数値だと思います。
この種族を上手く使うためには、狙った動物種が「追放民」になるように蜥蜴教団のプレイヤー自身がコントロールする必要があります。
幸いこの種族は手札を増やしやすいです。
つまり、増えすぎた手札を動物種を意識して捨て札にすることで、多少は狙った動物種を「追放民」にすることが可能です。
こういう狙いをやりやすくするための、蜥蜴教団の強化後のボードでは+1ドローがすぐに表れるように調整されています。
蜥蜴教団を使う方は「追放民を狙った動物種になるようコントロールする」これを意識してやっていきましょう。
逆に言うと、蜥蜴教団を抑えたいプレイヤーは、追放民を嫌な動物種にするようにしてあげると、蜥蜴教団のプレイヤーは大変困ると思います。
キツネ広場に大量に兵士を集めて次のターンに攻め込み・・・と考えていたのに、次のターンの追放民がネズミ種族となってしまったら、もはやその大量の兵士では何もできません。
得点はコツコツ稼いでいく
あとは、得点力が低いのもプレイしていて凄い感じる点です。
クラフトによる得点はしやすいですが、建物破壊による得点はあまり期待できませんし、メインの得点獲得方法もあまり得点力が高いとは言えません。
なので得点はコツコツ稼いでいった方が良いと思いますね。
森林連合や放浪部族のように、通常1ターンに10点前後を稼ぎ出すような爆発力はありません。20点付近から一気に勝利は狙えません(勿論不可能というわけではありませんが)。
なのでわずか2得点でもいいので、可能な限り毎ターンコツコツ稼げるうちに稼いでいった方がいいように思います。
また、得点チャンスは当然多くないので一気に取れそうなときは取っていきましょう。
例えば、嫌悪状態で安くなった秘儀「聖域化」で、ために溜めた神官を放出し、一気に敵陣の建築物を複数庭園に変換してまずは3、4得点、そのタイミングで「得点化」を使い一気にMAX得点である4得点を得る、他種族の得点化2点も合わせて合計10得点を得る、などは奇襲として悪くないと思います。
場合によっては、次のターンで全て破壊される可能性もあるので注意が必要ですが。
圧倒勝利について
兵士数が多いので圧倒勝利は比較的得意な種族でしょう。
ただし、兵士のコントロールが効かないので、肝心の兵士を1つの広場に集めるのは大変です。
また、一度圧倒勝利が邪魔されてしまうと、巻き返しも難しいでしょう。
ということで圧倒勝利は比較的得意なだけであってあまり狙うものではないと思います。
私は圧倒勝利は正直なところ猫野侯国専用のカードだと思っています。
手数を増やす
アクション数の少ない猫野侯国のような種族や、アクションの制限が厳しい蜥蜴教団に言える話なのですが、手数を増やすというのが重要だと思います。
どうやるのかというと、「ウサギ×2」のクラフトカードには、「移動」「戦闘」アクションを毎ターン1回(特定タイミングでの)フリーアクションとして実行可能になるカードがあります。アクション増やす系クラフトカードを何としてもGETして使いましょう。
このパッシブ効果が手に入ると毎ターン1回だけ蜥蜴教団も他種族同様の移動アクションが行えるようになります。これにより戦略の幅が相当広がると思います。
そういうことでクラフトするためにも「ウサギ」広場の支配優先度は高めでしょう。
また、他に手数を増やす素直な方法として、手札を増やすことがあげられます。
手札上限は5枚で、夜フェイズになると捨てられてしまいますが、逆に言えば昼フェイズ中は手札が6枚以上あっても良いわけです。
蜥蜴教団は手札1枚が1アクションになるため、昼フェイズの手札は多いに越したことはありません。手札が3枚多ければ募兵数が3体増やせることになります。
なので手札を増やすためのあらゆる方法を考えて取っていったほうが良いでしょう。クラフトアイテムにも毎ターンドローする系カードがあるので、そういうカードを駆使したり、他種族とうまく連携するのが良いでしょう。
他種族を利用する
積極的に他種族を利用していきましょう。
利用できるのはWin-Winの関係を築きやすい「河民商団」や「放浪部族」位でしょう。
兵士数の多さを利用して河民商団からカードを買いましょう。
また傭兵を雇って、支配地として庭園を置いたり戦闘するのは、悪くないと思います。
かなり良い持ちつ持たれつの関係になるでしょう。
蜥蜴教団は手札数や建築のしやすさなどからクラフトもやりやすい方なので、クラフトアイテムを大量に作成して、放浪を仲間に呼び込むのも良いかもしれません。
積極的に他種族を利用していかないと、真っ向勝負だと中々厳しいかもしれません。
ーーー
以上、蜥蜴教団の特徴や戦略レビューでした。
面白いけど複雑でかなりトリッキーな種族です。
俺TUEEしたい人には向かないかもしれませんが、面白いのは間違いないので是非使ってみてください。
次は河民商団編の予定です。
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