今回はアークライトさんより2021年11月に発売されたボードゲーム「ダイナソーアイランド」のゲーム内容を紹介していきます。
大分珍しいのですが、名前の通り恐竜のいる島(テーマパーク)をテーマにしたボードゲームです。
ということで 「ダイナソー アイランド(Dinosaur Island)」 がどういうボードゲームなのか、ルール紹介とレビューになります。
『ダイナソーアイランド』 基本情報
デザイン | System: ジョナサン・ギルモア&ブライアン・ルイス |
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プレイ時間 | 90~120分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
版元 | Pandasaurus Games |
販売 | アークライト |
発売日 | 2021年11月27日 |
希望 小売価格 | ¥7,920(消費税10%込) |
『ダイナソーアイランド』ボードゲーム概要
本作は、アミューズメントパークのマネージャーとなり、恐竜のテーマパークを運営していくゲームです。
プレイヤーが運営を任されるのは、アトラクションなども併設した大人気のテーマパーク。普通のパークと異なるのはティラノサウルス、トリケラトプスなどをDNA研究で甦らせて、パークに展示していること。恐竜を甦らせつつ、更なる研究を行ったり、専門家や従業員を雇ったり、ジェットコースターなどのアトラクションを建造して、パークをより魅力的にしましょう。
恐竜たちを展示し、苦労して人気を博したあなたのパークですが、恐竜が脱走し来場客を食べてしまうかも! 危険管理をしっかり行い、来場客を守りながらパークを充実させましょう。
数多のボードや特製ダイス、恐竜コマなど専用のコンポーネントがゲームを盛り上げます! ソロプレイも可能なこのゲームで運営手腕に磨きをかけ、敏腕経営者の称号を目指しましょう!
引用:アークライト公式HP
ダイナソーの名前の通り「恐竜」を扱ったボードゲームです。
アイランドなので恐竜島なのかと思いきや、なんと恐竜のテーマパークを扱ったゲームになります。
「ミープルランド」というミープルのやってくる遊園地を建築するボードゲームが最近アークライトさんより発売されていましたが、同じようにお客さんはミープルなのですが、お客さんが見に来る目的は「恐竜」になり、更にシステムが重量級になった感じです。
遊園地というより動物園という感じ。恐竜園という感じでしょうか。ジュラシックパークです。
遊ぶゲームの長さを、3種類から選べるので、重量級ながらプレイ時間をコントロールできるゲームになっています。
『ダイナソーアイランド』ルール概要
ダイナソーアイランドのルールを紹介していきます。
重量級でかなり細かいルールがかなりあるため、詳細は説明書を参照ください。
ゲームの目的
ダイナソーアイランドの目的は、ジュラシックパークのような自分の恐竜テーマパークを拡大して、大勢のお客さんに来ていただいて勝利点を稼ぐことです。
そのためには様々なアトラクションや恐竜の準備する必要があります。
ゲームの終了条件と勝利条件
ゲーム開始時に設定される目的カードが、残り1枚になるまで達成されたらゲーム終了です。
この目的カードの達成しやすさが3段階に分かれており、それによってゲームが長くなったり短くなったり調整できるようになっています。
大中小のちょうど中間の長さで大体1時間~2時間かかるゲームになっています。
ゲームの勝利条件は勝利点を最も多く稼ぐことです。
ゲームの流れ
ゲームは以下の流れで進みます。
- 研究フェイズ
- 市場フェイズ
- 労働者フェイズ
- パークフェイズ
- クリーンアップフェイズ
研究フェイズ
なんとダイナソーアイランドのスタートは、恐竜のDNAの研究から。本当にテーマパークなんでしょうか(笑)
DNAの研究
恐竜のDNAを研究して、DNAパラメータを上昇させます。
各プレイヤーのボード上のDNAの研究進度は、6色のトラックで示されており、それぞれ現在の進度と現在のDNAの進度上限が示されています。これらのDNAは恐竜を作り出す際のリソースになります。
6色のDNAトラックは左3色は獲得しやすい通常のDNAですが、右3色は獲得しづらい貴重なDNAになっています。
このフェイズではDNAダイスによって出た目と、各DNAを表すチップの掛け算で、どのパラメータをいくつ上昇させられるかが決まります。
複数のDNAダイスを振ってダイスをプロットして、スタートプレイヤーから、どのダイスを選択するかを決めることができます。
ただし、黒いキューブが各DNAパラメータの上限で、それ以上にDNAパラメータを上昇させるには、各DNAの最大深度(DNAを冷凍保存可能な許容量)を上昇させる必要があります。
DNAの冷凍保存可能な許容量の上昇
「研究者」を割り当てることで、その研究者のレベルに応じて「DNAの最大深度」を拡張することが可能です。
各DNAの許容量の初期値はかなり低めになっているため、許容量を上げるのは重要です。
恐竜の遺伝子レシピ取得
恐竜は最初からテーマパークにいるわけではなく、なんと遺伝子レシピを用いて復活させる必要があります(笑)
恐竜遺伝子レシピはLVは1~3まであり、獲得にはそのレベルに応じた「科学者」が必要になります、LVが高いレシピの方が勝利点などの効果は高いのですが、当然その分コストが高くなっています。
ここで獲得したレシピは後のフェイズで使用します。
市場フェイズ
このフェイズでは、市場でお買い物をするフェイズです。
やっとテーマパークらしくなってきましたかね?
科学者の雇用
お金を支払うことで市場から科学者を雇用できます。
テーマパークらしさとは何だったのか。。。
各科学者はカードになっておりそれぞれ特殊能力を持っています。
科学者はアクション数につながるため非常に重要ですが、基本は3人までしか雇用できません。
アトラクションの建築
自分のボードにアトラクションを建築します。アトラクションタイル置き場からコストを支払って1枚確保します。
アトラクションは勝利点になったり特殊な能力をもたらすものもあります。
研究所のアップグレード
お金を支払うことで研究所のアップグレードが可能です。アップグレードタイルを受け取って自分の研究所マスに配置します。
後の労働者フェイズでプロット可能なアクションが増えます。
初期だとロクなアクションができないため、研究所のアップグレードは基本必須です。
DNAの購入
お金を支払うことで基本DNA(左3色)のトラックを上昇させることが可能です。いくら支払うといくつ上昇させられるかは共通ボードに書いています。
例えば、3金支払うと、好きな基本DNAのトラックを合計3マス進めることが可能です。
労働者フェイズ
手元のワーカーをプロットすることでアクションを行っていきます。
研究所をアップグレードすることで、このフェイズでプロット可能なアクションが増えていきます。
DNAの精錬
基本DNA(左3列)から貴重なDNA(右3列)を生成するアクションです。
どの基本DNAを消費すると、どの貴重DNAが生成されるかは、アクションタイルに書いてあります。
基本的には貴重なDNAはこの形で得ていくことになります。
恐竜の生成
このゲームにおいて一番のメインアクションかもしれません。恐竜を生成するアクションです。
獲得した恐竜レシピに書かれたDNAをコストとして支払うことで、恐竜を生成することができ、恐竜がテーマパークにやってきます。
恐竜コマを引いてテーマパークに配置します。恐竜コマは見た目が違いますが、特に見た目による性能の違いはありません。
大きな勝利点になりますが、同時に「危険レベル」が一定数上昇します。
セキュリティレベルの上昇
このアクションでは、お金を支払うことで「セキュリティレベル」を上昇可能です。
セキュリティレベルは非常に重要です。「セキュリティレベル」が「危険レベル」より低いと、何と毎ラウンドテーマパークに来た来場者が一定数恐竜に捕食されてしまいます。大丈夫なのかこの設定(笑)。
恐竜の檻のアップグレード
基本1つのタイルには恐竜を配置可能なスペースが1つしかありません。このアクションをすることで、お金を支払い1タイルに配置可能な恐竜の最大数を増やすことが可能です。
パークフェイズ
お客さんを集客してお金を稼ぐフェイズです。
客の来園
各プレイヤーは、バッグから「興奮レベル」に応じた数のミープルをドローします。客が恐竜のテーマパークにエキサイトしているレベルです(笑)
ミープルは2種類。何と、「お金を払う」善良なミープルと、「お金を払わない」悪いミープルがいます(笑)
バッグからランダムに引くわけですが、それぞれ色で分かるようになっています。タダでテーマパークに入ってくる客がいる。。。凄いゲームだ。
「お金を払うミープル」を引いた数の収入を得ます。
客の入場
プレイヤーは自分のパークに配置された建築物の上に、ミープルを配置していくことになります。
建築物が少ないとミープルを配置できないわけですが、なんと「お金を払わなかった」悪いミープルから先に入場してきます(笑)
どういうことなの。。。
恐竜の捕食
先ほども書いた通り、セキュリティレベルが低い場合、恐竜が入場者を捕食します(笑)。
しかも、優先的にやられるのは、お金を払う善良ミープルからになり、更に勝利点が失われます。これはひどい。
勝利点の獲得
ここまでくるとようやく勝利点が獲得可能になります。
勝利点獲得の対象になるのは「お金を払った」善良な入場者になります。入場者1人につき1勝利点になります。
クリーンアップフェイズ
目的カードの条件を満たしていればそれを達成した人は勝利点を獲得します。目的カードがゲーム終了条件に達していなければゲームは次のラウンドに移ります。
諸々のセットアップをしてスタートプレイヤーを変更してゲームを続行です。
『ダイナソーアイランド』レビュー
ジュラシックパークに触発されたであろう夢の恐竜テーマパークをテーマにしたボードゲームが遂に登場です。
2017年発売と比較的新しめの作品です。噂は色々聞いていて気になっていた作品で以前何度かプレイしたのでその時のレビューも含めて書いていきますと。
非常に珍しく引き寄せられるテーマ
ジュラシックパーク的なボードゲームって良くありそうですが意外に珍しいですよね。
それだけで一体どういうボードゲームなのかとワクワクすること間違いなし。欧米人の方が恐竜のような迫力のあるものに「Yeah!!!」とか言いながらエキサイトしやすい感性を持ってそうですが、テーマパーク好きは万国共通ですし日本人でも普通に楽しめると思います。
恐竜コマもなかなか良くできており、このゲームには無くてはならないコンポーネントの1つだと思います。
盛りだくさんの要素とゲームの長さ調整
比較的要素はモリモリなボードゲームでやれることは多いです。
勝利点を確保するための行動はそれなりに明確なので、そこまでブレることは多くないと思いますが、アクションの選択やアクションのためのアップグレードタイルの獲得内容によって、今後の行動はそれなりに変わってきます。
プレイ毎にやれることやることが変わってくるのはリプレイ性の高さに繋がっていい感じです。
ゲームの終了条件を弄ることで、ゲームの長さ調整するタイプのゲームは中々珍しいですね。これはいい仕掛けだと思います。
長さは大中小ありますが面子によって調整すればよいわけです。初めて遊ぶなら中でやり、慣れてきたら大でやり、軽量級好きな人とやるなら小でやる、など使い分けることができます。
思い切った設定
このゲームのかなり強烈な個性である「お客さんのミープルが恐竜に食べられる」というシステムがあるのは、中々好き嫌いが分かれるところかもしれません。あくまで収益と勝利点をもたらすミープルが減るだけなので、ブラックジョークに近く、ボードゲームだと割り切ればよいわけですが、フレイバーとしては中々思い切った感じはします。
ミープルがテーマパークからいなくなるだけなので「怖がって帰ってしまう」とかそういう設定にすればよかったと思うのですが、明確に「eat」って書いてますからね(笑)。
更にお金を払わず勝利点ももたらさない「ならず者」入場者の方が優遇されるというシステム。これも中々思い切った設定です(笑)。
ちなみにこのゲームの対象年齢は8歳以上。
本当だろうか(笑)。
バランスの話
このゲームは比較的手番順が重要で、スタートプレイヤーが有利な作りになっているのですが、勝利点を稼いでいる方が後手番になるようになっています。
それだけ聞くと、勝利点を稼いでいる人の独走を抑制する仕組みなのかと思うわけですが、この先手番による利益があまりにも有利なため、基本的に序盤は如何に勝利点を減らして先手番を取るかのゲームになりがちです(笑)。
私の初プレイ時は、経験者があからさまに勝利点を意図的に減らすような行動をしていたのですが、ゲーム終了時にはその方がなぜそういう行動していたか良くわかったわけですね(笑)。
ゲームの終了トリガーもかなり突発的に引かれてしまうので、次のラウンド用に投資していたとしても無駄になることもあります。ホビージャパンさんの「クライオ」なんかもそうですが、他のプレイヤーの選択のさじ加減次第で終わらせる終わらせないが決められるため、最終盤にやりたいことが一気にできなくなってしまう可能性があるゲームは、好き嫌いあるかもしれません。
このゲームに関して言えば、恐竜を作成すると高得点ですが、リソースを確保してその仕込みを完了して、いざ次のラウンドで作ろう、、、っていうときにほかのプレイヤーが目的カードを達成してゲーム終了するとかですかね。
そこまで運要素が多いわけではないのですが、比較的アメリカ系テイストなボードゲームだと思います。
総合評価
個人評価:★★★★★★★★☆☆
8 – 非常に良いボードゲーム。これをプレイするのが好き。この作品を遊ぶことは断らない。
『ダイナソーアイランド』内容物
- 専門家カード:23枚(プロモカード1枚入り)
- 目標カード:39枚
- 特別ルールカード:11枚
- 来客コマ:80個
- 従業員コマ:36個
- DNAダイス:10個
- 会社トークン:24個
- 調整トークン:12個
- 科学者トークン:12個
- 研究所ボード:1枚
- 得点ボード:1枚
- 市場ボード:1枚
- 恐竜パークボード:4枚
- プレイヤーマーカー:40個
- 上限マーカー:24個
- 改良タイル:33枚
- 実験室ボード:4枚
- 1人用ゲームカード:17枚
- 展示場タイル:29枚、恐竜コマ:54個
- アトラクションタイル:30枚
- 布袋:1個、コイン:81個
- 恐竜レシピ:17枚
- 親マーカー:1個
- ルール説明書:1冊
- 俗語トークン:9個
- 自作用恐竜レシピ:3枚
- 自作用改良タイル:2枚
- 自作用アトラクションタイル:4枚
- (※カードサイズ:83×63mm)
『ダイナソーアイランド』のスリーブ
83x63mmのカードが80枚近く入っています。
『ダイナソーアイランド』紹介のあとがき
以上、ボードゲーム「 ダイナソーアイランド 」のゲーム紹介でした。
中々珍しいテーマのエキサイティングなボードゲームです。
海外で非常に評価の高いボードゲームの1つが日本語版で遂に発売ということで、嬉しい限りですね。気になる方は是非チェックしてみてください。
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