ソロ専用ボードゲーム「ネモの戦い(Nemo’s War)~海底二万マイルを超えて~」紹介は、いよいよ今回がラストです。
最後はネモの戦いに置ける敵船との戦闘について紹介します。
ネモの戦い(Nemo’s War) ~海底二万マイルを超えて~ 敵船について
このゲームにおいて、敵船との戦闘は、どんな目的であっても避けて通れない要素です。戦闘はそれ自体が得点行動になりますし、ノーチラス号の強化や海域が船で満たされてゲームオーバーになるのを防ぐためにも必要です。
敵船の準備
ゲーム開始時に、敵船トークンをごっちゃに混ぜて、敵船の山を作っておきます。専用の袋は特に用意されていないので、自身で用意したきんちゃく袋に入れたり、何らかの袋に入れておくのが良いでしょう。
敵船の山には最初は白と黄色の船しか入れません。それ以外の色の船は所定のゲームボード上の所定の位置に準備しておき、所定のタイミングで敵船の山に混ざってきます。
戦闘や配置で船トークンをマップに出す場合は、この敵船の山から1枚引くことになります。
戦闘の開始
戦闘をするにはアクション1を使用します。
ノーチラス号が今いる海洋にいる敵船に向かって攻撃を仕掛けることが出来ます。
船影トークン状態の場合は、敵船の山からランダムに1枚引いて戦闘します。どの敵船と戦うかは完全にランダムです。
船トークン状態の場合は、その船トークンと戦闘します。この場合は戦う敵が確実にわかった状態で戦闘します。
敵船の強さと遭遇タイミング
敵船の強さは、大体は敵船の色によって決まっています。敵船はカラフルですし、見栄えのいい楽しい要素です。
民間船は白です。
これは攻撃力を持たない船になります。攻撃してこないので最も倒しやすい船になります。
戦艦はそれ以外の色の船です。
攻撃力を持っており、戦闘時は攻撃を仕掛けてきます。強さの順番は、黄色<黒<濃い黄色<オレンジ<青<緑<赤、といった感じ。
ゲーム開始時には、白と黄色の船しか敵船の山には存在しません。ゲームが進むにつれて敵船の山の中がどんどん強くなっていきます。
- 黒い船は、特定のアドベンチャーカードの処理の際に即戦闘になります。
- 濃い黄色の船は、第二章になると、山に混ぜられます。
- オレンジの船は、第三章になると、山に混ぜられます。
- 青の船は、悪名トラックが一定値になると、山に混ぜられます。
- 緑の船は、悪名トラックが一定値になると、山に混ぜられます。
- 赤の船は、ゲームの最終盤になると、即戦闘になり、かつ山札に混ぜられます。
敵船の色はあくまでも目安なので、船によっては上位の船よりも高い戦闘力を持った下位の船も存在します。
悪名が増えて、敵戦艦が裏になると全てパープル色になりますが、戦闘力の目安は表面の色に沿った形になります。つまり赤の裏のパープル戦艦が一番強力です。
ちなみに日本の戦艦は濃い黄色の船に登場します。
船の国籍と種類はあまり関係ないように見せかけて、数は多くないですが特定のアドベンチャーカードの処理で参照されたりするので、中々抜け目ない作りになっています。
敵船との戦闘の処理
敵船との戦闘時の処理の流れを紹介します。
攻撃方法の選択
まずプレイヤーが選択するのは、ノーチラス号の攻撃方法です。
以下の3つから選択します。
- ストークアタック(こっそり攻撃)
- ボールドアタック(大胆に攻撃)
- 魚雷アタック(魚雷発射!)
①ストークアタック
ノーチラス号がこっそり敵船に攻撃を仕掛けます。ちなみに攻撃方法はノーチラス号の船首で敵船に穴をあけるという近接物理攻撃です(笑)。たまげますね。
攻撃力に+1DRMの補正がかかります。1度攻撃したら攻撃は終了です。
+1DRMがかなり強力で、良い感じに敵船を撃破しやすくなりますが、一方でアクション数が減っていくので乱発は中々難しいところです。
強化パーツ「ペリスコープデバイス」を装備すると、敵船を連続攻撃が出来るようになります。
②ボールドアタック
ノーチラス号が大胆に敵船に攻撃を仕掛けます。攻撃力に補正はかかりませんが、+1悪名することで、同じ海域の別の敵船にも連続攻撃を仕掛けることが出来ます。
プレイヤーが攻撃を止めることを選択するか、攻撃に失敗するか、強化パーツとして敵船をストックする、場合に攻撃は終了です。
連続攻撃はアクション消費も無くかなり強力ですが、悪名もガンガン上がるのが痛いところです。また、ストークアタックしておけば成功していたのにとか、ボールドアタックしたけど結果ストークアタック2回した方が良かったとか、そういう状況も多々あります。
ボールドアタックにするか、ストークアタックにするか、状況に応じたこの選択次第でゲームの成否が大きく変わってくると言っても過言ではありません。
強化パーツ「ペリスコープデバイス」を装備すると、悪名を上げずに敵船を連続攻撃が出来るようになります。
③魚雷アタック
ノーチラス号が近接物理攻撃ではなく、魚雷で遠距離攻撃を仕掛ける攻撃です。1ターンに1度だけしか使えませんが、アクションを消費せずに毎ターンこの魚雷攻撃を実行可能です。
使用するにはノーチラス号の強化パーツ「魚雷」が必要です。
何と2つのダイスの出目合計が5以上なら民間船を、6以上なら戦艦を、無条件で撃破することが出来ます。
後半の非常に凶悪な敵の戦艦を倒すには、この魚雷が大活躍します。2つのダイスの合計が12以上出さないといけないとかいう馬鹿げた敵船の防御力を無視して、6以上出せば攻撃成功となるなら、どれだけ強力かわかるでしょう。
ちなみに魚雷も万能ではなく、もし魚雷攻撃をミスった場合、次から魚雷攻撃時に振るダイスは1つになってしまいます。ダイス2個で6以上出せばよかったのが、ダイス1個で6以上出す必要が出てきます。。。こうなるとかなりの弱体化ですね。更にこの状態で魚雷攻撃をミスった場合、強化パーツ「魚雷」は破壊されます。
魚雷攻撃は、残念ながら「HULL」や「CREW」などのリソースによる+DRMはできませんが、「アロナックス」教授などによる緊急+DRMは可能です。なので魚雷がミスったという場合には、躊躇なく緊急+DRMした方が良いでしょう。
アクションを消費してまで敵船を攻撃する予定が無くても、毎ターン無料で1魚雷アタック権が貰えるので、戦闘はせずとも適度に魚雷を撃っていくのも戦略の1つです。
戦闘の処理
攻撃方法が決まったら以下の流れで敵船との戦闘を処理します。
- 敵船からの攻撃
- ノーチラス号からの攻撃
- 後処理
①敵船からの攻撃
ズルいことに戦闘はまずは敵船の先制攻撃から始まります。ノーチラス号はこれに耐えなければなりません。ちなみに敵船に対して先制攻撃できるようになる強化パーツも存在します。
敵船の攻撃力は左上の数字です。2個のダイスロールで攻撃力以上の値を出せば防御成功です。
上の戦艦「アイダホ」の例だと、攻撃力は9になります。2個のダイスロールで9以上の目が出ればノーチラス号の防御成功です。
また、ダイスを振る前にリソースを使用して+DRMするかを決めることが出来ます。「CREW」を使用して+3DRMすると、例えば、6以上の目が出れば防御成功になります。
この他にも防御を常に+1DRMしてくれる強化パーツも存在します。
防御成功時は、防御に成功したこと以外で何も起きません。
防御失敗時は、失敗したときのダイスの出目の差だけリソースにダメージを受けます。
例えば、出目が4・2で失敗した場合、差分の2だけリソースにダメージを受けます。
「NEMO」「CREW」「HULL」のうちどこにダメージを受けるかは、1ダメージずつダイスで決めます。1なら「ネモの精神」、2・3なら「船員の状態」、4・5・6なら「船の耐久度」にダメージを受けます。これをダメージ数分だけ繰り返します。
ちなみに出目が1で失敗した場合は、ダメージが1になるという救済システムがあります。
②ノーチラス号からの攻撃
敵の攻撃に耐えたら次はノーチラス号からの攻撃です。
敵船の防御力は右上の数字です。2個のダイスロールで防御力以上の値を出せばノーチラス号の攻撃成功です。
上のデバステーションの場合は防御力11(!?)です。つまり2個ダイスロールで11以上を出せば成功です。ダイス2個振って11か12を出さないといけない。。。流石最強の軍団「赤の戦艦」。カッチカチですね。。。
攻撃時もリソースを使用して+DRMすることが可能です。11なんて簡単に出る数字ではないため、+DRMしないととても戦えません。+3DRMしたとしても、8以上の出目を出さないと勝てません。
ストークアタックしていたらさらに+1DRM。これで出目が7以上ならOKとなりぎりぎり勝てるかも位ですね。更に攻撃力強化パーツを装備しているなら+1DRMで6以上出せば撃沈。大分現実的な値になります。
このように強力な戦艦と戦う場合には、かなり運が絡んでくるため戦うか引くか選択が悩ましいです。無理に勝とうとせずに、敵の攻撃だけを甘んじて受けて、リソースは消費せずに攻撃するというのも、被害を最小限に抑えるための立派な選択です。
「魚雷攻撃」の出目を6以上出せば撃沈という能力が、如何に強力かが良くわかりますね。
攻撃に成功した場合、敵船を撃沈できます。後処理で説明します。
攻撃に失敗した場合、特に何も起きません(リソースを使用していた場合は失敗ペナルティは受ける)。
③後処理
敵船との戦闘が終わったら後処理です。
攻撃に失敗した場合は、敵船トークンはそのままその海域にとどまります。船影トークンだった場合は、船影トークンが船トークンに置き換わります。
攻撃に成功した場合は、敵船トークンを取り除きます。
その際プレイヤーは2つの選択肢があります。
①戦果として得点化する
プレイヤーボードには海洋別で撃沈した船トークンを置ける場所があります。ここに置くことで撃沈した船は得点化されますし、全海洋での撃沈ボーナスとしてもカウントされます。得点は船トークンの右の数字です。科学得点や驚き発見得点がついている船もあります。
敵船撃破は、大きく得点を稼ぐ手段の1つになっています。
②強化パーツの材料としてストックする
船トークン置き場に置かずに、強化パーツ材料置き場に置くことも出来ます。得点には使用されませんが、強化パーツのコストとして強化アクション実行までストックします。MAX4隻までストック出来て、強化パーツ獲得時にコストとして支払います。得点になりづらい戦艦や民間船などは、積極的に強化パーツ材料として使われるでしょう。
ちなみに、船によっては撃沈すると、「財宝トークン」がもらえたり「CREW」リソースが回復したりする船があります。そういう船が出てきたら積極的に撃沈を狙いたいところですね。
その後、船トークンの左に書いてある分だけ悪名を増やします。デバステーションの例なら悪名は+2です。大体の船が撃沈するとネモの悪名が増えることになります。悪名を増やし過ぎると強い敵船が増えるしゲームオーバーも近づきますが、船を撃沈して得点を稼ぎたい、何ていう悩ましい状況になります。
攻撃処理の最後に、ボールドアタックであれば連続攻撃するかを選択できます。同じ海洋にいる敵船に対してアクション消費なしで再度ボールドアタックを仕掛けます。ただし、悪名が+1されます。終了条件を満たすまで連続で攻撃可能です。
魚雷やストークアタック時は、連続攻撃が出来ないのでこれで終了です。
という感じの流れがネモの戦いの戦闘システムです。
そこまで戦闘も難しいものではなく、何度も何度も戦闘することになるのですぐに慣れるでしょう。
戦闘はゲームクリアのために非常に重要な要素ですが、ダイス運も絡むため中々ままならないのが難しいところです。
以上、ネモの戦いの戦闘についての紹介でした。
戦闘がこのゲームにおいて、最もダイスロールが重要で、一喜一憂するシーンだと思います。強力な戦艦を撃沈して大量得点できた場合の脳汁は半端ないです。逆に出目が1足りなかった場合もダメージも大きいです(笑)
ネモの動機が「戦争」の場合、敵の軍艦撃破にプラスボーナスがかかります。魚雷アタックでガンガン撃沈を繰り返していた時は、そりゃもう楽しかったですね(笑)。1隻撃沈する毎に5,6勝利点入ってくるので、荒稼ぎしていました。
さて、全8回に渡ってソロプレイボードゲームの名作「ネモの戦い」の詳細を紹介してきました。
一部端折った部分もありますが、これらの記事を読めば大体のルール理解が出来て、ネモの戦いを0から遊ぶことが出来るでしょう。記事を書いていて自分自身の備忘録にもなりました。
正直ネモの戦いの説明書は非常に難解で私もルールの把握にかなり苦労したので、少しでも理解の参考になれば幸いです。英語版の説明書を1から読みながら理解して書いている記事なので、もしかするとどこかに間違いあるかもしれませんがご容赦ください。
やはりソロプレイで高評価の作品は遊んでいて楽しいですね。良くあるソロプレイがマルチプレイのオマケとなっているボードゲームとは一線を画していると思います。今年の海外ソロプレイボードゲームランキングは変わらず15位と高順位でしたね。
私が2020年に遊んだソロプレイボードゲームとしては、かなり上位に入る良作だと思います。日本語版も発売されるので、気になる方がいれば是非プレイしてみてください。そして是非感想を教えてください。それでは。
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