大分出遅れましたが新年あけましておめでとうございます。今年もぼどろぐをよろしくお願いします。
今回はアークライトさんより発売予定のボードゲーム『テラフォーミング・マーズ・カードゲーム:アレス・エクスペディション』のゲーム内容を紹介していきます。
超有名タイトルである「テラフォーミングマーズ」シリーズの新作です。
『テラフォーミング・マーズ・カードゲーム:アレス・エクスペディション』 がどういうボードゲームなのか、所感とルール紹介を交えて説明していきます。
基本情報
デザイン | System: Jacob Fryxelius, Nick Little, Sydney Engelstein |
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プレイ時間 | 60分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 14歳以上 |
版元 | Fryx Games |
日本語版販売 | アークライト |
発売日 | 2022年2月10日 |
希望 小売価格 | ¥6,380(消費税10%込) |
ボードゲーム概要
大人気火星開拓ゲーム『テラフォーミング・マーズ』が一新!
プレイ時間が短縮され、より遊びやすくなりました。各プレイヤーは星間企業のひとつを牛耳り、火星を地球化(テラフォーミング)しつつ、他の誰よりも利益を得るべく奮闘します。
『アレス・エクスペディション』では、ゲーム盤やプレイヤーボードがコンパクトになり、カードデザインが改良されたことで遊びやすさが格段に上昇しています。また、ルールにも手が加えられ、各プレイヤーがアクションを同時解決するようになったことで、より展開の早い戦略ゲームへと変化しました。今までの『テラフォーミング・マーズ』とは、少し違った感覚で楽しむことができるのです。
※本作は単体でゲームをプレイすることができます。『テラフォーミング・マーズ 完全日本語版』や拡張セットを混ぜてプレイすることはできません。
引用:アークライト公式HP
テラフォーミングマーズのテイストをそのままに完全にカードゲームとして改良したバージョンがこの『テラフォーミング・マーズ・カードゲーム:アレス・エクスペディション 』になります。
そのため、元々のテラフォーミングマーズと混ぜて遊ぶことはできない、独立したセットになっています。タイトルの通り今回はカードゲームとなっています。元々のテラフォーミングマーズも相当なカードゲームでしたが、このゲームは更にカードゲームに寄せてきた感じです。
ただし、ボードを使った要素もいくつか残ったままになっています。
システムとしてはレースフォーザギャラクシーの「ヴァリアブルフェイズオーダー」のようなシステムが入っています。全プレイヤーが1アクション選択して選択されたアクションを全員が実行可能。ただし、自分が選択したアクションだけは強化されて実行されるっていうあれです。
原題は「Terraforming Mars: Ares Expedition」なので、タイトルはまんまの訳をしてきた感じですね。
ルール概要
このゲームのルール概要をざっくり説明していきます。
目的
火星を地球化すること。以下の3つのパラメータを最大値にする。
- 酸素
- 温度
- 海洋
基本セットと全く同じシステムです。
ただし、火星のマップはかなり簡略化されています。
勝利条件
勝利点を沢山稼ぐこと。
これも全く基本セットと同じですね。
生産パラメータ
各プレイヤーは以下の6つの生産力を持っています。
- お金
- 熱
- 植物
- 建材
- チタン
- 科学
何と「電力」がなくなりました。まあ基本セットをプレイしたことがある人なら「電力」のリソースはイマイチ使いづらく、ここに調整が入るのは至極当然だと思うでしょう。
「お金」「熱」「植物」の用途は大体基本セットと同じです。お金があれば酸素を作ったり、カードをプレイしたり出来ますし、植物や熱はそのまま酸素や温度の上昇させることが出来て、TR=勝利点を稼ぐことが出来ます。
1つ変わったのが「チタン」と「建材」。これらは資源として存在せず、該当のタグを持ったカードの使用コストを下げる役割に変更になりました。チタン3つ持っていたらチタンカードのコストが常時9コスト下がることになります。
大きな変更点として、「科学」のパラメータが登場しました。これはドロー枚数を増やすためのリソースです。基本セットでも科学系のカードは基本的には研究=カードを獲得する役割だったかと思います。
ゲームの流れ
1ラウンド以下の3ステップで進行します。
- 計画フェイズ
- 実行フェイズ
- 終了フェイズ
これをゲーム終了条件であるテラフォーミング化まで進めていきます。
計画フェイズ
各プレイヤーは計画カードを5枚持っていますが、この中から秘密裏に1枚を場に出します。
全員が出し終わったら表にして、次のフェイズで場に出されたカードの効果を解決していきます。
以下の5つのアクションを実行可能です。
- 開発
- 建築
- アクション
- 生産
- 研究
このターン使用した計画カードは次のターンには使用できません。
解決フェイズ
場に出されたカードの効果を順に解決していきます。
開発
カードのコストを支払って緑色のカードを1枚プレイすることが出来ます。緑は生産力上昇にかかわるカードが多いです。
アクション選択ボーナスは、プレイコストが3金安くなります。
建築
赤色か青色のカードを1枚プレイすることが出来ます。
赤色は一発限りのイベントで、青色は特別アクションを実行可能になるカードです。
アクション選択ボーナスは、1ドローか、赤か青のカードをもう1枚プレイ可能。
アクション
青色のカードの効果を発動します。
青カードは基本セットでは毎世代必ず1回使用可能でしたが、このゲームではこの「アクション」を選択しなければ発動しません。
アクション選択ボーナスは、任意の1つの青カードのアクションをもう1回実行する。
生産
自分のプレイヤーボードの生産力に従って資源を生産します。
アクション選択ボーナスは、4金を得る。
研究
2枚カードを引いてそこから1枚獲得します。
アクション選択ボーナスは、更に3枚引いて、更に1枚獲得可能。
終了フェイズ
手札を10枚になるように捨て札にして、捨て札1枚につき3金獲得。
このラウンドで使用した計画カードは使えず、前のラウンドで使用した計画カードを手元に戻して、フェイズ1の計画フェイズに戻ります。
これを繰り返していくだけです。
これで大体プレイは可能。あとは200枚以上用意されているカード次第ということになります。カードの効果と睨めっこしてプレイしていきましょう。
得点計算
- テラフォーミングレート(TR)
- 獲得した緑地トークン
- プレイした勝利点カード
これらを合計して最も勝利点の高いプレイヤーの勝ちです。
緑地化は緑地トークンを1つ獲得出来てそれがそのまま1勝利点になりました。つまり、酸素濃度を1つ挙げてTRが1上がり、緑地トークンを1つ獲得。なので緑地化は、最大2点獲得固定になったということです。
内容物
- 火星ボード:1枚
- 企業カード:12枚
- プロジェクト・カード:208枚
- フェイズ・カード:20枚
- 資源キューブ:148個
- プレイヤー・マーカー:52個
- 透明なマーカー:2個
- 海洋タイル:9枚
- 森林VPトークン:24個
- フェイズ進行トークン:5個
- プレイヤーボード:4枚
- 参照カード:4枚
- ルール説明書:1冊
- 導入ガイド:1枚
- 仕切りカード:3枚
- プロモーションカード:17枚
- ※カードサイズ: (63.5×88.8mm)
スリーブ
63.5mm x 88.8mmのカードが250枚弱入っています。レギュラーサイズのスリーブが必要。
レビュー
世界的メガヒット作品テラフォーミングマーズシリーズの最新作です。
私は既に英語版で何度か遊ばせてもらったのですが、このゲームを端的に表現するなら、プレイ時間がかなり短くなったテラフォーミングマーズ、という感じです。
テラフォーミングマーズの名を冠したこのゲーム最大の特徴はずばり「プレイ時間」の短さです。最初に全員が計画カードを出したら、あとは全員同時に出された計画カードに従って行動していくだけです。
なので、慣れたプレイヤー同士であれば、何人プレイでも1ラウンド1分とかで終わります。テラフォーミングマーズ基本セットでは、1ラウンドに何分も何十分かかっていたわけですが、全プレイヤー同時処理によりダウンタイムがほぼ0になり、そこにかかっていた時間が無くなりました。
なので元々重量級だったものが中量級の部類になった感じです。
お互いが全員の処理の手元をチェックできるわけではないので、処理ミスやズルが出来てしまうのは、システム上仕方ない部分ですが、そこは性善説でいきましょう。
更に重要なのが、このゲームがしっかりテラフォーミングマーズしている点です。プレイ時間が短くなっただけの同じフレイバーの別ゲームというわけではありません。火星開拓や褒章などのインタラクションは控えめになりましたが、それ以外のプレイ感はまさにテラフォーミングマーズの拡大再生産の楽しさがそのままです。
元々のテラフォーミングマーズもかなりカードゲーム寄りのゲームでしたが、今回はそこからボード要素をガッツリ削ってカードのみに注力した感じです。なのでカード部分の面白さはしっかりテラフォーミングマーズになっています。
ルールの部分は先に説明した通りで、後のプレイ感は本当に手元のカード次第という感じになっています。200枚以上のカードがあるのでどういうカードがあるかは、引くたびに見て確認していく必要があるでしょう。
そのため、どういうカードを引くかにそれなりに依存している部分はあります。再序盤に高コストカードしかこないというような手札事故もありうるので、序盤の研究アクションで生産系カードを取りに行くのは比較的重要に思います。ボード盤面や企業能力で引き運をカバーできないのは通常版との違いかもしれません。
テラフォーミングマーズ通常版とどっちが面白いのかですが、正直面白さはテラフォーミングマーズ通常版の方が上です。これはアレスエクスペディションがつまらないというわけでは決してなく、通常版テラフォーミングマーズが凄すぎるゲームだというだけです。通常版のBGGランキング4位は伊達じゃないですし、数々の拡張が出ており完成されたボードゲームとしての面白さがあります。そりゃそうですよねという感じ。
ただ、通常版はどう頑張ってもプレイに2時間位かかってしまうので、気軽にできない人が多いと思います。このアレスエクスペディションはまさにその気軽さを追求した作品です。テラフォーミングマーズ通常版より面白さは多少落ちるけど、お手軽にテラフォーミングマーズを遊びたい、そういうニーズに合った名作だと思います。
ソロモードも搭載されていてプロモカードも10枚以上入っているのはかなり嬉しいですね。2022年の注目作品の1つです。
評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
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