今回は2021年12月に発売されたTRPGチックなボードゲーム「テインテッドグレイル」のクリア後の感想になります。
発売当時はかなり話題になりましたが、流石に最近だとあまり話を聞かなくなりましたね。
入手から1年かかってしまいましたが、ようやく全章をクリアしたので、ざっくばらんに感想を書いていきます。
ストーリーの詳細などは語りませんが、テインテッドグレイルの若干のネタバレを含みますのでご注意ください。
テインテッドグレイルとは?
テインテッドグレイルは2021年12月にアークライトさんから日本語版が発売されたTRPG風のボードゲームです。
私は2021年11月のゲームマーケットで先行販売されたものを入手して遊んでいました。
ダークソウルシリーズのようなダークファンタジーの世界と、アーサー王伝説の円卓の騎士のストーリーがモチーフになっています。ボードゲームながら巨大なゲームブックを読み進めて物語を進めていくという、これまでにないかなりチャレンジングなタイプのボードゲームで話題となった作品です。
世界最大のボードゲーム掲示板BGGの総合ランキングでも2023年1月現在86位と、世界的に見てもかなり高評価な作品になっています。
言語依存が非常に激しい本作の日本語化が発売決定したときには、多くの人が驚いたと思います。グルームヘイヴンなどの日本語化実績もある、業界大手のアークライトさんならではというところでしょうか。
ゲームの内容や概要は当時書いたこちらの記事を参照ください。
▼テインテッドグレイルのルール紹介とレビュー
テインテッドグレイルクリア後の感想:良い点
ここからは、テインテッドグレイルをクリアした感想になります。
2021年末から約1年。ようやくクリアしたので折角なので、完走した感想を記事に残しておこうと思います。
最初に断っておきますが、良い点も悪い点もストレートに書いていきます。
多くのプレイ済の方が感じていると思いますが、良い点も多い一方で、結構気になる点も多いボードゲームだったかと思います。あまりネガティブな意見を見たくないという方がいればブラウザバックを推奨します。
まずは、良い点から紹介していきます。
ざっとまとめるとこんな感じ
- 大作ストーリー
- ワクワクする探索
- 要素沢山
巨大なストーリー
ボードゲームというジャンルで、ゲーム性もあるストーリーのものを作るって結構大変だと思うのですが、このゲームはしっかりゲームブックに落とし込んでおり、1つのストーリーとして成り立っています。
第1章から始まるストーリーは第15章まで続くわけですが、このアヴァロンの世界全土の情勢も変われば、それに合わせてプレイヤーに襲い来る試練も変わります。
ここまでの分量の文章とストーリーを練って、1つのボードゲームとして仕上げたのは、流石に凄いの一言です。
ただ、登場人物はアーサー王伝説がベースになっているので、元ネタに近いものはあるっちゃありますけど、それでもこの分量はすさまじいですね。
あまり馴染み無いタイプの話の展開ですが、ストーリーには没入して遊んだほうが楽しめるでしょう。
ワクワクする探索
このボードゲームの一番の魅力ではないでしょうか。
新しい場所や村に到達しては、そこを探索することができます。報酬としてお金を貰ったり、何らかのフラグが立ったり。何やら今は探索できない怪しい場所があったり。兎に角探索要素が多いです。
見た目が幻想的な未知の場所は多数登場し、そこを探索するだけでワクワク楽しいのは、個人的には大好物。かなり魅力的でした。
最初の村「クーナハト」の上下左右のマスへは最初から移動可能ですが、そこを探索したときのワクワク感は多くの人が感じたのではないでしょうか。
謎に隠された場所の入り口を探せ、みたいなシナリオでも、少ない情報を頼りに探索していくのはやはり楽しく、実際に場所を発見できた時の感動はかなりのものでした。
分岐がありプレイヤーの選択肢が多い
ゲーム中にはストーリー展開に関わる選択が幾つか出てきます。幾つかどころじゃないですね。かなり沢山出てきます。
それによって行ける場所が変わったり、メインクエストの内容が全然違ったり、その後の難易度が変わったりします。
ただでさえボリュームが多い作品にも関わらず、一本道になっていないのは嬉しいですね。
その辺のフラグ管理はかなりちゃんとできているようで、どういう選択をしてもしっかり話が進むように、ストーリー進行上のバグはなさそうでした。
フラグの多さ
このゲームでは、何かイベントに遭遇するとフラグが立つことがあります。具体的にはパーティシートの裏の特定のフラグにチェックマークを入れます。
フラグが立つとどうなるか?というのは、すぐにはわからないのですが、何らかの別のイベントに遭遇した際に、そのフラグによってその後の展開が変わるということが沢山あります。
ミニイベントだったり、メインイベントだったり、そういう一体何の意味があるのか凄いワクワクさせられるフラグが大量に用意されていて、プレイ直後のシートを見てその数にいきなり圧倒されること間違いなしです。
こんなフラグモリモリのゲーム私は他には知りません。RPGゲームならではだと思います。
要素はモリモリ
ストーリーベースのゲームにも関わらず要素数はかなり多いです。
プレイヤーキャラクターは5種類いて、それぞれ特徴は異なり、更に何とキャラクター固有のカードが戦闘と交渉2種類用意されています。
このゲームの戦闘や交渉では専用のデッキを使って遊ぶのですが、それらを構築するカード類はキャラクター毎にユニークであり、更にその枚数も非常に多いです。
他にも道具などもかなりの種類ありますし、個々の能力を3以上に上げると得られるスキルカードも、かなりの種類があります。
敵キャラクターも4タイプのデッキに分かれており、各デッキに個性豊かな能力を持つ敵が沢山入っています。
テインテッドグレイルクリア後の感想:悪い点
ここまで良かった点を紹介してきましたが、残念ながらこのゲームは悪い点もかなりあります。
もしかすると気にならない人もいるかもしれませんが、私は色々と気になってしまいました。
折角クリアしたので覚えているうちにガンガン書いていこうと思います。
悪かった点をざっとまとめるとこんな感じ
- 色々な点でバランスが悪い
- わかりづらい、見づらい
- 難しすぎる
ゲームバランスがアメリカン系なボードゲーム
このゲームは良くも悪くもアメリカンなボードゲームです。
ユーロ系ボードゲームのように、ゲームバランスなどを練りに練って調整されたものには残念ながらなっていません。
どちらかといえば要素数だけモリモリにして、サイコロを振って出目で結果が決まるような「エルドリッチホラー」のようなアメリカンタイプのボードゲーム寄りだと思います。
このゲームには、能力値がLV3以上になると獲得できる特殊スキルが数多く用意されていたり、キャラクター毎にユニークなデッキを構築するカードなどが入っています。
最初はそのボリュームに凄いワクワクするのですが、遊んでいくとわかりますが「沢山用意したので、後はプレイヤーで好きに選んで使ってくれ」と言わんばかりの内容です。こんな弱いカードとかスキル誰が獲得するんだっていうものが多く、正直ちゃんとバランスが練られているように思えませんでした。
あまりにも弱すぎて、全世界中でそのカードを獲得した人はいないんじゃないか、っていうレベルの能力も沢山あります。
キャラクターのカードも大量に用意されているけど何を得るかは好きに選択が可能で、つまりプレイヤーの選択次第でその後の難易度が大きく変わることになります。
グルームヘイヴンなんかはLVが上がることに得られるカードは選択肢2つから1つなので、プレイヤーの選択でそこまで大きく戦闘能力は変わりませんが、テインテッドグレイルは何十枚もあるカードから好きに1枚なので、変なカードを得てしまった日にはその後の難易度が詰むレベルで激増します。
デッキ強化するために必要な経験値・レベルもそんなにポンポン上げられないので、そういうプレイヤー任せの難易度になっているといわざるを得ません。
キャラクター間の関係がわかりづらい
アーサー王伝説をモチーフにしたストーリーのため円卓の騎士などが多数登場するのですが、誰が誰なのか正直関係が良くわかりません。
もちろんちゃんとメモして遊んでいけばわかりやすいのかもしれませんが、ストーリー全てをメモして遊ぶのは正直至難の業というか時間がかかりすぎるので、私はやっていませんでした。
結果、当たり前のように出てきているこの人誰だっけ?みたいなことが良く起きました。
まぁユニークキャラクター位の関係図は自分でメモして残しておいた方が良かったかもしれません。
細かい処理がわかりづらい点が多い
ルール上細かい処理でどうすればよいかわからない点が多かったです。
こういう例外な処理はどうなるんだろうとなって、何度も説明書と睨めっこして遊んでいました。
最終的にはハウスルールというか自分たちの解釈で遊んでおり、正しいルールでどこまで遊べていたか若干怪しいです。
難易度が高い
全体的に難易度は非常に高いです。
探索も戦闘もそれ以外も兎に角難易度は高い方向で調整されているようです。
やりごたえのある攻略し甲斐のある難易度ならそれでいいのですが、このゲームはどちらかといえば、理不尽依りな難易度の高さになっています。正義のヒーローとかそういうキャラクターたちではないので、これくらいの弱さがリアルなのかもしれませんが、あまりにもプレイヤー強化が弱すぎます。
バランスの悪さが目立ちますね。
バランスが悪い(戦闘編)
探索のワクワク感と合わせて戦闘のワクワク感もRPGとして重要な要素です。
このゲームは、ゲームクリアに戦闘は必要不可欠な要素ですが、肝心なこの戦闘のバランスが非常に悪いです。
最初の最初のチュートリアルで戦う「ネズミ」は、なるほど戦闘システムはこんな感じか、というそこそこ納得感もありワクワクもさせられる戦闘になるのですが、それ以降がかなりひどい。
敵のレベルは、ストーリーに応じて1~4まで4段階あるのですが、気持ちよく戦えるのはレベル1位。大して強くなる前に遭遇し始める、レベル2以上の敵は正直絶望的な敵が多く、戦っていて楽しくないことが多いです。決して俺TUEEEが出来るゲームではありません。
このゲームは、戦闘開始時の手札が3枚で、1ターンに何枚でも使っていいけど、1ターンに自動で補充されるカード枚数は1枚だけという縛りがあります。
そのため、基本的には手札枚数は常にカツカツで、大して手の選択肢がないまま戦闘は進み、序盤でもかなりギリギリの戦いを強いられます。ただ、効率的にダメージを与えてダメージを受けて。と、戦闘で考えることはないわけではなく、丁度良い敵との戦闘では戦闘もそれなりに楽しめますが。
更に敵が持っているスキルも超大味です。「奇襲」という効果の敵と戦闘する場合、最初の手番プレイヤーは手札を1枚になるまで捨てなければなりません。
この奇襲能力を1人プレイ時に受けるとどうなるか?
敵との1:1の戦いにもかかわらず、戦闘開始直後に手札がわずか1枚になります。あとは毎ターンそれを出してはターン終了時に1枚山札から補充し続けるだけの坊主めくりの運ゲームになります(笑)。高レベルの敵にこれで勝てるわけがありません。
これが2人プレイだったら、奇襲の効果を受けるのは1人だけなので、目に見えて受ける効果が減って楽になります。こんな感じで戦闘はプレイ人数に応じて適切に難易度がスケールするようにはなっておらず、1人プレイなど一部のプレイ人数だと非常に難易度が高くなるようになっていたりします。
こういう戦闘系RPGなゲームに求めているのは、キャラクターを成長させ、ガンガン敵を倒せるようになっていき、たまに手ごわい敵と戦って苦戦する、とかそういうバランスですよね。決して最初から最後まで苦しい続きの戦いではないはずです。グルームヘイヴンのように手ごわい敵を倒せるように強くなっていき、敵も併せて強くなっていく歯ごたえのある戦いが望ましいのですが、テインテッドグレイルでは残念ながらそうはなっていません。
しかも後半の強力な敵だからと言って、勝利褒賞が優れているわけではなく、敵の戦闘能力が桁違いにもかかわらず、ロクな報酬しかもらえません。強敵で大ダメージを受けて疲弊しやっと倒したと思ったら報酬はたったの2ゴールド。経験値すらもらえない。なんじゃそら。
更にこのゲームではダメージを受けると、HPや正気度の最大値が減る仕掛けがあります。そのためHPが無くなると1日で行動できる回数が減り、まともな活動が出来なくなり、じり貧になります。HPが0じゃなくてもほぼゲームオーバーみたいなことになってしまいます。
幸いこのゲームでは、敵からの逃亡はほぼコスト無しで逃げることが出来ます。スタミナが1減りますが、スタミナ0でも逃亡は実施可能です。
そのため、戦ううまみが全くない高レベルの敵と遭遇するストーリー後半は、ただただ逃げるだけのゲームになっていました。
一方で「戦闘」の1つである「交渉」ですが、こちらは非常に楽に勝利でき、更に何故か報酬もかなり美味しいものになっています。なので「戦闘」はせずに村人と「交渉」しまくって褒賞を稼ぐなんていうヘンテコなプレイになることも。
ただ、交渉はリスクなしの逃亡は不可で、逃亡した場合はかなり膨大なペナルティを受けることになります。この戦闘との難易度と褒賞の内容の違いは一体なんなんでしょうね(笑)。
わざわざ交渉専用のデッキを各キャラクターに用意する位には、交渉要素をシステムとして盛り込んできたわけですが、戦闘以上に正直中途半端な感じが否めません。
という感じの戦闘システムで、カードの見た目は中々良いですし、オリジナルな戦闘システムで面白い部分もあるだけに、バランスの悪さが残念でした。
バランスが悪い(探索編)
探索もワクワク感は素晴らしいのですが、戦闘同様にバランスが悪いです。
まずこのゲームのシステムの肝である「メンヒル」。このゲームの世界では「メンヒル」は、悪霊・あやかしから人々の身を守ってくれる強力なお守りのような存在の神像です。これは決して宗教的なものではなく、完全にその効果が現実世界に影響を与えるものになっています。結界を張ってくれる感じでしょうか。
このメンヒルをストーリーに合わせて、下手にゲームシステムの肝として登場させてしまったばかりに、探索が全てメンヒルに縛られることになります。
メンヒルの火が付いていない地域の土地は探索できません。更にメンヒルの火が付いている時間には制限があります。1日1ずつパワーが減っていきます。0になりメンヒルの火が消えると、即死はしませんが大ダメージを受ける毒状態みたいになり、すぐに着火できなければ実質ゲームオーバーになります。
そんなゲームオーバー装置であるメンヒルのため、ストーリーの進行、探索中はメンヒルの着火を意識して立ち回るのですが、そのコストが異常に高くそう簡単に着火させてくれません。ここだけはプレイヤー人数に応じてコストは等倍になっていきます。
このゲームでは1ターン(1日)の行動回数である活力は、1ターンに大体4しか得られません。この行動回数4を使って得られる資源に対して、ゲームオーバータイマーである「メンヒル」着火に必要なコストが高く、全然行動に余裕がないのです。
頑張ってメンヒル着火のための資源を得たら、後は残りは1,2回探索できる程度しか余力無し、なんてことが序盤は特に起きやすいです。探索を楽しみにしているゲームなのに探索の余裕が全然無く、ひたすら余裕がない苦しさが続きます。
メンヒルシステムの都合上、メンヒルを中心とした3×3のマスしか探索できないので、ほぼ必ず次のメンヒルは別のメンヒルの斜めに配置されています。そのためメンヒルは2,3体同時に起動なども必要で、ますます資源は足りなくなっていきます。
メンヒル着火のための資源も場所によってバラバラなので、探索の先でその資源が得られるどうしようもなくなるなんてことも多いです。多少資源に余裕があると思っていてもすぐになくなってしまいます。
探索時のアクションもイマイチなものが多いです。各マップにはそのマスで実行可能な特殊アクションが用意されています。ただ、これもコスパが悪い。活力2で1食糧を得る、、、とか一体誰がそんなアクションをしたがるのか。
あまりの資源の無さに疲弊していましたが、特定のシナリオで、メンヒルの資源を集めて尚且つまだまだ余裕があるような、実質無限行動できる状態になりました。どうしたかというと、時間をかけまくってありったけの食料・名声・経験・魔力を得る行動をしまくりましたね(笑)。
案の定、次の章からそういうボーナスタイムも無くなり、余裕がなくなったので、集められるときに兎に角集めまくるというスタイルが正しそうです。
探索が楽しいボードゲームなのだから、もう少し楽に探索できるようにしてくれても良かったんじゃないかなと思いますね。確かに時間制限が無いと1章から無限に探索できてしまい、システム上ダメなのかもしれませんが、他の方法で上手くならなかったのかと思ってしまいます。
バランスの悪さ(その他)
そんな感じで、全体的にバランス悪いゲームだな、というのは遊んでいて途中から強く感じてしまいましたね。
特に、何度も継続して遊ぶ前提のゲームにもかかわらず、プレイ人数に応じて全然難易度が異なり、バランスが悪いのは本当にちゃんと調整したのか疑ってしまいます。中々遊ぶ仲間が集めづらい重ゲーなので1人プレイが多かったのですが、1人プレイが一番難易度バランスが悪いようで、なおさらそう感じてしまいました。
追跡な人とか一度も戦ってませんからね(笑)。1人だととても無理でしょ。
要素も振り返ってみると、アメゲーで良くある、ボリュームを増やすためだけに、無駄に増やした感じのものが多いです。
「夢」のシステムもちょっと蛇足感ありますし、「正気度」とかクトゥルフチックな要素入れてみたは良いけど、それも正直楽しいシステムとは言えません。どちらかといえばただ苦しくするだけの要素です。
主人公たちが持っている「烙印」も、正直どうでもいいただのデメリット効果で、結局何だったのっていう。
これだけストーリーが濃厚なボードゲームなので、まずはストーリーを作るデザイナーがいて、ストーリーを練りこみ、そこの要所要所で後付けで徐々にボードゲーム要素を盛り込んでいったという感じなのでしょうか。
ボードゲームのバランスありきではなく、ストーリーありきで後付けで得られるものなどを決めていったので、こんな感じの大味バランスになっているのかもしれません。
見づらさ。UIのわかりづらさ。
このゲームにはコンポーネントのUIの悪さが目立つ部分も多いです。
このゲームのゲームブックでは、ストーリー上重要なイベントはその内容をネタバレしないようにするために、ゲームブックの後ろ側に通し番号が付いていて、そこを読むように指示されます。
例えば、クーナハト村の探索で宝を見つけた。ゲームブック後ろの312番を読め。みたいな指示があり、ゲームブック後ろの312を見ると伝説の武器をGETみたいなことがあります。
この「312」という数字なのですが、わざわざわかりづらくするために付属コンポーネントで暗号化しています。8角形のダイアルで、ゲームブックにはダイアルの向きだけが書いてあり、そのダイアルの模様の向きで数字が決まるようになっています。最初は面白い仕掛けだと思っていたのですが、その内ただただ面倒なだけでメリットがないと気づきました(笑)。
別に312という数字がわかったところで、その選択肢を読まなければわざわざ後ろのネタバレは見ないですし、大した暗号化でもないので、ネタバレして読もうと思えばすぐに解読できてしまいます。
最初から「312」と書いてあればもっと遊びやすいのにと思ってしまいました。正直蛇足です。
また、この8角形のダイアルにはカウントアップ用に数字が書かれていますが、その数字が非常に見づらい。そのダイアルを使ってメンヒルの火の残り日数などを表現するのですが、背景と同色で数字が全然見えません(笑)。当時黒ペンで数字に色付けしてる人もいたくらいです。
また、メンヒル像のフィギュアは、見た目ダークなこのゲームの大きなコンポーネントの1つですが、これが凄い探索の邪魔です(笑)。これを置くだけでマップの可視性が悪くなりますし、足ものとダイアルの数字も一方しか見えないので、プレイヤーによっては全然見えません。
マップカードをめくろうにも、メンヒルが邪魔で一度どかさないと裏返せないなど、色々どうなのよって感じです(笑)。
最終的には私はダイアルだけを置くようにしてました。。
そんな感じでUI上ちょっと行けてない部分も幾つか目立ち、細かいストレスポイントになっていました。
夢の無意味さ
特定の場所で1日を終えると「夢」を見ます。良い夢だったり場合によっては悪い夢だったり。ゲームブックの特定のページを読めってなるわけでう。
この夢システムは、最初の最初は、確かにヒントに繋がるような良い情報を与えてくれるもので面白かったのですが、序盤以降は酷いもので、抽象的なフレイバーがただただ書いてあるだけで、夢を見てもロクな意味がありません。
正直何のために入れたのか理解しづらいジャストアイデア的なシステムで、後半は特に意味をなしていませんでした。
序盤の序盤でヒントを与えてくれてそこから推測して探索して、というのは確かに楽しかったんですけどね。そういう考えれば何とかなる要素が最初しかないのが残念でした。
武器・アイテムがしょぼい
道中手に入るアイテム類は大分しょぼいです。
使えるものもありますが、使えないものの方が多い印象。
伝説のアーティファクト的なものが手に入ったと思ったら、デメリット付きでメリットは微々たるもの。なんなのこのマゾゲーはという感じです(笑)。
明確にこれは便利とか強いとか思わせてくれるものが良いのですが、変に制約とかデメリットが付いたものが多い。
詰みポイントが幾つもある
後戻りできない状態で強制戦闘となって、勝つまで続けなければならない、なんてこともあります。
戦闘力を全く鍛えてないとここで詰んで終わります。
また、筋力や精神力など6つのパラメータが存在しますが、そのパラメータ依存のイベントも大量にあり、パラメータが低いとまずクリアできないことも。パラメータを1上げるのには莫大な経験値がかかるので、そう簡単にはパラメータは上げられません。
という感じの詰みポイントが、意図的かわかりませんが多数用意されています。
ゲーム序盤なら最初からやりなおして知識ある状態でニューゲームみたいな楽しみ方が出来るでしょうが、ゲームに20時間以上かけた状態でも平気でこういう詰みポイントが発生しますからね(笑)。
流石にこれは酷い。多分ルール無視してゲームオーバーにしなかった人沢山いるんじゃないでしょうか。
テインテッドグレイルクリア後の感想:まとめ
そんなこんなで、テインテッドグレイルをクリアした感想をまとめてきました。
見ていただければわかるように、結構愚痴というか、ネガティブな内容多かったと思います(笑)。
まとめると「そこそこ楽しめたが2周目は遊ぶ気力はない」ボードゲームという感じです。
プレイまでのクリア時間は40~50時間くらいだったでしょうか。
1つ2時間以上かかったシナリオもあれば、運が味方してわずか30分で終わったシナリオなど、シナリオによって時間はまちまちでした。
選択肢も多くキャラクターや要素も多い本作なので、プレイ時の初期1~3章くらいまではかなり楽しめており、その時は2周目も是非遊びたいと思っていましたが、前述したようなバランスの悪さなどを徐々に感じるようになってきて、全15章をクリアした今では、ちょっと2周目はもう良いかなという感じです。
最初はバランスが良く楽しめるのですが、途中いきなりバランスが悪くなって、戦闘・探索共に苦しさを感じるようになります。
正直、私のプレイ終盤では新しい場所の探索なども無くなって、探索によるワクワクはほぼなくなりましたし、メンヒル着火の資源を集めるだけのお使いプレイが面倒すぎて、メンヒルダイアルは常時MAXの8にするハウスルールでやってました。また、敵との戦闘は1人プレイだと難易度が高すぎて、勝てそうな敵以外は、ただただ逃げるだけのゲームになっていました。シナリオ上は最後の方はえらいこっちゃになるので、なおさらその傾向が加速しましたね。
また、ゲームオーバーを回避するため、何度かルールを無視してズルして回避したところもあったと思います。最後は兎に角ストーリーとしての着地点、シナリオのオチだけを楽しみに進めていましたね。最早キャラクターの育成などはどうでもよくなっていました(笑)。
そんな感じの終盤だったので、2周目遊んでどうなるかを改めて一から楽しむ気力は無く、その時に選択しなかった選択肢を選択するとどうなるかを、ゲームブックを見てネタバレしてみていました。
アークライト公式HPには、1周では真実がわからない・・・という風に書いてありますが、このゲーム2周目もしっかり遊びきった人いるんだろうか。。。というより完璧ルール通りで、ズルせずにクリアできた人がそもそもいるんだろうか(笑)。
このゲームは、実はかなりやりこまないとたどり着けない、隠し要素みたいな極地もちゃんと用意されています。ただ、一体どれだけの人がそこまでたどり着けたのやら。私はネタバレしてみてしまいました(笑)。
フラグも死ぬほど沢山用意されていて、それもいつどこでどうなるのか、自分が選択してないフラグがたったらどうなっていたのか、などは気になるところですが、ちょっとそのフラグを別の形で回収するようなプレイは厳しいですね。
そんな感じで、私はちょっと正直2周目プレイはきついと感じてしまいました。
選択しなかった別ルートや別キャラクター、別の育成スタイルで再度始めることは当然出来ますが、グルームヘイヴンと違って道中の苦しさが強く、これを2周目やるならグルームヘイヴン2周目やるというかんじです。
こういうゲームブック主体のボードゲームは、やはりゲームブック側とボードゲームとしての面白さのバランスを取るのが、非常に難しいんだなというのが良くわかった作品ですね。グルームヘイヴンはストーリー側は弱めにしてあり、逆にゲームシステム側はかなり面白くなるように作りこまれていますが、やはりシステムが作りこまれている方が遊んでいて楽しいですね。
リゴレさんでクラウドファンディングされたスリーピングゴッズも、似たようなストーリー重視なボードゲームですが、ちゃんと楽しめるゲームバランスなのか気になるところです。
そんなで色々悪い点もあるテインテッドグレイルでしたが、探索などはやはりワクワクしましたし、しっかり面白ポイントがあるのは間違いありません。
海外では拡張が発売されていて、そちらを入れると一気にバランスが良くなったという話も聞くので、日本語版が出るかはわかりませんが、期待したいところですね。
以上、テインテッドグレイルのクリア後の徒然なるままの感想になります。
テインテッドグレイルをクリアした方がいれば、是非是非感想をお聞かせいただけると嬉しいです。それでは。
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初めてコメントします
この記事を読んで買って以来積みっぱなしだったこのゲームを自分をプレイしてみようと思いました
一人プレイの予定ですが使用キャラは何人がオススメですか?
TEENOさんの感想では2週目はつらいと考えるなら大目がよいでしょうか?
人数多いと複雑になるから少なめ?
>七誌さんへ
コメントありがとうございます。
テインテッドグレイルは重いですし始めるのに覚悟が必要ですよね(笑)
使用キャラクター数は中々難しいのですが、1人でプレイされるなら1キャラ、最大でも2キャラが良いと思います。
このゲームでは、メンヒル着火のためのしょうもないルーティンなども出てきてしまうので、1人でプレイする人数が増えすぎると凄い時間がかかりますし、プレイがかなり面倒に感じると思います。
今思い返しても1人で3,4キャラプレイは絶対やりたくないですね(笑)。
サクサク快適にプレイするなら1人ですが、レビューにも書いた通り1キャラプレイの難易度調整がイマイチなので、2キャラが良い気がします。
幸いプレイ人数に伴う難易度は章毎に調整されるので、2キャラクターでプレイして、これは駄目だってなったら1キャラクターに変更するのが良い気がします。
ありがとうございます
二人で開始してみます
また何かありましたらお気軽にご連絡ください。
色々と過酷なテインテッドグレイルの冒険ですが是非お楽しみを!