「夢と悪夢の運び手(Bringer of Dreams and Nightmares)」をレビューします。
島中の侵略者に恐怖を振りまく恐怖の象徴のような精霊。
スピリットアイランド基本セットの上級精霊2体の片割れだけあって、前回紹介した海の精霊並に使用難易度が高くなっています。
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闇の精霊 概要
好き嫌いが非常に分かれる「闇の精霊」。私のブログでは文字数制限から「闇男」と呼んでいます。「岩男」よりゴロ悪いけど仕方ないね。
アートワークを見ればわかりますが、実は思ったより小さい精霊です。また、開発当初は別のアートワークだったのですが、最終的に今のアートワークに落ち着いた精霊です。
闇の精霊 能力値
精霊ボードの裏側に書かれている参考能力値は以下の通り。あの裏面の能力値は結構アバウトな長さになっているのであくまでも私の目視による参考値です。
- 攻撃:0
- 制御:3
- 恐怖:10
- 防御:3
- 補助:3
「恐怖」超特化の精霊で、初級精霊の「影竜」より更に恐怖スキルに特化しています。見た目はMAXですが、実質パラメータ上限を超えていますね。兎にも角にも恐怖ファーストで侵略者に対して圧倒的な速度で恐怖をばら撒くことが出来ます。
その反面攻撃は0となっています。このパラメータはまさにその通りで、闇男は敵を攻撃で破壊できないという強烈な制約を持っています。
更に実は闇男は全精霊一のエレメンタルマスターでもあります。
闇の精霊 成長の特徴
成長はまさかの4択で、かなり癖が強いです。
・射程4の住居配置が可能
基本セットで、射程4の土地に住居を置けるのはこの精霊だけです。しかしこの精霊は、他のプレイヤーの島ボードに進出してフォローしたりする性質の精霊ではないので、やや噛み合ってない感じがします。
・捨て札1枚回収の成長が可能
捨て札1枚回収するという成長を持つ精霊も基本セットでは闇男だけです。防御スキルが重要なのでその回収のために使用…というのは良いのですが、射程0住居1とセットなので成長としては弱く、イマイチ選択するメリットがない気がします。
成長が4択で選択肢が他の精霊より多いのは良いですが、イマイチ選択するメリットの薄い成長もあるという感じ。これを使いこなしてこそなのかもしれませんが。
闇の精霊 精霊力と使用カード枚数
精霊力の成長はやや優秀です。
比較的スムーズに上がっていきます。更に他の精霊なら成長毎に2→2→3→3のようにただただ同じ精霊力が続くだけで面白みがないところを、闇男は2回に1回エレメントが開放されます。2→エレメント開放→3→エレメント開放、となり無駄なく強化されていきます。
何と最終的にはカード使用枚数成長と合わせて、毎ターン任意のエレメントが2つ得られるようになります。これが闇男がエレメンタルマスターたる所以です。エレメント関連の能力カードのデザインに採用されており、公式にもそういう設定っぽいですね。
使用カード枚数の成長速度はワーストレベルです。
最初から2枚使用可能なのはレアで強いのですが、そこからの伸びが悪すぎます。最終的には1枚増えて3枚使用可能にしかなりません。しかも3枚使用可能になるタイミングも遅く、中盤の初めくらいまでは2枚で凌ぐ時間が続きます。この遅さは中々厳しいですね。
闇の精霊 固有ルールと先天能力
固有ルール:「千の死を夢見て」
効果:侵略者とダハンを能力で破壊が出来ない。町を破壊できる場合、破壊する代わりに2恐怖。都市を破壊出来る場合、破壊する代わりに5恐怖。遠征隊か町を破壊出来る場合、それらを押し出しても良い。
闇男の闇男たる所以。強力なメリットと強力なデメリットを併せ持つ能力。
闇男の特徴はこの能力に凝縮されているといっても良いでしょう。
何と侵略者を破壊できないという意味がわからないデメリットを持っています。しかし、町や都市を倒しそうになった場合に得られる恐怖値が通常の2~2.5倍という凄い性能です。
この通常の倍以上の大量の恐怖値を与えてガンガン恐怖レベルを上げていくのがこの精霊です。
ダハンを用いた攻撃能力カードでも敵を破壊できませんが、ダハンによる反撃のダメージは発生します。なので侵略者を破壊したければダハンを上手く使うしかありません。
先天能力:「精霊もまた夢を見る」
効果:エレメント数に応じて任意の精霊は、恐怖カードを1枚見る、また、エレメントを得る。
補助スキルですが中々変わった能力です。手放しで便利とは言い難い能力になっています。
何と恐怖カードを1枚めくる前に先に見ることが出来ます。この能力は拡張も含めて超レアな能力な気がしますね。
ルール上カードを見れるのは能力の対象になった精霊だけですが、カードの内容に嘘をつく意味は無いので、皆に公開してしまって良いでしょう。
獲得済みの恐怖カードを見ることも出来ますし、次に獲得する恐怖カードを見ることも可能です。恐怖カードはかなり強力な効果をもたらしてくれることも多いため、中身を確認できるのはそれなりに有用です。
この恐怖カードチェックの効果とは全く別の能力として、他の精霊のエレメントを増やすことが出来ます。同じ能力内で独立した能力を持っているのは闇男だけですね。精霊ボードのスペースの都合上2つまでしか先天能力を持てませんが、実質先天能力を3つ持っている精霊です。
条件として既に生み出しているエレメントのみ生み出せるという制約がついていますが、エレメントがあと1あれば発動するなんて言う能力も多いため、他の精霊に取ってみればかなり有難い能力だと思います。
ただし、発動するにはこの闇男自身で、先天能力のためのエレメント月3を生み出さなければならず、それなりに時間がかかります。
個人的にはあまり発動させたことが無い能力な気がしますね。
先天能力:「夜の恐怖」
効果:エレメント数に応じて、恐怖1~3。
この精霊の大きな特徴のもう1つ。シンプルな恐怖アタックです。
この能力の発動条件が兎に角緩いため、1ターン目からLV2の恐怖2を与えることが可能です。LV3の恐怖3も、精霊力強化によるエレメント獲得で、それなりに楽に得られるはずです。
基本的にこの能力はほぼ毎ターン発動させて、ガンガン恐怖値を溜めていくことになります。
侵略者への射程0制限がついていますが、別に侵略者のいる土地が1つあればよいので、全く問題になる制限ではないでしょう。
闇の精霊 固有能力カード
正直わけわかめなカードが多いです。基本セットの精霊で一番わけわかめだと思います。
固有カード:ダハンの夢
効果:ダハン2まで引き寄せ、もしくは、町か都市があるならダハンの数だけ1恐怖(MAX3恐怖)。
重要スキル。コスト0で射程も長く早くダハンを制御可能。闇男は敵の破壊はダハンの反撃以外は不可能なので、ダハン制御能力はかなり重要です。2体引き寄せられれば十分でしょう。
恐怖攻撃に使っていきたいですが、引き寄せが重要なのでそこまで都合よく発動させられません。
やろうと思えば大量にダハンを集めて、毎ターン大量の恐怖攻撃が出来てしまうので、上限は3つまでという制約がついていますね。
固有カード:捕食性の悪夢
効果:2ダメージ。ダハン2までを押し出す。
聖域からしか発動できませんが、町を直接攻撃できる能力です。町を攻撃して破壊相当のダメージを与えた場合、2恐怖を生み出します。
町押し出し付の2恐怖だと考えると…うーんそこまで強い効果には聞こえないですね。都市破壊にまで至れば最高なのですが町破壊までだとその辺の能力カードにもついてるくらいの効果しか与えられません。
ダハン制御もついていますが、基本的には敵の町に対して攻撃する能力なので、こちらはオマケ程度ですね。
ちなみにカッコで補足説明が書いてありますが、これは固有ルール「千の死を夢見て」について再度説明しているだけなので、それ以上の追加恐怖などは発生しません。
固有カード:恐ろしい幻影
効果:対象の土地で生み出された恐怖1につき防御1。恐怖1。
闇男の生命線スキルです。
闇男は敵を破壊できないため、兎に角この能力を使って防御を得て、土地を守って荒廃を防いでいきます。普通に狙えば3,4位の防御は得られるのでそれなりに守り切ることが出来ます。
ただ、このカードだけでは、都市付きの土地を守るだけの防御力は得られない可能性が高く、荒廃止む無しという感じになります。
町と都市の破壊による恐怖はカウントしないとなっていますが、これはほかのプレイヤーが町を破壊して恐怖1を獲得してもそれは防御に加わらないということですね。闇男の「千の死を夢見て」による恐怖はカウントされると書いている通りです。
固有カード:真夜中の夢の時間
効果:ターゲットの土地にダハンがいるなら大能力を1つ得る。この能力を忘れた場合、ダハンの数と同じだけの精霊力を得て、コストを支払ってその大能力を即時使用しても良い。もしくは、侵略者がいるなら2恐怖。
何やこれ…っていう感じの謎能力。
大能力を獲得するための固有能力カードで、大能力獲得時に破棄するカードをこのカードにした場合、追加の精霊力ブーストと即時使用権が得られるというもの。
そんな序盤で大能力を使えるだけの精霊力が溜まっているか怪しいですし、ダハンのいる土地もそこまで固められていなければせいぜい2,3精霊力を得るのが限界です。
ランダムで獲得する大能力カードを即時使用するというのも、どこまで有効性があるか怪しいところ。
ということで大体後者の能力を使うわけですが、この「もしくは…」の部分以降が全然それまでの能力説明と関係ないただの2恐怖(笑)。
基本的にはエレメント獲得と恐怖を与えるために使い続ける感じになるでしょう。大能力を獲得したいとなった場合には、折角なので成長ではなくこの能力を使っていきましょう。
闇の精霊 簡単な攻略とコツ
「捕食性の悪夢」で遠征隊や町を移動させつつ、「恐ろしい幻影」で島を守っていくのが、序盤の基本戦術です。兎に角これらの能力を最大限に生かすべく立ち回ります。
というより、それ以外の能力が荒廃を防ぐために使えるものではないので、自ずとこれら頼みになってしまいます。
最初から持っている手札や能力は恐怖以外に関してあまり強くないので、新たに獲得するカードにかかっています。都合のいいカードが手に入るように祈りましょう(笑)
成長は、最初から能力カードは2枚使用可能なので、エレメント獲得可能な精霊力強化を優先した方が良いです。3回成長して月のエレメントが開放されれば、先天能力「夜の恐怖」で毎ターン大きい恐怖ダメージを与えることが可能になります。
この先天能力「夜の恐怖」もこの精霊の生命線なので忘れずに毎ターン発動させていきます。常時恐怖ダメージを与えられるのはこの精霊の強みです。
もう片方の先天能力「精霊もまた夢を見る」は、正直オマケ効果過ぎてあまり期待しない方が良いですね。要所要所で使えることがある程度で期待せずにプレイしましょう。
都市への対処ですが、ダハンの反撃に頼るには、防御も制御もやや能力が足りません。しかし、破壊するにはダハンの反撃以外はありません。折角なので大能力による破壊を狙いたいですが、破壊は出来ずに恐怖が溜まるだけなので、荒廃は受け入れるしかないでしょう。
良い大能力カードを獲得できれば、「千の死を夢見て」の効果で、もの凄い勢いで恐怖値を溜めることが出来ます。特に「稲妻の鉤爪(3恐怖5ダメージ。強化で周囲の各土地の町1を破壊)」との相性が抜群で、一撃16恐怖以上与えられたりします。これを毎ターン使うことが出来れば凄い楽しいことになりますね。
そのため、大能力カードはダメージ系か恐怖系にしていくのが無難です。この千の死を夢見てによって都市破壊の代わりに大恐怖を与えるプレイがこの精霊の醍醐味なので、積極的に狙っていくのが良いと思います。
ソロプレイの場合、プレイスタイルにも書いてありますが、基本的には「恐怖勝利」を狙うしかないでしょう。この精霊単体で町や都市を排除するのは非常に困難です。
マルチプレイの場合、都市や町の破壊は他のプレイヤーが頑張ってくれるので、恐怖勝利以外の勝ち筋も見えてきます。ソロでも戦えますがどちらかと言えばマルチ依りな精霊でしょう。
闇の精霊 レビュー
- 強さ:★★★☆☆
- 好み:★★★★★
精霊の個性が非常に強く個人的には大好きな精霊。その個性故に世の中の使用頻度的に、基本セットだとワーストレベルな気がします。
強いかと言われると…微妙。敵レベル0位であればソロで余裕で勝てるだけの力は持っていますが、少し難易度が上げた状態で勝てるかと言われると中々難しい気もしますね。
もう片方の恐怖の精霊「影竜」の方は恐怖も簡単に与えられるし、敵も破壊できるので、立ち回りやすさでは確実にあちらの方が上です。「千の死を夢見て」による「都市破壊の代わりに5恐怖」という点がこの精霊の最大のウリですが、そこに至るまでが中々しんどいですし、破壊せずに放置できるほど都市は甘くないです。
他の精霊に比べてイマイチなのが、固有能力カードですね。正直うーん…という感じのラインナップで、確かに恐怖値は溜められるのですが、盤面に対処するには使いづらいものばかり。この精霊の使いづらさに拍車をかけている気がします。
先天能力もうーん。。。
チーム全体の恐怖稼ぎに大きく貢献できるのは間違いないので、敵を排除できない苦しさはありつつも、恐怖稼ぎが楽しいと感じることが出来るかがポイントですかね。後退のねじを外して防御より恐怖の精神でがむしゃらに恐怖攻撃をしていきましょう。
以上、闇の精霊である闇男の紹介でした。
これで基本セット全精霊の紹介は完了となります。私もまだまだ使いこなせていない精霊は多いので良い使い方やコツなどがあれば是非教えてください。
次回はオマケパートということで。基本セットのプロモ精霊2体を紹介していきます。
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